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heldioリスナーに届けるしおのはなし#3 令和6年5月4日

 人類がはじめて塩を摂ったのはいつごろ?そう訊ねると「何言ってるの?人間はずっと塩を摂ってきたはずよ!」という答えが返ってきそう。たしかにごもっとも。しかし、それは半分正解だが半分間違っている。どういうこと?前回のエスキモーの話と半分同じである。
 もちろん、物的な証拠はない。よって、あくまで推測とすべきだが、人類がはじめて塩を摂ったのは今から5千年から1万年くらい前だと言われている。推測なのにいったいどこからそんな具体的な数字が出てくるのか?順を追ってみていこう🚶。
 まず、5千年から1万年前ってどんな時代?何か事件が起こった?歴史の年表を思い出してみよう。で、この時期には何が書かれていた?このあたりのページはほぼ空白…。あったとしても五大文明(ぼくらのころ)の誕生くらい?エジプト文明、メソポタミア文明とか…。いや、それそれそれでんがな!文明の誕生こそ塩の摂取と関わっているのだ。
 では、文明の誕生と塩がどう関わっているのか?…と、その前に、そもそも文明って何?具体的にどんな現象なの?あげるとしたら、農業と定住だろう。それまでは狩猟採集で各地を転々としていたが、おんなじ場所で米や麦などの穀物を食べるようになった。
 つまり、食べるものが変わった。文明以前の食べ物は、前回のエスキモーのような生肉などと想像はつくだろう。それが文明誕生以降、米や麦など穀物を中心とした食生活になる。これは何を意味するか?そう、生肉から塩分を摂ることができなくなることを意味する。
 となると、塩分を獲物の生肉以外から摂らなければならなくなる。というわけで、人類は塩そのものを探し、あるいは海水から作るようになった、と思われる。というわけで、人類がはじめて塩を摂ったのは5千年前から1万年前、とされるのだ。

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