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日本の主婦って…駄目ですか?

仕事を辞めて結婚して主婦になりたい、そんな女性が今でも少なくないそうですね。誰もがもつ主婦のイメージって…どんな感じなのでしょう。ちょっと気になります。

わたしはもう長い間主婦として生きていて、それはもう当たり前になってしまっていて、だからこそ、ちょっと特殊な生き方をしていることをつい忘れてしまうのです。ところが、そんなわたしがそのことを痛く自覚する小さな出来事に遭遇したのです。


そんな頃からでした。

なぜか考えずにいられなくなったのです。

主婦っていったい何なのだろうと。



主婦と主婦でない人

それは、40代で大学に入った時のことでした。そこで、たまたま同世代の働く女性と出会ったのです。ところが、その女性たちにわたしは「勝ち組主婦」枠に放りこまれてしまいます。ほんと、それは瞬時のこと。そのことについてはこちら↓↓でお話ししています。

まあ、光栄といえば光栄なのですが…

ただわたしが感じたことは、その人たちはおそらく長い間、主婦との接点がなかったのだろうということ。きっとリアルな主婦をご存知ないのだろうと。

でもね、それはわたしとて同じだったのです。

わたしもまた、働き続ける同性のことを良くは知らずにいました。

考えてみると、いつのまにかわたしの周りは専業主婦や兼業主婦ばかり。もちろん、そのほとんどが一度は働いた経験をお持ちで、なかにはバリキャリだった人もいますし、教師だった人もいます。

それでも、それは昔のこと。

今は皆さん主婦なのです。

で、思うのです。

この世の中には、働く女性は働く人と、既婚者は既婚者と、未婚者は未婚者と、主婦は主婦と、そんな区分けのようなものがあるんじゃなかろうかと。しかも年を重ねていくと、その区分けはより顕著になる。

そうして、女性は同じような生き方をする人とばかり会うようになる。

そんな気がするのです。



生き方の違い

それからもうひとつ、かつて一緒に働いていた同僚と、数十年ぶりに再会した時のこと。

振り返れば、その元同僚は、狭き門をくぐり抜け「総合職」として入社していた優秀な人でした。年下のその女性とわたしが共に働いたのはわずか一年。その後わたしは職場を離れ、結婚すると夫の転勤に同行して海外へ。

それ以来、わたしはずっと主婦です。

働いてきたけれど、悲しいかな、ずっとパートだったのです。


ところが、長い時を経て再会した元同僚は違っていました。その人は、わたしがかつて憧れていた上司のようになっていたのです。

そう、すっかり変わっていました。

その会社では、半年に一度、本社から女性の役員がやってきていました。そんな時、幾度となくランチをごちそうになったのですが、憧れのその上司は気さくな方で、よく子育ての話しをされていました。お嬢さんのバレエの発表会用のチュチュを手縫いしている、そんな話を聞いた時などは、こんなにお忙しいのに手縫いまでされて…と感動したものです。


それが、数十年ぶりに再会した後輩を目にした時、感じたのです。

まるで、あの役員のような雰囲気が備わっている、と。

その時の話しはこちらです。

はい、後輩と会った途端、わかってしまったのです。

本当に、それは瞬時のことでした。

見てきたもの、触れてきた人の数、経験してきた事柄の幅、そんなものがどれほど違ってしまったか、ということが。




サイレントマジョリティ

世間では、しばしば「主婦問題」が語られます。なぜ働かないとか、甘えてるとか。

けれど、そんなこと、ちっとも気にもとめていなかったのです。おそらく、聞こえてもいなかったはず。

けれど、大学で出会った働いてきた女性たちや、基幹職で働き続けてきた後輩との再会で、思うようになったのです。


わたしが思うようになったのは、主婦問題の根っこの部分。

主婦の実態は外からはみえにくい、そんなことだったのです。

そうした見えにくさに、わたしたちは自覚的ではありません。

これほど見えにくい場にいながら、自らの事を語ってもいないのです。

それがわたしたちの本当の姿。


主婦といってもいろいろです。

いまでは、働く主婦は普通になりました。

それでも、人は働くその人を迷いなく「主婦」と呼び、あっさりと「働かない人」に振り分けることもあります。

時に、「わたしたちの税金で…」なんて言われることだってあるのです。

そんな時、どうでしょう。たとえ働いていても、そうした言葉に下を向く、そんなことってないでしょうか。


自分の人生を上手に言葉にでない。そうしてぐずぐずしていると、時に「勝ち組主婦」枠に振り分けられてしまいます。

だからこそ、言葉にしなきゃと思うのです。

きっと主婦の多くが、戸惑うことがあるはずです。

それは、「主婦」と呼ばれる時。


その時、わたしたちは感じるはずです。「主婦という身分」、そんなカテゴリーに放り込まれてしまったことを。

もちろん、自ら主婦になりたくて、主婦であることに満足している人にはそれは当てはまらないでしょう。

けれど、働きたい人や、働く必要のある人にとっては、それが働くことを邪魔します。なぜって、その「主婦という身分」は、わたしたちを家に縛る力を遺憾なく発揮するのですから。

そこが、この国の主婦の特殊な部分。

それでもわたしたちは語りません。

そう、わたしたちは物言わぬ多数派女性なのです。


*イラストは、みんなのフォトギャラリーの出雲千代|デザイナーさんよりお借りしたものです。ありがとうございます。




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髙岸 亮介 さんがサークル「みんなのPTA」をされています。

現在サークル仲間がどんどん増えています。わたしもメンバーに加えてもらっています。子育て関連や教育のこと、noteに関することなど、いろいろと活動されています。

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