２年ほど前のことです。仕事でとある地方都市に行きました。
この周りの県の関連会社役員が集まる会議に出席のため、本部からということで一人で行きました。

３０人くらいのおじさんたちが出席する会議に、主催会社の社長と、もう一つの会社の社長と、本部から来た担当部署の課長である私が主賓席に座る、なんとも昔風な机の並び。本部に対する様々な文句などは多少言われましたが、会議は無事終わりました。

その後の懇親会、この地方の名物料理が美味しいお店で、会議では聞けないような本音など、皆さまとざっくばらんにいろいろお話しさせていただきました。結構楽しかったです。

出張に来る前、懇親会は二次会までは出席だから、と部長に言われてました。んー、それは面倒くさいな、、、、

そして二次会の場所はなんと、、、、、ホステスが付く、クラブ、、、、

この地方都市の中ではなかなか高級な方なのか、紹介制のクラブだとホステスさんが教えてくれました。
なかなか広い店を見渡しても、お客さんに女性なんて1人もいません、、、私しかいません、、、私がお店にお客さんとして入った瞬間、各テーブルの男性たちが一瞬私のことを見ました。

お店の入り口についた時に、あ、ここは、、、って気が付きました。こういう店なら失礼します、と言って帰るべきかいろいろ頭をよぎりましたが、事前徴収されている懇談会費は２次会も込み。失礼しますって、言えない。いや、昨今の風潮的には言うべきだったのか。。。

本部から来た若い（３０代）女課長、飲めるし、こういうとこも付き合える、さすがだねー、なんてオヤジたちを喜ばせちゃった自分が心底嫌になる。

隣に座った若いホステスさんには、こういう所に女性来るのは緊張しますよね？とか気を使われ、隣に座ったオヤジはすでに酔っ払い膝をくっつけてくる、しまいには会議主催会社の社長にこれも修行だからカラオケ歌えと言われて、ホステスと2人で恋するフォーチュンクッキーを歌う、、、

無しでしょーーー
絶対無しでしょー！

って頭の中で声が反芻しています。

地方のオヤジたちに文句は言えません。いや、言える？
私の怒りは、自分の部長に向きました。部長が毎年出てる会議。部長は二次会に女の子が付く店に行くのは知ってたはずなんだから、私が代理で来ることになった際、二次会は行かなくていいからと私に言ってくれるべきだった。事前に言われたのは、下手したら四次会くらい行くかもよー、、、
こいつ、まじで無いな。

これだけ大きなグローバルに展開する会社の部長クラスは、たとえこれまで日本国内しか担当してこなかったとしても、こういうことがNGだと言う感覚は持ち合わせているべき。でないと今の時代非常に危険です。

出張後に一応軽く抗議しました。２次会はホステスのつくクラブでした。あそこに私を行かせるのは無しじゃないですかー？って。えーそんな店だった？ってかわされました。

でもね、別のことも考えました。一次会までは、飲めるねーいいねー、と言われて、それなりに楽しく飲んでた自分がいるのです。二次会の店に着いて、あれ？って気が付いた自分がいて、こういうお店なら失礼しますと帰れたかもしれない自分もいる。でも結局は恋するフォーチュンクッキーをホステスと一緒に歌った自分がいる。結局自分次第だったんじゃないか。だから余計に嫌になる。自分に対して嫌になる。

これまでに極度のセクハラや性被害などは合わずにこれまでの人生を送ってきました。だから私のこのちょっとした嫌な体験を、そういうレベルのことと比較して話すことは、そういう体験をされた方から反感を買うかもしれないのですが、謹んで言うと、でもこれって延長線上には性被害に遭った人が世間や司法から責められる構図にも近いものがあるんじゃないかって思います。

自分の意思でそこに行ったんでしょ？楽しくお酒飲んだんでしょ？
必死に抵抗しようとしたら出来たのにしなかったんでしょ？その後も平気な様子でサヨナラを言って帰ってるじゃない？その場で泣き叫んでないじゃない？

私の話とは次元は全然違うけど、あっ！って思った時にどこまで抵抗が出来るものなんだろう。心では叫んでても裏腹に平静を装ってしまう。自分に非があるって思ってしまうから、平静を装るしかなかったりもするはず。

周りは圧をかけているつもりはなくても、渦中にいる女性はたくさんの圧を受けて、その場面での模範解答的行動が出来ないことがたくさんある。きっぱり断る、とか、泣く、とか叫ぶ、とか、逃げる、とか。明らかに暴力的である場合ばかりじゃないから。

本当に、私の体験談は取るに足らないことですが、そこから少しだけ物事の複雑さが見えたような気がしたので、男性に知って欲しいと思って書きました。