Fランクファンタジー(その10)END


 魔帝国オルトキアを支配する魔皇帝ラストバアルを倒してから数日後、クリスタル戦士、アークスはアルパースの麓の温泉地、ベシックに来ていた。静かな温泉地で激戦の疲れを癒やすという寸法だ。
「ふぅ……温泉で静かにするのも悪くない」
 しかし、トラブルは向こう側からやってきた!
「大変だ!アルパースから鬼が降りてきたぞ!」
 騒ぐベシックの村人たちの姿を見て、アークスはおもむろに湯船から上がった!

§§§§§

「俺はアルパースを支配する鬼の王、ハテン! 暴れるために人里に降りてきた!」
 鬼の王、ハテンは部下を引き連れベシックの村人を脅した!
「鬼の王よ、これ以上の狼藉をやめてアルパースにかえれ!」
 そこにアークスが立ちふさがる!
「俺に歯向かおうとは大した度胸だ……相手をしてやろう」
 アークスとハテンは静かにバトルを開始した!
 ハテンは力が強くHPも高い! アークスは苦戦しながらもハテンを倒した!
「まさか、鬼の王が地面に倒れ伏せられるとは……」
「御託はもういい……アルパースに帰れ!」
 ハテンと鬼どもはすごすごとアルパースに帰っていった!
「まったく……困った奴らだ」
 アークスは肩をすくめてため息をついた。するとアークスに駆け寄ってくる何者かが現れた!
「アークス様、こんなところにいたのですか!」
「おまえはフリオニール王のところにいたメイド!」
 フリオニール王のところにいたメイドがなぜ遠く離れたベシックに現れたのだろうか!?
「実はフリオニール陛下から魔皇帝打倒記念の宴を執り行うことになりましたので迎えに来たのです!」
「なるほど……そういうことか」
 アークスとメイドはエストキードにテレポした!

§§§§§

 久しぶりのエストキード城で魔皇帝打倒祝賀パーティが行われていた。会場にはノブオとヨルダの姿があった。
「パーティの雰囲気は苦手だ」
 アークスが呟いた。するとエストキード城が暗くなった!
「あ、あれはなんだ!」
 エストキードの夜空にホログラムが浮かび上がる!
「ククク……エストキードに住む善良な市民のみなさん、はじめまして。我の名前は魔皇帝ラストバアル……いや、今の名前は幻魔皇帝ラストバアルカオスだ。我は冥界で伝説の7英雄の魂を取り込みさらなる力を得た……誰も我の覇道を阻むものはいない。全てはオルトキアのものだ」
 なんと、ラストバアルカオスの宣戦布告だ!
「止めてほしければ新たな居城、ネオパンデモニウムに来るがいい……この幻魔皇帝が全力の力でお相手しよう。ではさらばだ!」
 そう言ってホログラムは消滅した! あまりの事態にざわつくパーティ客たち!
「クリスタル戦士よ」
「……わかってるさ」
 クリスタル戦士の新たなる戦いが始まった!

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