梅田ぬむ

言語と歴史に関する学術的な話題を発信します。翻訳/研究/教育の現場のお話しも。

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最近の記事

Q. 人前で外国語を話すのが恥ずかしいんだけど?

A. 何か目標があるなら、恥じらっている場合ではない 「生きるとは何ですか?」 「恥を恐れないことかな。」 (サッポロ生ビール黒ラベルCM《大人エレベーター》より) 俳優の妻夫木聡氏が「大人エレベーター」なる架空のエレベーターに乗り、各階(=年齢)で待つ「大人」に会いに行く。そんなテレビ・コマーシャルの一幕だ。「生きるとは何ですか?」とたずねた妻夫木氏に、「恥を恐れないことかな」と答えたのは77階で待つ俳優の仲代達矢氏である。 いやに大きく出るじゃないか

    • Q. 時間をかけたくないんだけど?

      A. 何かの技術を修得するには必ず時間がかかる 「先生、語学が上達するのに必要なものはなんでしょうか」 「それは二つ、お金と時間」(千野栄一『外国語上達法』岩波新書、1986年、38頁) 『外国語上達法』は日本のチェコ語学を築いた言語学者の手による本だ。出版以来かなりの時間がたっているが、今でも読み継がれる名著である。千野先生のおっしゃる通り、外国語学習には資金と時間が必要だ(今回は資金の話は置いておく)。世の中には「~カ月であっという間に」「学校/留学に行か

      • Q. 大人になっても語学ははじめられる?

        A. はじめられる 悲しいことに、わが国の大人(この場合、社会人といっても差し支えないだろう)はとにかく勉強しないことで有名だ。 駒澤大学経済学部の井上智洋氏に言わせれば、「日本人は、20歳ぐらいまでは勉強せざるを得ない環境に置かれるので学力が高いものの、それ以降は、20歳ぐらいまでに身につけた学力でなんとか残りの全人生を乗り切ろうとする」[1]という。 しかしインターネットの普及によって我々ひとり当たりが触れられる情報量は飛躍的に増大し、凄まじい量のデータが瞬時に行き

      Q. 人前で外国語を話すのが恥ずかしいんだけど?