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さくら丸

あじさい丸に続き、東海汽船の戦後近代化の2番船として三菱重工下関で建造された純客船。

1964(昭39)年竣工
総トン数1,132t、 全長67.7m

東海汽船絵葉書「楽しい船旅」より

江ノ島~大島航路でデビュー、伊東~大島航路、夏期海水浴便として東京~勝山~館山や東京湾納涼船、東京~横浜~各島~神津島や夏期臨時便の東京~新島、式根島便や神津島便でも運航された。

外観上の特徴は「あじさい丸」から続くマック式ファンネル、前面展望を備えた広い外部デッキ、バウ(船首)に入れられた東海汽船のマークなど。
マック式ファンネルの「マック」とは、煙突とマストの機能を組みあわせた構造物、マスト(mast)と煙突(stack)の事で造語である。
バウマークは前述のマック式ファンネルの採用によって従来ファンネルに入れられていたマークのスペースがなくなった為と思われる。
船内はこのクラスの離島航路客船としては非常に豪華で特等、一等、二等の3クラスあり公室としてサロン、ビュッフェ、レストランを備えていた。

さくさくら丸の竣工パンフレット
(表紙)
さくら丸の竣工パンフレット
(見開き①)
さくら丸の竣工パンフレット
(見開き②)

離島向けという航路の特殊性から、従来東海汽船が進めてきた貨客船の整備も戦後の高度成長と共に観光需要が高まってきた為、客貨分離の方針となったが本船はその純客船型の第1船である。
純客船の整備はその後「はまゆう丸」「かとれあ丸」「ふりいじあ丸」「さるびあ丸」まで連続で続く事となる。

さくら丸の竣工パンフレットより
(見開き③)

本線の特徴でもある遊歩甲板がブリッジの下を周り込む前面展望を備えた構造はその後建造される「はまゆう丸」「かとれあ丸」にも採用された。

昭和40年代の「大島温泉ホテル」パンフレット表紙
往年の銘船「橘丸」との並走シーン

晩年は定期航路を持たず予備船扱いとなったが1982年夏の新島~式根島~神津島便を最後にタイへ売却された。

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