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【介護】動ける幸せ。介護にかかわる人たちはプロ中のプロ。彼らに正当な評価を。


母の介護をはじめて5年目になる。昨年から本格的な介護がはじまったけれど、それでも今、かなり自由に動けている。

これはもうひとえに、ケアマネさんをはじめとする、在宅介護にかかわる皆様のお陰だ。

今日は理学療法士さんが見える日で、母はこの日が待ち遠しくてたまらない。ようやく手すりにつかまりながら家の中を移動できるようになったけれど、足の長さが10㎝ほど違うため、体中に力が入る。だから母の筋肉が痛む。痛むのは足だけでなく、肩や首も。そこをリハビリご専門の先生は一目で見抜かれてケアして下さる。

理学療法士という言葉はあまりなじみがなかったけれど、先生が我が家にいらっしゃるようになって、どれほど体のことにお詳しいかが分かる。しかも、実にお優しい。というわけで、先生がいらっしゃる今日は予定を入れず、在宅でのんびりと仕事をして過ごした。

その間、朝の11時過ぎからビーフシチュー用のお肉をコトコトこと大きな土鍋で煮込んだ。昨日、オックステールをスーパーでみつけた。かつて捜し歩いたことがあったけれど、肉屋さんにも置いてなかったそのオックステールを見つけた。普段はこんな時間のかかるお料理は出来ない。ここ数、日外出が重なった。今は母も一人で用意したお昼を食べられるようになったけれど、冬の間は作り置きは難しい。冷めると気の毒だ。

というわけで、母の3回の食事の間を縫って、一日に家を2回空けて、超特急で人に会いに行く日が続いていた。

久しぶりに台所で煮込み料理をするわたしを見て、母が嬉しそうだった。


今日は国の介護報酬改定で、在宅介護を支える訪問介護サービスの基本報酬が引き下げられるというシビアなニュースが飛び込んできた。

確か、厚生労働省は、高齢者が住み慣れた地域で必要なケアを受けられるよう「地域包括ケアシステム」の実現を語っていた。ケアマネさんにも、今は国が高齢者が在宅で安心して過ごせるようにしているんですよ、なんて教えてもらったけれど、あれはどうなった?

わたしが今、こうして動けているのは、在宅介護を支えるサポート体制が地域で作り上げられているからだ。

親の介護が始まると動けなくなる。だから多くの人が、特に女性が、いろいろなことを諦める。仕事を真っ先に諦めるのは断然女性が多い。

我が家の場合、心に深い傷を負って我が家へたどり着いた母を、どうしても施設には入れられない。介護問題を抱える家庭には、それぞれ事情がある。そんな事情のある世帯を支えてくれるのが、地域包括ケアシステムだ。

お世話になりはじめて分かってきたけれど、彼らは全員プロ中のプロだ

ところが、そんな訪問介護サービスの基本報酬が引き下げられたという。これほど人出が足りない中、彼らは一分一秒を大切に街を回られ、お茶を出すこともなければ、ゆっくり立ち話をする暇だってない。

報酬とはその仕事に対する評価だ。プロ中のプロの彼らの報酬を引き下げるとは、一体どうなっているのだろう。

どんなに好きな仕事でも、評価が下がるシステムでは人は輝けない。介護から素敵な人たちが離れてしまうではないか。

これは介護の方々だけの問題ではない。これは、わたしたちの暮らしに直接かかわる深刻な問題だと思う。


※最後までお読みくださりありがとうございました。


※今週の金曜日、1月26日に講演会を開催いたします。良かったらお越しくださいね。


※スタエフでもお話ししています。

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