人々が天からの審判に怯おびえる中…

青ざめた月の環を流離さすらう影は4つ

ピラミッドの騎士団に見送られ

ご主人様が知らせの綴つづり紙を運ぶ

イノセントという名の、その光を

双葉の時、最初の時代を締しめ括くくる庭で

ようするに終わりの裁きのお白洲しらすの上で

人類の無罪を証あかし立てるために…

さんぽ　さんぽ　さんぽのじかん

二十分の、二百日の、二千年の

少しばかり女声コーラスを交えて

さんぽ　さんぽ　さんぽのじかん

太陽も月も星々も踊るよ

歴史も精神もみんな踊ってる

ご主人様は天国に向かい山河を旅する

わたしはいつも従ついてゆく

さんぽ、散歩、三歩の時間

そしてご主人様は天国へ

そこには裁判所は無かったよ

天国の人は犯罪をしないから裁判官もいなかった

やれやれ、私は無駄骨を折ったらしい

ご主人様はため息ついて

天国でみんなと一緒に踊ったよ

わたしも尻尾を振って踊ったよ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(2023)