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短編小説+写真 ◇◇◇ 一眼レフのカメラを買ったばかりの頃、写真を撮ることが面白くなり、休日になるとどこへ行くにもカメラを持って出掛けるようになった。 砂漠色のカメラバッグを肩から提げ、頭にはグレーのハンチング帽を乗せて、市内の公園で桜を撮っていると、顎に無精髭を伸ばしていたせいもあったと思うが、通りがかりの小学生らから、「すげっ、戦場カメラマン」と声をかけられた。そんな時代だった。 その年の秋、羽黒山を訪れた。 観光名所は写真が撮りやすいこともあって、足を