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衣替え

ルールを守るのが苦でない私が唯一悩まされた校則が衣替えである。暑がりで汗かき、我慢していると吐き気と頭痛で動けなくなる。当時は起立性調節障害の診断が下りていて服薬もしていたが、成人して体調が安定してからも暑いと具合が悪くなるのは変わらないので体温調節が苦手なのだと思う。

高校は夏と冬ではブレザーの有無、ベストの種類、スカートの材質が異なった。秋口、衣替えの時期が来ても私はまだまだ暑く感じた。周りの子達も「まだ、ブレザー着ると暑いね。」とは言うものの、それで体調を崩すことはないようだ。私は母に頼んでブレザーを着ない許可をとれるよう担任への届け出を書いてもらった。結果的には許可された。でも、届け出を見た瞬間に担任がさらっと口にした「ブレザーは着なきゃだめだよ。」と言う言葉に自分でも驚くくらい傷付いた。そんなの分かっている。他の校則は違反している子が多い細かい物でも律儀に守っている。服装に関してだけは体調の関係でどうしても無理なのに。着用はしなくてもブレザーは毎日持って登校する旨書いているのに。

今の日本は私が衣替えに悩まされていた時代より気温が上昇している。熱中症の危険も増しているし、私みたいに体温調節が苦手な人だけでなくアトピーがあって暑いとかゆくなり困る子どもがいることも育児を通して知った。見た目を統一したいというだけで衣替えの時期を決める時代はもう終わってもいいのではないだろうか。

#みらいの校則

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