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ぺらぺら読書感想DA文4。

こんばんは、やっぱりこの世界はゆるめの地獄ちゃん、トゥインクル・コーポレーション所属の単独屋、ジャパネーズのウネモトモネで御座います。

110日目。

はい。という訳で今宵は36歳芸人のどうしようもない現実を綴るやつはお休みして、36歳なのに大して本を読んでこなかった文才ゲロ糞レベル芸人の薄っぺらなクセに饒舌な読書感想文を綴らせて戴きますよ。

今回駄感想を綴らせて戴くのは小説ではなく漫画。芸人の先輩、ニュークレープ・ナターシャさん著『死にかけた僕はまだ芸人を辞めていない』

数年前にナターシャさんが実際に体験した駅での人命救助劇を元に芸人のリアルな実状が描かれた漫画。

いやぁ~めちゃくちゃ面白かったし、めちゃくちゃ刺さりましたね。僕がお笑い芸人で、ナターシャさんとは同い年(芸歴はナタさんが5年先輩)で、しかも主人公の千葉と同じ12年目でネタ作り担当で共通点がかなり多いから余計になんでしょうけれども、とにかくめちゃくちゃ心に刺さりました。

人命救助をされた当初からナタさんのTwitterを視ていて「凄い経験をされたんだな。」と驚き、そしてもし自分が同じ立場だったら多分助けることが出来ずにただ傍観してしまっていただろうな、とか考えたて。で、そんな一歩を踏み出せないから自分はこんな中途半端な現状なんだろうなとか思ったりもして。

そんな希少な経験を自分だけのものではなく、"売れていない芸人"全般の話に、いやもっと言えば"人生"という人間誰しもが切っても切れないテーマに飛躍させて、一本の漫画に仕上げたナターシャさん。本当に凄い。自分の経験を自分の経験として自己満足レベルで語るのってそんなに難しいことでは無くって(僕が今こうやって綴っているみたいに)、でもそれを視たり聴いたりする万人に共感させる作品に仕上げるのって本当に難しいことなんだと思うんです。

あーでも、そもそも「お笑いのネタ作り」がそういうことなんだよな、きっと。日常で経験したこととか観測したこととかを個人レベルの面白で消化するんじゃなくって万人に理解出来て笑えるレベルまで昇華させる作業。だからナタさんがあの希少な経験をこうやってひとつの漫画として作品に出来たのは必然っちゃ必然なのか。

……いやいやいや!!!僕にはそんな事出来ないぞ。腐りきった感受性と文章力でこうやってお金を払う価値のない駄文としてセカイの掃き溜めに捨てることしか出来てないんだから。やっぱお笑い芸人というかものづくりする職業に向いてないのよね、ウネモト氏。はいそうやってまた自分語りするのキモキモ~。

東京若手お笑い界隈の人たちなら読んでいて思わずニヤっとしてしまうコマも多かったですねぇ。「あ!Fu-や!」「あ!V-1や!」「さすらいラビー?」「絶対ジンカーズさんや!きっかけもめちゃくちゃそれっぽい!」「児島さん?」「ヤーレンズさん?」「絶対清和さんや!」みたいな。ね。なので東京芸人さん、そしてお笑いライブシーンファンの方はマストバイですよ。

多少ネタバレになっちゃいますが、後半にちょっぴりドロっとしたシーンがあるのだけれど、それが何ともナターシャさんらしくって好きでしたね。ああいう描写の画力、説得力、心がぞわぞわする感じ、凄かった。そしてラストの2コマが何とも何とも。あんなの描かれたら思い出しちゃうじゃんね。アチャ(僕の相方)とコンビ組もうって思った日のこと。

あとナタさんがこの漫画を描くにあたって架空のコンビ名を募集していたんだけれど、おそらくひとつだけ採用して戴けたっぽい。定期的にLINEの履歴全削除しちゃうし、前のnoteアカウントも消しちゃったから、証拠が何ひとつ残っていないんだけれど。多分あのコンビ名は僕が送ったやつだと思う。でも他の人でも思いつきそうな安直な名前だから僕のではないかも。今度ナタさんに逢ったら訊いてみよう。でも多分ナタさんも「あーそうやったかも知れんな。よう覚えてないけど。」って言いそう。

とにかく凄まじい漫画でした。実体験が元になっているので体温というか脈動というか、もの凄く"生きている"感じのする漫画でした。芸人とかスタッフさんとかお客さんとかが呼んで共感するのは勿論、全然お笑いに興味のない人が読んでも心揺さぶられる漫画だと思います。"生きている"んだもの。


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