1.ビジネスで英語を使うということとはどういうことか (その1)初めに認識しておくべきこと

まず初めに、英語が何のために必要かという事を意識しておくべきでしょう。
一言で言うと海外とのビジネスにおけるコミュニケーションのため(に必要なツール)という事になります。
実際にそれはどういう事かはこの第1章の後半で具体的に説明します。
 
もう一つ、認識するべきことが有ります。
そのために必要な力はいわゆる学校の英語で学んだものとは違う部分があり、自分で習得しなければいけない力があるということです。
 
「読む」、「書く」には学校で学んだ英語はかなり役に立つのですが、「聞く」、「話す」には(基本的には個人で行う)トレーニングが必要なのです。
 
それぞれがどのような力でどのようなレベルが必要かは第2章で説明します。
 
英語でのコミュニケーション、つまり
‐ 相手の話す(書かれた)ことを理解する
‐ 自分の話す(書く)ことを理解してもらう
という事になるのですが、基本の文法やボキャブラリーは中3レベルで十分だと思います。
そういう意味では学校の英語は「読む」「書く」ために役に立つ部分は少なからずあります。
但し、業界用語は必須ですし、(学校では教わらなかった)ビジネスで役に立つ表現やイディオムも覚えることは必要でしょう。
 
高校以降で学んだ英語は、ビジネスマンとしては極端に言えば現代国語(が仕事にどこまで役立っているか)と同じなのです。
それはどちらかと言うと教養に近いもので、日本語でも接客時の用語やビジネスレターの書き方(お世話になっております)とかは就職して初めてお目にかかりますよね。
 
なので、
‐ 通常の速度の英語を聴きとることができる
‐ 自分の考えを英語(会話)で相手に伝えることができる
この2つの能力をトレーニングを通じて習得する必要があります。
 
第3章ではその力を習得するためにはどのようなトレーニングや学習が必要かという事を具体的に説明します。
 
因みにボク自身は平均的な能力で、学生時代は別に英語が得意だったわけではなく(流石に赤点はとらなかったですが)、就職した時点ではビジネスで英語を使うなんて全く思っていませんでした。
多分TOEICは400点程度(測定してはいないです)だったのではないでしょうか。
 
今では外資系3社を含めて30年以上毎日業務で英語を使っていますので、ボクのやったトレーニング方法がベストかどうかは分かりませんが、結果からしてまずます実践的なものだったのかなと思っています。
 
詳しくは後述しますが、『ビジネスで英語を使う』ということにおいてTOEICのスコアに代表されるいわゆる英語力はとても重要な部分なのですが、それが全てではないのです。
 
イメージとしてはこんな感じ(Fig1)ですかね。
 

土台となる力に関しては次回説明します

もう一つ大事なことは、「多少の言い間違いは気にしない」ということです。
「英語を間違えてはいけない」と思い、言いたいことが有るのに黙ってしまう事はとても残念なことで、これは受験英語の弊害と言えるでしょう(まあ、正確なことに越したことはありませんがね)。

普段ビジネスで英語を使う場合はあくまでも内容が大事なのであって、外国語を少しくらい言いよどんだり、言い間違えたりすることは誰にでもあることなのです。 
ビジネスでコミュニケーションする相手は英語のネイティブの人とは限りません。

実際にうちの昨日のアジア・パシフィック地区のネット会議ではいわゆるネイティブに属するのはオーストラリアの人(発音やイントネーションに独特なところはありますが)だけ。 
韓国人も中国人もマレーシア人もインド人もシンガポール人もみんな英語が共通で通じる言語だから使っているワケで、それぞれの流暢さもまちまちです。
時制がおかしかったり、三人称単数形を取らなかったりなんてことがあっても誰もそんなことは気にしません。

それぞれが話す内容が重要だからなのです。

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