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小説『ヴァルキーザ』 33章

33. 終章エンディング

こうして、ウルス・バーン全土は悪魔あくまから開放された。

この世の人々の心を支配しようとする悪魔のよこしまな試みは、賢明な諸国民たちの勇気ある行動によって打ち砕かれた。

その結果、すべてのフォノンの生命が蘇り、
人々に笑顔が戻った。

宝冠を取り戻した王国イリスタリアは、建国の時の精神の息吹をよみがえらせ、再び、燃え上がるように輝いた。

そしてイリスタリアはついに、マーガスと会議を開き、
平和条約を締結するに至った。

イリスタリアに自由の宝冠を返還した後、使命の旅を終えたユニオン・シップの7人は、エスタルカームで団を解散した。

ユニオン・シップの手になる協約と精神は、この組合を承継した弟子の労働者たちに引き継がれた。

解散後、
イオリィは、エスタルカームで時間監察官の職に復した。
スターリスは騎士団の拠点ライゼルに帰った。
アム=ガルンはアルカンバーグにてイリスタリア大使を補佐した。
ラフィアはザマビ村で村の発展のために働いた。
ゼラは再びエルゴッド城に仕えた。
エルハンストはイリスタリアで傭兵の長となった。

そしてグラファーンは五賢聖の指名により「光の道シャイニング・ロード」を守護するロード・マスターとなり、念願の地位についた彼は仕事にいそしみ、その後ごく短期間で職を退き、アンに結婚を申し込んだ。

アンはそれを受け入れた。

二人の間には四人の子が生まれた。
子どもたちの名前はアンが決めた。
子どもたちの名前は直ちに登録された。

グラファーンとアンは生涯ともに仲睦なかむつまじく暮らし、じつに良い夫婦であった。

そしてグラファーン夫妻は、子どもたちとともに、じつに幸せな家庭を築いた。

のちに彼の一家は、起源宇宙アプシスの領域に移り住んだ。

グラファーンは、最後、その自由な人生の幕引きの期、妻と子どもたちを枕元に呼び、尊敬する母マックリュートから受け継いだ、タンヤル蛇の教えと共に、自ら全財産を愛する妻子に相続させた。
               
 

                ─おわり─


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