吉田修一『ランドマーク』《砂に埋めた書架から》35冊目
吉田修一の長編『ランドマーク』は、全部で10のチャプターに分けて構成されているが、しかし、冒頭から「Number 10」、つまり、10章から、という意表を突く形で始まっている。もちろん、誤植ではない。まるでカウントダウンされるかのように小説は進んでいき、「Number 1」の最終章で終わるのである。
埼玉県の大宮に、地上35階の高層ビルを建てる。完成すれば、このビルは街のランドマークとしての機能を果たすであろう。
ビルの名前は「O-miya スパイラル」。名前の通り、