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シン・フィッシュ&チップスを求めて

この記事はUMITRON Advent Calendar 2023 13日目の記事です。

こんにちは。ウミトロンでPdMと営業を担当している、三度の飯より飯が好きなShibacchiです。

皆さんはフィッシュ&チップスを食べたことありますか?名前は聞いたことあるけど実際は食べたことがないという方が多いのではないかと思います。僕は2ヶ月ほど前までは食べたことありませんでした。

今回は、今年10月にオーストラリアへ旅行した時に食べたフィッシュ&チップスが美味しかったので、色々な日本の魚で作ってみたいという好奇心のまままに実験してみたお話となります。目指せ「シン・フィッシュ&チップス」


フィッシュ&チップスとは?

フィッシュ・アンド・チップス(英語: fish-and-chips)は、イギリスを代表する料理の一つ。タラなどの白身魚のフライに、棒状のポテトフライを添えたもの。イングランドではファストフードとして親しまれ、国民食の長い歴史がある。バタード・フィッシュ(英語: battered fish)と呼ばれる場合もある。

Wikipedia

「フィッシュ」はタラなどの白身魚

フライ料理のため、高タンパク低脂質な白身魚との相性が確かに良さそうです。タラの他にはカレイやオヒョウも使われるようです。ちなみにオヒョウは大物釣りの憧れの魚なのでいつか釣ってそれで作りたい。

「チップス」は日本でいうフライドポテト

チップスと聞いてポテトチップスを想像してしまいますが、イギリスではフライドポテトのことをチップスと呼ぶようです。ちなみにアメリカだとチップスはポテトチップス。ちなみに魚のフライの下にフライドポテトが敷かれることが多かったです。

発祥の地は諸説あり

イギリス発祥の料理かと思っておりましたが、他の国からも発祥の主張があるようです。発祥の話は証明が難しいのか同時的に発祥するのか、諸説ある場合が多いですね。

西オーストラリアの名店をご紹介

本場のフィッシュ&チップスを3つのお店で食べてきました。プライベート旅行でしたが、フィッシュ&チップスを食べることが最大目的といっても過言ではないくらい楽しんできました。

Cicerello's @マンジュラ

1903年創業の老舗。まさに今回の旅行で食べた中で一番美味しかったのが、ここで食べた「バラマンディ(和名:ミナミアカメ)」のフィッシュ&チップス!値段的には注文を躊躇してしまいますが食べて良かったです。食べた瞬間にフィッシュ&チップスの淡白な印象と違うジューシーな味わいに驚きました。白身魚のはずが、青魚のように魚自体の味と脂の風味を強く感じました。レギュラーメニューではないようで、お店に行っても必ずしも食べられないところが残念ですが今回は偶然にもラッキーでした。


  1. 魚種不明・2フィーレ(両身)・19.75A$(約1,883円)※写真の手前右

  2. バラマンディ・2フィーレ(両身)・約28A$(約2,670円)※写真の手前左


現地ガイドさんと一緒に食事
おそらく70歳を超えているがポテトを少し残しつつもフィッシュは食べ切っていた

Kailis @フリーマントル

フリーマントルには2つのフィッシュ&チップスの有名店があり、そのうちの1つで後発のお店です。席数も多く店内はすごく賑わっていました。メニューに魚の名前が書いておらず魚種はわかりませんでしたが、形といい盛り付けのお皿といい「これがフィッシュ&チップスか!」と思わせてくれる一品でした。身は適度の脱水されて凝縮された感じで、味は淡白で白身魚らしくクセがなく塩を振って食べるがおすすめです。


魚種不明・1フィーレ(片身)・17A$(約1,621円)


The Grosvenor Hotel @パース

現地ガイドさんに教えてもらった地元の人たちが集まるようなホテル併設のバルです。衣は割と濃いめのキツネ色でしっかりと揚げられているせいか食べ応えがありました。中の魚もしっとりホクホクというよりもしっかり火が通り身が凝縮している感じ。こちらのお店はフィッシュ&チップス推しのお店というよりは、お酒を楽しむための料理としてピザやフライドチキンやフィッシュ&チップスなどのメニューがあるようなお店で、専門店ではない一般的なお店で出されるスタンダードなフィッシュ&チップスの味わいだったのかもしれません!


フエダイ・2フィーレ(両身)・18A$(約1,716円)



フィッシュ&チップスを家で作ってみた

オーストラリアで食べたトラディショナルなフィッシュ&チップスはもちろん美味しかったのですが、何か日本らしい魚で作ってみたいという気持ちに突き動かされてやってみました。あくまで実験はフィッシュ&チップスのフィッシュがメインのためチップスに興味あった方はすみません・・・!

1. どの魚で作ろうか

フィッシュ&チップスは基本は(タラなどの)白身魚で作られるようです。揚げ物のため脂がたくさんのった魚で作るよりも高タンパク低脂質な白身魚が相性が良さそうではあります。タラであれば日本のスーパーでも普通に売ってるので手に入りやすくて助かります。しかし、無難に作るのではなく、以下の理由からタラ以外でチャレンジしてみることにしました。

  • タラで作るともちろん美味しく作れるかもしれないが、今回はどうなるかの好奇心を優先して「他の白身魚」や「白身魚以外(脂がのった魚)」で試したい

  • Cicerello'sで食べた「バラマンディ(和名:ミナミアカメ)」のフィッシュ&チップスは、他店で食べたのと違い魚自体の脂を感じることができて、それがすごく美味しく感じる要素だったと思っている(個人的な食の嗜好性としても脂が好き)

2. 魚の調達

電車を使って40分くらい、鮮魚専門店の「角上魚類」に行ってきました。専門店だけあって取り扱いの魚の種類がすごく豊富です。甲信越と関東にしかなく利用できる人は限られていますが、お近くにある方はぜひ行ってみてください。品揃えも多く、活気もあってワクワクしますよ!

つきみ野店 @神奈川県

3. 入手した魚

どれも刺身として食べられる鮮度もので非常に新鮮です。フライにするのはなんだか気が引けますが、その先の美味しいを求めて進みたいと思います。

① 本マグロ(中トロ・不明)- 左上
② マダイ(腹身・養殖) - 左下
③ ブリ(腹身・養殖) - 右上
④ 鬼カサゴ(皮無し・天然)- 右中
⑤ 鬼カサゴ(皮付き:天然) - 右下

鬼カサゴは馴染みのない方もいらっしゃるかと思いますが、すごくモチモチして甘い風味のあるお魚です。見た目はいかつく、毒棘もあるので取扱注意ですが、以前、刺身で食べた時の感動が忘れられず、お店に偶然並んでいたため買ってしまいました。

他にもまだ試したい魚がありましたが、自分の胃袋との相談で断念しました。またの機会でチャレンジしてみたいと思います。

4. 調理開始

衣に「ビール」と「ベーキングパウダー」を使うのがミソです。
フィッシュ&チップスのチップスも大事で20分ほど水に浸します。
でんぷんを水に溶け出させることで表面カリッと中はホクホクといった揚げ上がりになるらしい。
フィッシュたちには塩を振り、少しだけ時間を置いて、水分と一緒に臭みを抜きます。
常温の油から揚げるのが良いらしい。理由はわからず、料理は奥深い。
ようやくフィッシュを揚げていきます。写真はマグロ中トロです。
衣は黄色にしたかったので、高温になりすぎないように170度を頑張ってキープ。
なかなかいい感じ!写真はブリです。
これはまさにフィッシュ&チップスの仕上がり。写真はマダイです。
左からマダイ、鬼カサゴ、ブリ、マグロ中トロ。
ブリとマグロはもはや違う料理に見えますね。
フライドポテトも実はでき上がっていました。
しかし水につける時間が足りなかったのかカリカリ感は出せなかった。
盛り付け。パセリとレモンを添えるとすごく色味がいい。
立方体的なフィッシュ&チップス。写真はブリです。
フィッシュ&チップスっぽい仕上がり。写真はマダイです。
小ぶりで可愛い。写真は鬼カサゴです。

5. 食べてみての感想

個人的な主観で「見た目」「味」「食感」「香り」「脂」 の5つの観点から感想を書いてみます。

マダイ
見た目が本場のフィッシュ&チップスにそっくりなでき上がり。実際に食べてみてもバランスが良く、さすが白身魚の代表選手という味わいでした。そして、鮮度が良いからかみずみずしくしっとりとした食感で、ふわっとしてました。これは養殖ならではの脂のりの影響もあるのかもしれません。今回は腹身側だったので余計にその影響を受けている可能性もあります。次回は背身側でも作ってみたいですね。そして、オーストラリアで食べたものと比較すると、身に残っている水分量の差なのか、魚の身質の差なのか、噛んだ時に繊維が細かくほぐれるような印象を感じました(悪い意味ではなく違いとしての気づき)。もし身質による違いであれば、タラとの比較で確認できそうですね。そしてそれを同時に食べ比べてどっちの方が良いと感じるのか楽しみです。やっぱり買っとけばよかった。

見た目◎ / 味◎ / 食感○ / 香り○ / 脂○

鬼カサゴ
偶然、売り場に並んでいたため作ってみることになった鬼カサゴですが、結論、すごく美味しかったです。今回の鬼カサゴは20cmくらいで少し小さめのサイズでしたので、できあがりも小さくてかわいい感じになりました。味や食感ですが、こちらもマダイ同様に白身魚の高タンパク低脂質というバランスのアドバンテージを感じました。そしてカサゴ独特のほのかな甘さが、フライにしても、さらにほのかにはなっていたものの残っていたのが驚きです。サイズが小さいということもあるかもですが、皮の有無での違いは感じられませんでした。ただ、鬼カサゴという育つのに時間がかかる貴重な存在を最大限味わうという意味では個人的には刺身の方がおすすめですね。しっかりしつつもモチっとした身質で、ほんのり甘いあの刺身をぜひ一度ご賞味ください。

見た目○ / 味◎ / 食感○ / 香り◎ / 脂○

本マグロの中トロ
もしかするとフィッシュ&チップスの常識を変えてしまうかもしれないとワクワクした気持ちで作ってみた本マグロの中トロ。噛んだ瞬間に笑いが止まらないくらいジュワッと溢れ出る脂、見た目もそうですが、味わいも全く異なるできあがりになりました。最初に噛み締めた時の衝撃は今回作ってみた4種類の中で圧倒的なものでした。もちろん美味しい側の衝撃です。食感ですが、写真にある断面の通り、噛んでいくと繊維が細かくほぐれていきます。フィッシュ&チップスに何を求めているか次第で賛否両論ありそうです。そして「これはフィッシュ&チップスと呼べるのか」「本マグロの中トロの食べ方として最高なのか」という声が聞こえてきます。脂好きの自分でも食べ終わるまでに口に運ぶペースが少しずつ落ちていきます。結論、個人的には本マグロの中トロは刺身で食べた方が楽しめると思いました。あの柔らかな食感と脂がじんわり溶け出す感じは刺身ならではのものですね。

見た目△ / 味○ / 食感△ / 香り○ / 脂△

ブリ
加熱調理(ブリ照り、ぶり大根など)との相性が良い印象のブリ。しかもブリは脂のノリもすごくいい。ジューシーなフィッシュ&チップスになるのではないかと作ってみましたが、今回の4つの中で一番微妙な結果になりました。まず食感ですが、火を通すことで繊維がしっかりして「ぶり大根」の時のようなハード目な歯応えとなりました。これをきっかけに、どうも知らずうちにフィッシュ&チップスにはソフト感を求めていることを確認することができました。ちなみにこの歯応えというものは、料理の種類次第で相対的に判断される特徴であるということも再確認できました。ちなみに脂ですが、白身魚よりは感じますが本マグロ中トロほどは感じないという位置におりバランスが良さそう気もしますが、食感のハードさに押されてしまいジューシーといった感覚には繋がりませんでした。また、少し不思議なのは、おそらく刺身で食べている分には気にならない、むしろブリらしい良さとしての風味たるものが、なぜか臭みのように感じられました。ブリの煮込み料理の場合、煮る時に煮汁側に臭みがうつってしまい臭みを感じやすくなることもあるようなのですが、フライでも同様に衣にうつったり、火を通すことで臭みがきつくなるなどあるのでしょうか。次回やる場合には、煮込み料理での臭み対策であるお湯で霜降りしてから揚げてみるパターンも作って食べ比べ検証してみるのも面白そうです。今回の結論としては、ブリはフィッシュ&チップスにするよりも、刺身やブリしゃぶ、ブリ照り、ぶり大根、今までの歴史が証明してきた食べ方での方が楽しめそうです。

見た目△ / 味○ / 食感△ / 香り△ / 脂△

6. 振り返り

今回、シン・フィッシュ&チップスを作ろうと4種類の魚でチャレンジしてみましたが、以下の発見がありました。

  • 油で揚げる料理のため素材自体の脂が強いとくどい

  • 思った以上に魚の繊維のほぐれ感が美味しさに影響する

  • フィッシュ&チップスにはソフトな食感を求めている(個人的?)

  • フライにすることで魚の風味が臭みになってしまう場合がある

上記を踏まえつつ、次回は白身魚をメインにしつつ以下の魚で作ってみたいと思います。特にアジに関してはアジフライという王道フライ料理がすでにあるため期待値が高いです。乞うご期待!

必須:タラ切り身(基準)、マダイ背身、アジ半身、スズキ半身
入手できたら:バラマンディ(再確認用)、ナマズ


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