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冷静にバルセロナが、何故やばいのか考えてみる

バルセロナに関するツイートを見ていると、
今の状況にかなり楽観的な意見を多く見るが、
そんな短絡的に「大丈夫」としていいのだろうか。

改めて、客観的材料を集めた上で、
財務状況と、バルセロナというクラブの文化を考えてバルセロナの今後の展望について結論を出したい。

このnoteはサラリーキャップ、移籍市場の動きについて触れることが本論ではなく、
あくまでもバルセロナが今陥っている経営的な壁について考えてみたい。

前提として筆者はバルセロナのサポーターでも、レアル・マドリードのサポーターでもなく、あくまでも客観的な視点で記載していくので、
その点ご留意いただきながら、読んでいただければ幸いです・・・

ぜひ数字に興味を持ったり、夏休みの研究テーマにでもしてもらえればとお思っている。
※筆者は数字に強くありませんが、
 本当は財務諸表、決算を分析して考察したいのだが、
 そこは他の方にお任せしたいと思います。
  また、「違うぞ!」とご指摘をたくさんいただければとおもっています。


残念ながら、「大丈夫」と考えている、
そこのあなたのせいでバルセロナはかなりまずい状況に立たされているのかも知れない。

結論

折角なので、結論から書いていきたい。
結論は「バルセロナはめっちゃやばい」
突然膝から崩れ落ちるようなことはなく、中長期的にかなりまずい状況に立たされていると言えるだろう。
(それなら良いやってクレもいそうだが、折角なので最後まで読んで欲しい・・・)

次項から本題に入っていくが、
バルセロナの今後の展望を考えるために、
バルセロナというクラブ形態について簡単な説明をし、
バルセロナが置かれている状況について振り返っていく。

振り返りが終わったところで、最近実施された「テコ入れ」について確認し、最終章として、バルセロナという巨大なクラブが置かれているジレンマについて解説していく流れを取りたい。


「バルセロナ」というクラブと、「ソシオ制度」

この記事を読んでいる人に対して、
バルセロナというクラブが如何なるものかといった説明は不要だろう。

言わずもがな、バルセロナは世界トップクラスのビッグクラブで、
数年前までは世界一強かったクラブだ。

サッカーに詳しくないひとに「世界一強いサッカークラブは?」と聞くと、
バルサか、レアルの名前が上がるのではなかろうか。
(最強・サッカークラブの象徴になってるの羨ましいなぁ・・・)

そんなバルセロナの凄さについて今さら解説しても仕方がないので、
バルセロナが経営形態的に特殊な団体であることについて述べておきたい。

詳しい色々な要素は省き、
ここで特筆しておきたいのは、「ソシオ制度」についてだ。

ソシオ制度は、一般市民から会員を募り、
その会費でチームを運営する形態だ。
(実態の収入源は異なるが・・・)

クラブ経営の決定権をもつ会長選挙もソシオ会員の投票による選挙で行われる。

要はソシオ制度の元、バルセロナは「株式会社のような」体を成している状態であり、
バルセロナは特定のオーナーを持たずに、「ソシオ会員のクラブ」だ。

世界のビッグクラブは大きく以下の2パターンに分かれていると考える。

①オーナーの元にクラブを置く形態
例)リヴァプール、アトレティコ・マドリード、チェルシー等

②株式上場を果たし「クラブ=会社」をとる形態
例)マンチェスター・ユナイテッド、ドルトムント、ローマ、ラツィオ等

この2パターンのいずれともバルセロナの経営体系は異なると考えている。

①オーナーの元にクラブを置く形態

多くのクラブが、「オーナー」の下に置かれている状態である。例えば、(筆者の好きなクラブである)リヴァプールはフェンウェイ・スポーツ・グループ(以下FSG)がオーナー会社になっており、筆頭オーナーはジョン・ヘンリーが務めている。

FSGはボストン・レッドソックスというクラブも保有しているような会社であるが、クラブの経営方針・強化方針は最終的にはオーナーの裁量もと決定が下される。

よって、オーナーが「サッカービジネス」を行いたいと強く考えていれば、
最低限の資本の投入を行い、クラブとしての収益を最大限求めるような決定がなされる。

一方で、サッカーが好きで、「趣味」としてクラブ運営を行うパターンもあるだろう。
前述のチェルシーのアブラモヴィッチは個人的な大量の資本を、
チェルシーに投下することで、クラブを大きく成長させた。

チェルシーの前オーナーアブラモヴィッチ氏


ここに、経済的な合理性はあまりなく、ある意味自分の持ち物のクラブを「より良いもの」にするために、他のビジネスで稼いだお金をつぎ込んでいた。

アブラモヴィッチの例で言うと、
チェルシーに巨額の投資を行いクラブの強化を実現したが、
ウクライナ問題からアブラモヴィッチは退任する結果となった。

アブラモヴィッチの退任騒動により、
チェルシーの補強はうまく進まなかったり、
遠方への試合のための移動費が制限されるような事態も発生した。

チェルシー・アブラモヴィッチの例のように、
良くも悪くも、オーナー次第でクラブ状況が大きく異なってしまうのが、
①の経営形態を持つクラブの特徴だ。

②株式上場を果たし「クラブ=会社」のような形態

クラブ自体が株式を発行し、
クラブは株を持つ人々のものという形態をとっている状態である。

株式会社の株は誰でも購入可能で、
例えば、マンUの株などはアメリカで上場を行なっているため、
SBI証券などから日本人でも簡単に購入が可能だ。

株式会社になっているため、基本的には資本主義的な考えのもと、
経済的合理性をもとめて株主は株を購入するかどうかの選択をおこなうことになる。

もちろん、クラブ(会社)のファンとして、応援の意味を込めて株を購入する人も多く存在していると思うが、株式会社という特性上、収益性を犠牲にすることは許されれないと言えるだろう。

実際に、マンUは配当を出しており、株主に対して還元をおこなっている。

マンチェスター・ユナイテッドの配当経歴
(https://jp.investing.com/equities/manchester-united-plc-dividends)

(配当利回りが思ったより高い・・・?)

マンUの株主は、配当を求めて購入する人間も多くいる(はず)。
一定数以上の株を購入した人間には株主総会に出席権限を与えれるはずだ。

クラブを愛する人間は株主総会で、
クラブを強くする方針に賛同することもできるし、
資産として会社に価値を感じている人間は、
収益性を重視する方針に賛同することができる。

つまり、株式会社としてのクラブという形態を選択した以上、
「経済性とクラブの強さ」のバランスを重視する必要が出てくるだろう。

※よりビジネス的な言い方をすると、
 サッカーという本業から得ることのできる収益を最大化するための、
 「強さ」「魅力のあるクラブ」を実現することが、
 クラブ=会社のミッションになると言える。

ソシオ制度について

バルセロナは「株式会社のような」体を成している
と説明したが、「ような」という表現の通り、
株式会社とは少し本質が異なっている。

前述の通り、株式会社は「経済性とクラブの強さ」の両軸を実現する必要があるが、「ソシオ制度」においては基本的に、
「強さ」に振り切ってしまう側面が強いと考える。

ソシオ会員になる人間は、
株主ではなく、「サポーター(クレ)」しかいないはずなので、
ソシオの会長選挙においても、サポーターとしての意見が色こく反映されることになる。どこかしらのクラブのサポーターの人間ならわかるだろう、
サポーターは強いチームが好きだし、派手な移籍市場が大好物だ。

つまり、ソシオ制度は、
「クラブを強くすることだけに重きを置いた株主の集まり」
のようなイメージになるだろう。

レアル・マドリードも同じく、ソシオ制度を採用しているが、
フロンティーノ・ペレス会長の権力があまりにも大きすぎ、
バルサとは少し事情が異なるように思う。
(詳しくないので、詳細は割愛するが・・・)

バルセロナが置かれている状況

バルセロナというクラブが持つ特殊性について説明したので、
ここからはバルセロナが現在置かれている財政的な状況について説明していく。

おおむね、色んな人が解説をしており、
理解されている方も多くいると思うので、
可能な限りさらっと触れていきたい。

莫大な補強費とそれを下支えしてきた収支のバランスについて

バルセロナの財務状況について、
一連の説明が詳しく、分かりやすく、なおかつ面白くなされているので、
上記のプレミアリーグトークショーの動画を是非視聴して欲しい。

時間がない人のために動画の内容を簡単にまとめると、
バルセロナはサッカービジネスにおける「強さ」という側面に振り切ってしまったがために、
投資対効果(資金の面で)の検討・検証を行わず、
コロナウイルスの蔓延による経済的活動の停止がトリガーとなり、
破綻への道を歩むことになった。

ここで確認しておきたいのは、
バルセロナの負債は2009年、現会長ラポルタ会長任期中の時点で、
負債額は500億円を超えていたということだ。

(バルセロナ負債の報道がなされた2021年の時点で1700億円を超えていたため、既に2009年から負債は1/3程度積み上がっていたということだ。)
※このnote内では、馴染みのある円を使って全て換算する

バルトメウらが戦犯として槍玉に挙げられているものの、
負債の積み上げにはラポルタもしっかりと貢献しているのだ。

バルセロナ現会長ジョアン・ラポルタ氏


解決策としての「3つのてこ」

2022年6月バルセロナはソシオ総会で2つの「てこ」の実施が可決された。
(結果的に、3つのてこになる。)
ここでいうところの「てこ」は、テコの原理のテコを指し、
傾いている経営をひっくり返すためのテコ入れを意味する。

第1・第2のてことして、
25年分の放映権の25%を売却する代わりに、約440億円の現金化
することを決定した。

第3のテコとして、
クラブのオーディオビジュアル部門を扱う子会社バルサ・ストゥディオス25%を売却した。

結果としてバルセロナは、
合計3つのテコ入れにより、約860億円の現金を手にすることに成功した。

当然のことだが、明らかに苦しい打開策であり、
前向きなオペレーションではない。
実際に、ラポルタも「資産の売却はしたくなかった」と話している。

ただ、放映権の売却に関しては、レアル・マドリードとアスレティック・ビルバオを除いた全てのチームが既に実施しており、今後50年に渡って11%の放映権をCVCに支払うことになっている。
バルセロナは当時CVCからの融資に反対している。

こういった事実に対して、
「リーガの他クラブも売却しているので、問題ない」という意見をみるが、私は残念ながらそうは思わない。
そもそも比べるべきは多くのクラブではなく、
たった一つレアル・マドリードと比べるだろうべきだろう。
今後25年にかけて全体の収益5%を手放している時点で苦しいのは明確だ。

そもそもの放映権の売却は、
お金を産むための資産の切り売りによる、直近の現金化でしかない。

一般的なビジネスに例えるなら、バルサが行ったのは
「売上の5%を産んでいる今後25年動く工場を、財政状況が悪くなったので、工場の1/4売ります」
というオペレーションだ。

つまり今後の金のなる木の伐採を行わざるを得なかったのが事実だ。
他クラブがやっているから問題ないという議論はそもそも、
あまり意味がない。
上記の通り、バルセロナはCVCへの放映権の売却を一度前年2022年に断っており、会長自身も「やりたくはなかった」とは発言している。

バルセロナは、資産の切り売りによって一時的な現金の確保に成功したため、当面負債自体に苦しめられることはないかもしれない。

ただし、私が本当に深刻だと考えるのは、
次項で記載する「バルセロナ」が抱える構造的な課題だ。


補足

ただし、放映権に関しては、
上記放映権を取り戻す条項が入っているため、
今後の業績次第で取り返すことが可能にはなっている。
(個人的には取り返すまで当分の時間がかかる、もしくは取り返せない可能性が高いと考えている。)


今後のバルセロナの展望

前項で、バルセロナが多額の借金を抱えてしまった事実と、
その打開策として資産の切り売りを行うことで、足元の資金繰りを可能にしたことについて触れた。

ここからは、今後のバルセロナの展望について考えていきたい。

負債を抱えるクラブが行うアクション

バルセロナは多額の負債を抱えていたが、
自信が持つ資産の切り売りによって、
なんとか当面の心配事を回避することに成功した。

「普通のクラブ」ならここからは「堅実経営」を目指して活動を行うことになるだろう。
同じような状況に陥ったクラブは数年我慢の時期を過ごしながら、
経営を立て直すという助走を行いながら、大きなジャンプを目指してきた。

実際にリーズ・ユナイテッドも00-01シーズンにCLでベスト4に入りながらも、その後は財政難に陥り03-04シーズンには2部リーグ降格に至った。

リーズ・ユナイテッドは紆余曲折あったが、
17年かけて20-21シーズンにプレミアリーグに復帰することができた。

一般的に考えるならば、立て直しの時期を中長期間必要とし、
苦しい時期を過ごしながら、再起を図るが、
バルセロナはそうもいかない。

本記事を読まれている多くのクレが、
「強いバルサ」を好きになっているし、レアル・マドリードが強いのに、
バルセロナが勝てないのは許せないだろう。

普通のクラブであれば、そういったサポーターの心情を理解しながらも、
オーナー、もしくは株式会社のトップは、
冷酷に我慢する選択肢を選ぶことが可能だ。

なぜなら、いずれの経営形態にしても経済的な合理性を無視することはできないからだ。
オーナーは自身の資産以上にクラブに投資はできないし、
株式会社は性質上、そもそも経済活動(収益性)ありきの集団だ。

だが、ソシオは違う
ソシオ会員はまさに前述の「強いバルサを望むクレ」なのだ。
その、心理的な嫌悪感・我慢に比べると、経済的合理性は二の次だ。

人はギャンブルの前に無力であり、負けていても取り返そうとお金を注ぎ込み続けるだろう。それが、客観的に見て引き時であったとしても、
本人にとってはそれどころではないのだ。

そこに登場したのが、「ポピュリズム」だ。


「ジョアン・ラポルタというポピュリズム」の台頭とソシオの欠点

「America First(アメリカ第一主義)」を掲げてドナルド・トランプはアメリカの大統領になった。

「強いアメリカ」を声高に掲げた彼の思想は、
「ポピュリズム」と呼ばれた。

ポピュリズムの定義は以下の通りだ。

ポピュリズムとは、労働者や貧農、都市中間層といった市民階層を「大衆」と位置づけ、大衆に対する所得再分配や政治的権利を希求する政治思想のこと。また、ここから転じて、政治家が大衆の抱く感情や情緒に寄り添う形で政治を行う手法や、そうした大衆の基盤に立つ運動も指す。日本語では人民主義、衆愚政治、反知性主義などの訳語が用いられることが多い。

https://www.weblio.jp/content/%E3%83%9D%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%A0

私の理解の範疇で話すと、
主権者にとって耳馴染みのいい言葉を話すこによって、
人気を集めるやり方だ。

ソシオ制度は選挙による会長選任を行うことによって、
このポピュリズムの台頭を許した。

ラポルタが初めて会長となった2003年の選挙において、
「ベッカムの獲得」を公約として掲げることで会長になった。
(結果としては、ベッカムの獲得には失敗した。)

その後、バルトメウが会長になった15年の選挙においても、
ラポルタはポグバの獲得を公約に掲げており、
今回の会長選挙においては、メッシの契約延長を掲げて当選に至った。

この経緯から見ても分かる通り、
ソシオが喜ぶ「派手で華やかな公約」を掲げることで、
会長選挙の票を集めることになるのが、「ソシオ制度」の明確な欠点だ。

バルトメウに関しても、
みなさんご存知の通り、四方八方に対して「いい顔」をすることで、
派手で強いバルセロナを演出してきた。

ソシオ制度を採択する限りは、
会長がラポルタであろうが、バルトメウであろうが、
問題の本質は変わらない。
選挙に勝つためには、「華やかで強いバルサ」を実現し続ける必要がある。

ソシオ制度の限界と経営課題のジレンマ

ここまで記載の通り、
バルセロナは特殊な「ソシオ制度」のもと運営されており、
多額の負債を抱えたものの、資産の切り売りによって、
なんとか切り抜けることに成功した。

客観的に見て健全な経営を目指すべきであるバルセロナであるが、
「ソシオ制度」によってそのようなオペレーションは不可能である。

なぜなら、サポーターは「強いバルセロナ」を愛しており、
弱い状態に耐えられないからである。

そして、構造的な課題として、
バルセロナの会長はソシオ会員の希望を最大限聞く必要がある。
ソシオ会員の意見を聞けない人間は会長にはなれないし、
会長の座からか降ろされるためだ。

結果として、会長選挙に勝利するのはサポーターに迎合するような公約を掲げた会長ばかりであり、「堅実・健康な経営」のような公約の会長を誰も好まないのだ。

直感的に考えて分かるだろう、
「今すぐ勝ちます」というA候補
「10年後に勝ちます。当分は最低限の勝利を実現します」というB候補
どちらを選ぶだろうか。答えは明確だ。

一般的なクラブであれば、
こういった状況の阻止は可能だ。

そもそも経営課題を無視した経営は不可能であるからだ。
(大金持ちオーナーのクラブは事情が違ったりもするが・・・)

だが、少なくとも赤字を垂れ流し続けながらのクラブ運営は
現実的ではない。

そういった状況を産んでしまっているのが、
「ソシオ制度」の限界であると私は考えている。

他にも、バルトメウは粉飾決算、不正会計で逮捕されたわけだが、
ソシオ制度を取ることで、会長就任時の負債を隠したいと言う心理が働いていることもソシオ制度の欠点であると考える。
(ここは株式会社も同じではあるが。)

バルセロナ前会長ジョゼップ・マリア・バルトメウ氏

まとめ:バルセロナの今後

「ソシオ制度」の限界について私の考えを記載したが、
バルセロナが直近立ち行かなくなることはないと考えている。

当面の負債もクリアしたわけであるし、
この状態で破産のような事態には陥らないだろう。

ただ、バルセロナの前途は多難だ。
なぜならば、
「堅実な経営」と「派手なバルセロナ」
この両軸を実現すること
が求められているからだ。

「テコ入れ」によって、
資産の切り売りをおこなったがために、
これまでに比べて年間約37億円の放映権からの収益を手放すことになる。
(バルサ・ストゥディオスの年間の利益は不明だ・・・)

つまり、堅実な経営を行う前提として、
これまでは計算できる確実な収入源となっていた年間約37億円がない状態で、経営状況を上向かせる必要があるということだ。

当然従来バルセロナは、
この年間収入がありながらにして負債を積み上げてきたわけだ。

これまでと比べて圧倒的に収益性を改善しない限りは、
また同じ状況に陥ることは明白だろう。

だが、バルセロナはこの夏の移籍市場の動きの通り、
補強の手を止めることはない。

なぜなら、ソシオが強いバルセロナを求めているからだ。

今後もソシオ制度を選択するかぎり、
バルセロナはこの経営と強化の両軸を実現する茨の道を歩むことになる。
(ここで言う強化というのは世界一になるようなレベルを指す。)

もちろん、こんな難しいオペレーションを実現したサッカークラブを誰も知らないのだが。

客観的な意見を述べると、
合理的・経済的な文脈においては
「ソシオ制度は中途半端な制度」と考えざるを得ない。

バルセロナは「クラブ以上の存在」を掲げており、
なかなか合理的な理由だけでソシオ制度を止めることができない事実を理解はしている。
ただ、現状は苦しいなぁと言うのが率直な感想だ。

ここまで書いた両軸の実現を世界一のレベルで実現するオペレーションを、
他の経営形態では求められないため、バルセロナは誰も経験したことのない痛みを味わうことになるだろうと思っている。

私の視点で考えると、
優秀なカンテラを持つクラブなので、
自分達の生え抜き選手を大事に育てつつ、
適正な補強を実行することで世界トップを目指せると思うのだが・・・

追記

正直レアル・マドリードは好きなクラブではないのだが、
(リヴァプールファンで好きな人はいないだろう・・・笑)
フロンティーノ・ペレスの凄さを結果的に知る考察となってしまった感は否めない。

ソシオの会長として君臨しながら、
世界一のクラブとソシオ運営と、経営全てをクリアしている彼の凄みを感じた。
ただ一方で、何も知らない部外者の私にとってみると、
ペレスの退任後、どうなるのかと言うのは非常に興味深いところではある。


諸々のご意見に関して

Twitterで諸々意見をお見かけしております。
ご意見ありがとうございます。
正直詳しくないことも多いので、勉強になります。

本当は、バルセロナの長い歴史、財務諸表、決算の経緯についても考察したいんですが、そこまで正直手が届かないので、ご容赦いただきたいです。
(コメントも含めて記事が完成するような形が理想的だなぁと無責任ながら考えている次第です。)

ここの本旨は、
現状のフットボール界に起きているマネーゲームとそこに巻き込まれる、
バルセロナの「ソシオ制度」の限界。

というところなので、ご理解いただけますと幸いです。


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