🟣冒険ロマン『紫卵』第三章 アメジストを追え⑦

31、アメジストを追え⑦

『何でだ?沢田さん
見損なわないでよ!
この世界にも仁義はあるよ。
あなたから流れて来たモノだったけど
無くしたのはワタシ達だよ!
絶対あなたに責任ない、言ったね!
ただ連中も本当に怒ってる!
手掛かりに引っ掛かるまで
死物狂いよ!
だから、心配してた』

泣けるじゃねぇか、シェンよう!
てめえこそは本当の友達じゃあ!

「ありがとうよ、シェン」

“素直に言う事だ”
デニス・ホッパーが笑顔でウィンクした

『でも沢田さん、マジだ!
マジでヤバいよ!
アメジストの卵
見つけられなかったら殺される!
と言うか、もう殺されかかってるよ!
沢田さん、知る訳ないよな?
手掛かりを!』

「シェンよう、そこよ。
俺の方にもそれっぽい…」

光ちゃんを見る

「それっぽいの来てさ
んで、あ、何かヤベェなって。
臭ぇなって。
したら
アメジストが
どっか行ったってぇじゃねぇか。
だからおめえに
こうして連絡取った訳よ」

『そうか!
アメジストがどっか行ったの
もう知ったか!』

「おうよ。
んでよう
このまんまじゃヤベェのとー
あとー…」

光ちゃんを見る

「って事でー
シェンよう
俺さー
アメジストがどこ行ったのか
調べてやるよ」

『止めた方がいいよー‼︎』

うわっ!うるせー!
シェンの叫び!

『止めた方がいいよー!
絶対止めた方がいいよー!
熱り冷めるまで待つんだよー!
あなたには絶対手が
行かない様にするからー!
捕まって殺されるよー!』

「うーるせー!
俺も探すつってんだから
殺される事あるめぇよ!
まあ、アメジストめっけて
トンズラこいたら殺されるけどな」

『だから止めてー!
素直に言う事聞いてー!
隠れるんだよー!』

「うるせー!
シェン、お前どこにいるんだ?
協力して探そうぜ!」

『協力?
気は確かか?
殺される寸前のワタシと組んだって
沢田さんにとって
何も良い事ないよー!』

「うーるせー!
幸いアメジスト売った金が
殆ど手付かずで残ってんだ!
どこにいるんだよう⁈」

『えっ!今は上海だ!
けれど、明日か…
数時間後もワタシ
どこにいるか自分でも
判らないんだよー!』

ちょっとシェン、泣き声になって来た

おい、こいつはよう
助けに行かなきゃな!
光ちゃんに相談しようっと

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