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『蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ』は生活に組み込まれる

アプリ「スクールアイドルコネクト」の配信者に、4月から新しくある人が追加された。私はそのうちの1人に夢中になっている。
石川県金沢市の蓮ノ空女学院という学校の1年生のスクールアイドル日野下花帆さん(ひのした かほ)だ。

この子がとてもフレッシュで配信を見ていて楽しい。1学年上の乙宗梢さん(おとむね こずえ)とスリーズブーケというユニットを組み活動している。
梢先輩(花帆さんがそう呼んでいるので私もそれに倣わせてもらう)とのコンビはとても華があり、彼女がいるとパッと周りが明るくなると言う花卉栽培を営む家の娘さんらしく、まさに花のような人である。

お披露目ライブから何度かのFes×Live(月一の定期ライブ)を行っているが、スリーズブーケの歌う楽曲はThe 王道アイドルという感じだ。
一部の楽曲はの歌詞は花帆さんと梢先輩による共作らしい。私は「謳歌爛漫」が特に好きだ。

配信活動はソロで雑談やダンス練習の配信をしていたり、同じ時期に入部した村野さやかちゃんと一緒に配信を行なっている。
花帆さんと村野さやかさんは同じユニットを組んでいるわけでは無いが、入学式に出会ったとかで同じ一年同士ウマが合っているようだ。
しかもつい先日1年の大沢瑠璃乃ちゃんという子が新入部員として加入したようでより賑やかになることが期待される。

配信から出てくる情報では彼女達の一端しか知ることが出来ないがその日々はとても充実しているように見える。
きっと梢先輩と早朝マラソンに励んで梢先輩にスポーツドリンクをもらったり?

さやかちゃんとせっせと文化祭の準備をしたりしてるんだろう(あの学校では1年に3回も文化祭に相当するイベントがあるらしい。お祭り大好き学園か?)

女学院だから男子生徒はいないけれど、こんな天真爛漫な子がクラスメイトで?万一にも隣の席だったら恋におちてしまうだろうな…。


はぁ…

@lovelive_official

蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ 花帆 自撮り中! #蓮ノ空 #リンクラ #lovelive

♬ Reflection in the mirror - スリーズブーケ


はぁ………。最高にかわいいヒロインだ……。




と、このように私はすっかり蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブにのめり込んでおり、配信を見る人間というロールプレイをする異常者になってしまっている。
楽しいんだよなぁ。女友達と話しているみたいで。

さて、4月のアーリーアクセスを経て5月より正式リリースされた蓮ノ空女学院スクールアイドルのアプリ、リンクラこと「Link!Like ラブライブ!」
このグループの真価、というかこのコンテンツの思惑にとでも言うべきものに見事に乗せられている。
蓮ノ空の思惑とは何か。それは彼女達を追うということが生活に組み込まれてしまうことだと思っている。

今が消えないうちに

これまで5作もの作品を重ねたラブライブ!シリーズ。当然春夏秋冬、季節の祝い事を題材にしたキャラクターのコメントなどはたくさんある。

だが彼女達の時間は基本的にサザエさん時空。アニメも一部を除き1年間以上の時間を描くことは出来ない。3年生がいる以上、年度を超えてしまえば卒業してしまうからである。卒業させることが出来ない以上、アニメ以外の時空では3年生が何度となく冬を迎えているのである。

ラブライブ!スーパースター!はLiella!の初期の5人を全員1年生とすることで進級、後輩の加入というシステムを組み込まれ、3年間の時間を描くことが可能となった。
それは確かに新しい試みではあるが、アニメという作品の性質上、こちら(我々)の時間帯とは厳格にリンクしない。自分たちがジリジリ焼ける夏の暑さに耐えながら彼女たちの冬のエピソードを見ている可能性だってある。
実際、かの有名なSnow halationはCDのリリースは12月22日だが、アニメで披露した回は2014年6月、初夏である。上記のラブライブ!スーパースター!ではアニメで1年間を1クール、4倍のスピードで駆け抜けたのである。


では蓮ノ空女学院はどうかと言うと、これこそが本作品の最大の特徴でありコンセプトとしても掲げられている、リアルタイム「スクールカレンダー」連動プロジェクトである。

スクールカレンダー=4月はじまりのカレンダーのこと

スクフェスや先日サービス終了したスクスタは30人以上のキャラクターの誕生日は設定されてこそいるがゲームなどで誕生日のボイスが聞けたり、新規イラストが見れるなどにとどまるものだ。(大体のソシャゲはそんなものであるが)

ゲームでその1年後にキャラクターが進級しているなどということは無いし、誕生日ボイスは使いまわされている可能性すらある。

画像を探してカメラロールを漁っていたらスクスタが終了した辛さが再発した

だが、我々が生きている時間と蓮ノ空のキャラクターの活動の時間は同一のものとして存在しているので、つまり年をとる。
彼女達は基本的に我々の曜日と同じ月、木、土(の大体8時頃15~20分程度の)で配信を行なっている。我々と同じ時間に。
だから「あぁ今日は月曜で8時だからそろそろ蓮ノ空の配信かぁ」となるわけである

5月には花帆さんの誕生日があり、それを祝い、6月になれば衣替えもある。6月は梢先輩の誕生日配信も行われた。彼女達は1学期も終了し、8/2現在夏休みに入っている。
テスト期間中には配信をお休みしますという徹底ぶりである。


我々オタクがTwit……Xでハッシュタグ「〜〜誕生祭」で盛り上がったり、衣替えの季節だなぁと実感するタイミングと彼女達の時間がリアルタイムでリンクしていくというこの衝撃。
一度花帆さんはパジャマで配信を行っていたことがある。心臓に悪い!!!

このリアルタイムで連動していくシステムに浸かっていくと、「私がこのnoteを書いている今も彼女達は金沢市のどこかで授業を受け,ダンスのレッスンをし、歌の練習に励んだり、かけがえのない時間を過ごしている」ということに事実として実感してしまう。
だって同じ時間を過ごしてるし!?
我々「蓮ノ空のこと好き好きクラブ」(ファンの名称、ギャグ?)は蓮ノ空の皆と同じ空で繋がってるんだが!?!?

許してください

沼津を舞台にしたラブライブ!サンシャイン!!は沼津の人々のバックアップのおかげで『沼津のあの路地を曲がれば彼女達がいるかもしれない』というレベルにまでの実在性を獲得した。
一方で本プロジェクトは当初はバーチャルスクールアイドルと冠し告知されたが、こういった要素により、限りなく生身に近い、サンシャインとは別のベクトルの実在性の高さを手に入れている。

時間という制約

ラブライブ!シリーズにおいて作品の時間経過はともかく作品を描写出来る時間の最大公約数はアニメは30分×12話=6時間が2クール、それに2時間の劇場版として14時間である。
それに加味して、ライブに行ったり、生放送を観たりなどもコンテンツ活動に含まれるが時間の制約にはどうしても囚われてしまうのである。

しかし、蓮ノ空はゲームであるというお陰で30分×1クール何話という制約から解放されたことでメンバー1人1人の心境にじっくりと焦点を当てたノベルゲームのようなストーリーが展開される。1話などはチャプターに分かれているとはいえ1時間の長尺である。
このストーリーの上手さ自体はここでは深くは取り上げないが、ストーリーの良さだけでも触れるに値する。アプリをインストールするのが怠いという人のために一区切りまでYou tubeでも配信しているので参考にされたし。

じっくりやりすぎて約1クール分ほどの分量の時間を経過したが、6人のうちまだ加入出来ていない、映画のエンドクレジット後にお披露目される新キャラ程度の出番しかないキャラがいる
しかしこの物語の厚みと上記の同じ空を通して繋がっているかもしれないと思わせる部分が気持ちよくリンクしていくので、もはや作品を描写出来る時間が無限に拡張されたに等しく、待つことも一つの楽しみとなっている。

めぐ……

配信(表)とストーリー(裏)

リンクラのアプリコンテンツのメインの軸は
活動記録(ストーリー)
スクールアイドルコネクト(雑談、ダンス練習やライブなどの配信活動)

なのだが、ストーリーで描かれた内容が即配信の内容に影響される。
(もう一つの要素としてカードゲーム要素もあるのだが、ストーリーを読むだけだったら完全にスルーしても成り立つのでここではあえてスルーするものとする)

例えばストーリーで文化祭で花帆さんがスクールアイドルクラブの記事を書くという内容が公開された数日後の花帆さんのソロ配信で「スクールアイドルクラブの記事を書こうとしてるんだけど皆この学校の良さを教えて」という発言が飛び出す。
それが冒頭のリンクに貼った配信である
彼女たちが"配信という表の面"
その裏で何が起きているのか(ストーリー)はコインの裏表のように展開されている。


そのため我々は配信中の発言の数々の「その裏で何があったのか」を知りながら彼女達の配信を見守ることになる。

配信を見ている我々は彼女たちの内部事情にあたる「ストーリー」は知らない(という体裁)なので、コメントの中にどうしたって現れてしまう『ストーリーを読んでいないと知りえない情報』のコメントには触れないという徹底ぶりがなされている。

なので究極的な"蓮ノ空のファン"というロールプレイをするならば、活動記録を一切読まずに配信活動だけ触れることだ。私はもうそれは出来ないが。

彼女達が配信中にさらりとやってくるアクションがあるのだが、本当に恐ろしい。
「(リスナーの名前)さん、ふんふん、〜〜なんですね!」
「(リスナーの名前)がほにゃららだって」
とこっちの名前を読んでくるのである

本来2次元のスクールアイドルはこちらへレスポンスを返すことが出来ない。できたとしてもそれはフォーマットに則った決められた返事をすることに限られる。
だが彼女たちなら出来るのだ。当然モーションを担当している担当声優がその質問を読み受け答えをしているのだが、『キャラクターとして質問を読み、キャラクターならこう発言する』というアクションをリアルタイムで行なっているのだ。

当然「中の人は~」といったメタ発現もないのだが「これ中の人が好きなものが反映されてないか?」といったキャラクターの発言が飛び出すことはまれにある。(花帆さんのハリーポッター好き。梢先輩の豆フェス1ことMermaid festa Vol1が好きといったコメントなど)

『キャラクターとして質問を読み、キャラクターとして発言する』の現在最高峰の配信がこれである。向こうが現実を侵食してくる……!

本当に彼女達は金沢に実在している…????

このストーリーと配信の二重の活動の螺旋の結実が月一でアプリ行われるFES×Liveである
月一のライブのためにストーリーと配信で行われた人間模様がここに集約されるのである。これ無料で観ていいのか…?


そして彼女の時間とつながっている我々はそれを追うことでその渦に巻き込まれる形になり、「ウンウン、頑張ってたよね…」とか「良かったねぇと涙が止まりませんでした」になる。

つまり蓮ノ空を追い始めると我々が"生きてるだけでコンテンツ活動"に参加していることになってしまうのである。
生きてるだけで偉い!

そう考えるとリンクラのアプリのホーム画面に大きく時間が刻まれているのも、頷けるのである


と、このように正式リリースされて約3ヶ月、現実に根付かせる力を併せ持った蓮ノ空だが、このスクールカレンダー連動プロジェクトの現状最も恐ろしいところは、2025年3月をもって現在2年生の乙宗梢、夕霧綴理、藤島慈の卒業という特大級の爆弾を抱え込んでいることだ。まさか留年するということも無いだろう

私は3年生の最後のライブで流れるであろうDream Believersのイントロが流れただけで耐えられなくなる予感しかしないのだけれど、今は彼女達がいるこの時間を抱きしめていたいと思う




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