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5.Paris(パリ)のタクシーでの災難

パリでの災難と言えば、ずいぶん前のことですがタクシーにボラれたことがあります。
 
確かまだ2回目のヨーロッパで移動にも慣れていなかったころのことです。
モンマルトル近くで食事をしてホテルに帰ろうとして、行きは地下鉄に乗ったのですが、歩いている目の前をタクシーが通ったので手をあげたら停まってくれました。
 
乗り込んで行き先のホテルを告げたところ頷いて走り出したのですが、しばらく走っているとどうも方向が違うのでもう一度ホテルの名前を言うと、ちょっと大げさに頭に手をやって方向転換をしたのです。
 
そこの時点でタクシーの運転手がわざと間違えていたことに気が付いたのですが、目的地のホテルに停まってメーターを見ると80フラン。
 
ここは悪徳運転手に負けないぞと、
“I pay 60”
(払うのは60フランだ)
と言うと、まあフランス語なので詳細は分かりませんが、「何言ってんの、メーターどおりに払いやがれ!」的にまくし立ててきました。
 
そこでふと外を見ると、ホテルの手前にパトカー🚓が停まっています。
「お巡りさんは正義の味方」という日本人的感覚で、これ幸いにと勝ち誇って
“OK, I will talk to Policeman.”
(分かった。なら、警官にチクってやる)
と言うと、にやりと笑って、(フランス語なので実際には何を言ってるのかは分かりませんが)、どうぞどうぞ、メーター見せてやるよ。的に開き直られて、どうも分が悪いことを悟ったのでした。
 
その後も少し押し問答はしたのですが、相手に英語が通じない(フリかもしれませんが)ので、結局最後は多少大目に払うことで、海外では日本と同じだと思ってはダメだということを学んだんだと思うことにしました。
勿論チップはあげませんでしたけど。
 
海外ではタクシーは呼ぶか、タクシー乗り場でとは聞いていたのですが、やはりそれは守った方が良かったんだと思いましたね。

Moulin Rouge :ムーランルージュ。この近くでタクシーを拾って失敗しました


これとは逆にチップをあげられなかったことがあります。
やはりパリで、夜間にホテルからオルリー空港にタクシーで向かった時の事。
ホテルで料金は150フラン(まだユーロになる前の話ですね)くらいと聞いており、フランの残りが丁度200あったので、チップをあげても少しおつりがくるくらいだと思ってました。
 
ところが途中工事か何かで渋滞したことと、送迎分の料金が加算されていた様で空港内に入ったところでメーターを見たら既に190フランを超えていました。
 
運転手は屈強な感じの黒人のヒトだったので、これはヤバいと。
もし200フランで足りなかったら、確かドイツマルクなら30くらいあったはずだけど、それじゃダメかなとか、空港に夜間のATMはあるのか、運転手はそれを信じて待っててくれるのか、もしATMがなくてお金が足りなかったらこの運転手の怒りを買い、ボクは明日の朝セーヌ川の支流にドザエモンとなってぷかぷか浮かぶハメになるのかと、心は千々に乱れつつ、でももうすぐ着いちゃうので意を決して、
“Well, I have just 200 franc…, is it OK ?”
(あのう、実は200フラン丁度しかないのですが、大丈夫かな?)と尋ねると、
“No problem, sir.”
(大丈夫ですよ)
と言ってくれて、到着直前にメーターが200フランになったら、そこでメーターを止めてくれました。
 
安堵して、“Thank you very much.”と言いながら料金を払いつつ、タクシーの運転手さんと握手したのは後にも先にもこの時だけですね。

Montmartre:モンマルトルの丘の上のSacre-Coeurサクレ・クール寺院


チップをあげようと思っていたのに、結局あげなかったこともあります。場所は上海でした。
全てのタクシーがという訳ではないのですが、上海のタクシーに高速道路でかなりのスピードを出されたことが何回かあり、いくら英語で”Slow Down !”と言っても通じなくて(か、シカトされたか)不快な思いをしたことがありました。
 
ある時、ホテルから虹橋空港に向かう際に時間に余裕があったこともあり、タクシーにトランクを積んでくれたポーターにチップを渡しつつ、
“Tell him 「Go slowly, don’t rush.」. If he keep slow speed, I give him a tip. But if he drive too fast, I will not.”
(その人に「ゆっくり走って、絶対トバすな」って言ってね。ゆっくり行ってくれたらチップをあげるけど、もしもトバしたらチップはあげないからね)
それをポーターから伝え聞いた運転手はメチャ嬉しそうに何度も頷いて「謝謝」と言うので、まあ話は通じたかなと思い安心していました。
 
ところが市街を抜けて高速に入った途端に急加速するだけでなく、クラクションを鳴らして前の車を追い抜き始めたので、
“Hey !! DON’T RUSH !! I don’t give you a tip !”
(こらぁ!トバすなって!チップやらんぞ!)
と何度言っても、運転手はこちらには目もくれず、がっしりハンドルを握って前をにらんだまま、車はますます加速して行くのでした。😢
 
到着して、料金が45元だったので50元を渡して、コイツにはチップなんかやるもんか、絶対お釣りをもらってやると運転手をニラミながら手を差し出したら、ニコニコしながら「謝謝」と言いつつレシートと一緒に5元札を寄こしてきました。
 
一体あのポーターはこの運転手に何を言ったンだろう?と首をひねりながら搭乗口に向かったのでした。
 
タクシー以外でのパリでの災難の話と言うと、乗り継ぎができずに空港隣接のホテルで一泊する羽目になったことが2回あります。
 
一度はAir France(エール・フランス)のストライキで乗り継ぎ便が飛ばなかったためです。
深夜のCharles de Gaulle(シャルル・ド・ゴール)空港の乗り継ぎのカウンターでホテルを手配しようとしている職員に移動方法の代案を出す様に言ったら、
“I have a meeting tomorrow morning in Geneva. You should take me there even by train or taxi !”
(明日の朝打ち合わせがあるんだよ。列車でもタクシーでもいいからジュネーブに行かせてくれないと)
と言うと、
 
“You should take JAL.“
(なら、JALに乗れば良かったのに)
 
日本ではありえない感覚ですが、こちらの方は「お客様」というより対等な立場でサービスを提供しているヒトたちということなのでした。
 
もう一度は到着便の遅れです。
到着したのが最終便の時刻をかなり過ぎており、乗り継ぐはずだった便は既に出発していました。
カウンターが一つ開いているだけで、ボクの荷物は既に自動的に倉庫に運ばれており、明日の朝まで開けられない由。
 
“How should I do ? Can not change clothes.“
(着替えとかどうしてくれんのよ)
と苦情を言ったら、紙の下着やタオル、歯ブラシなど一式の入った袋をくれました。
それを見て、結構よくあることなんだということがわかりましたけど、当事者になるのは二度とごめんですねぇ。



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