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ふたりで会うのがこれで最後なら 私は幸せのぬかるみに浸かることができる そんなふうに心を決めると 足どりが軽くなりました 静かな公園で落ち合い このベンチに 鞄を置いて隠した冷たい指を繋ぎ合って こうしてつらつらと思い出すのは 出会ったときから私たちの立つ地面には いつも大きな蒸気船の影のようなものが かぶさっていたということ あれは何だったのでしょう 細いガラスの管をかりんかりんと折ったときの そんな音に似た小さな女の子の笑い声が いつもひらひらと薄い光の破片になって そ