40. 韓国で(その10:韓国の和食 Part 4)
他にはランチで行ったソウル郊外のトンカツ屋さん。
お店の前の看板に書いていることを訳してもらうと、
「本場広島で修業したシェフ」とのこと。
トンカツの本場はドコなのかという問題は置いといて、外見が何だかちょっとちがうなぁ、と思って口に入れたら…。
シェフ、これ、衣がパン粉じゃなくて、ちぎったパンですやん。
でも、それはそれで変わった食感で美味しかったですけどね。
どちらかと言うとパン粉でクリスプなトンカツよりドイツのシュニッツェルに近い感じでしたかね。
もう一つランチで連れて行ってもらったのが「ちゃんぽん」
“This is my favorite in this area.”
(この辺でこれが一番好きなんですよ)
という事でしたが、海鮮チゲに入っている麺がちゃんぽんという感じのハイブリッドな麵料理なのでした。
まあ、ちゃんぽん自体中華料理が母体な訳で、既に日本でアレンジされたものが更に汎東アジア的に変形と言うか、発展した感じですね。
もっとも日本のラーメン自体がその典型ですもんね。
以前上海で豚骨ラーメンのお店に並ぶ行列を見ましたが、これなんかはいわば逆輸入。
カリフォルニアロールとかもそうだし、ローカルでアレンジされて生まれる料理もありますよね。
アレンジではなく、完全なコピーに出会ったのはバゲット。
パン屋さん自体は種類の豊富さや、自分で選んで購入するスタイルとか日本に近い感じです。
バゲットやクロワッサンなどが本国のものと遜色ないクオリティーというところも。
その時は韓国支社での打ち合わせを終えて、皆でぞろぞろ夕食の会場であるレストランに向かっていた時のこと。
夕食前でおなかが減っていたこともありますが、ソウルのフランス人街にあるそのお店からはパンの良い香りがしているので、同僚のフランス人が吸い寄せられるようにお店に入って行き、バゲットを抱えて満面の笑みで出てきました。
それに他のフランス人たちが群がって、みんなでちぎって口に入れ、一本があっという間になくなったのを見て、
“Guys, we are going to have DINNER. Soon….”
(あのねぇ、我々は晩御飯に向かってるんですけど…。)
“Nhhh, This is exactly same as we have in France.”
(んー、フランスと同じだぁ。)
せっかく予約した夕食の前に、と心配する韓国の同僚の言葉は耳に入ってなさそうな彼らにとってはどうやらバゲットは別腹らしいのでした。
中でもアジアに赴任してしばらくというヒトが、久しぶりの母国の味に一番喜んでいたのが印象的でしたね。
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