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一人で歩いている

枝ばかりになった冬の街路を
あまり暖かくないコートと
いい加減に巻いたマフラーをはためかせて
一人で歩いている
柄にもなく
思い詰めた顔で

ぼくは軽口ばかり叩いていたから
いつしか本当の自分を見せられなくなっていた

挨拶がわりにからかうことを言うと
それにいちいち応酬してくれる君が好きだった

堀割に浮かぶ二羽の鴨を眺め
もう取り戻せない日々を思い
永遠に君と一緒になれないことを悔いて
一人で歩いている
ブーツの紐が
解けているのも構わずに

容姿をからかったこともあった
あとで死ぬほど謝ったが泣かせてしまった

本当は君の顔が好きなのだと言いたかった
顔だけなの? そう君に言わせるつもりで

年が明けたらそれを区切りにする
それまではひとりでぐじぐじしていたい
本当に君が好きだった
結婚おめでとう
結婚おめでとう
後悔が一人で歩いている




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