見出し画像

匙投げ小説執筆法 14.推敲と改稿

推敲と改稿


推敲は文章そのものを吟味すること、改稿は大局的な構造を改善することだと思ってください。セリフまわしの吟味や、誤字脱字のチェックなどは最後の最後でよいのです。あなたがまず考えるべきは改稿です。


改稿の際の最重要ポイントは3つです。

①主要キャラの登場は遅すぎないか(遅い場合、登場を前倒しできないか)。

主人公を筆頭とする主要キャラは、序盤25%地点までに出揃っているのが理想です。どんなに遅れても前半50%地点までには登場させてください。

②キャラの登場や事件の起き方が唐突ではないか(その場合、前もって伏線を張れないか)。

伏線がないと、読者は恣意的なご都合主義だと見なします。新たな伏線を入れてよいのは終盤75%地点まで。それ以降はひたすら怒濤のごとく回収してください。

③登場させたキャラ、意味ありげなシーンやセリフやアイテムがそれきりになっていないか(その場合、伏線として回収するか、もしくはなかったことにして削除するか)。

この伏線をどう拾うのか? とわくわくしていたら、回収されないまま終わる。読者への裏切り行為です。伏線の張り逃げは、新人賞においても大きな減点ポイントです。なんとしても知恵を絞って回収してください。あなたが回収できない伏線は、そもそも張るべきではありません。

一つの対策として、難しい伏線は仮の回収をしておく……という手があります。万が一、回収しそびれても格好はとれます。回収された! と思っていたら、じつはその伏線が生きていて……となれば読者は唸るでしょう。


小説の書き直しは、どんなにしても、しすぎることはありません。改稿・推敲に手をかければかけるほど、あなたの小説の質は向上します。そして、作業完了にかかる時間を計算するときは、あなたの想定の3倍はかかると見込んでください(早めに完了すればラッキーです)。

なお、推敲については、9.セリフについて10.文章と文体 ⑴文章作法、を参照してください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?