印欧祖語も塩も世界文明とともに誕生した!?その1 ~印欧祖語と塩は同級生?〜


 大学院生博士課程の藤原さん登場。比較言語学と対照言語学の違いのほか、言語学にはなぜ音声学が必要なのか?などについての雑談会。内容はもちろんだが、いろいろ気づきのある回となった。
【印欧祖語の発祥はいつごろ?】
 4000年前くらいと前とのこと。でも何か証拠があるわけではないとのこと。ウィキペディアによると、クルガン仮説:6000年前にロシア南部で生まれた。アナトリア仮説:9000年前にアナトリアで生まれた、という説があるとか。いずれにしても5000年前から10,000年前くらいのことのようだ。
 この5000年前から10,000年前って歴史上のあの大事件と同じ時期では?そう、世界の4大文明の誕生の時期だ。そうなると、印欧祖語の誕生は世界文明の誕生の時期と重なっている、というか文明の誕生とセットと推察した?

 実は、この時期にもう一つの世界的大事件が起こっている。なにか?
      人類が塩を摂取するようになったのだ。
 「いやちょっと待て。おかしくね!人間って水と塩がなくなると死ぬって言うじゃん!」「塩を摂るまでどうやって生きてたの?」とのツッコミが予想されるが、「するどい!」。そう思う方は賢明な方だ。しかし、人類が塩なしでは生きられないことと、人類が塩を摂らずに生きていた時期があることは矛盾しないのだ。一体どういうことか?
 「文明」と聞いて思いつくのはなにか?真っ先に浮かぶのは「農耕」「定住」であろう。それまで狩猟で肉などを食べていた人類が農耕、定住によって穀類や野菜を中心に食べるようになった。その結果、獲物を食べることで得ていた塩が得られなくなり(その理由は次回。)わざわざ塩を摂らなければならなくなるのだ。
 文明誕生と同時に塩を摂りはじめた、というのはそういうことだ。

 印欧祖語が世界文明の時期と重なっている(と考えられている)のも塩と同じような人類に必須の要件が絡んでいるのか?それとも印欧祖語の誕生の時期も塩の誕生の時期も、世界文明の時期にあわせているだけかも?


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