ホントの気持ちは知らぬまま

結婚する前から仲が良かった年上の先輩がいた
先輩は9歳年上で彼女もいた
ほかに10歳年上の女の人
6歳年上の男の人
わたしの4人でいつも飲み歩いて旅行なども行っていた

わたしは結婚した後も朝方まで飲んでお酒を飲まない先輩はいつも私を車で送ってくれていた

ある時酔っ払って、帰りの車で手を繋いで半分眠ってた私に先輩は、ただただ手をさすって優しかったのを覚えてる

4人で旅行した時も女同士の部屋じゃなく、私と先輩が同じ部屋で一晩明かしたけど何もなかった

だからそこまでだと思っていたし、それ以上になることはないと思っていた

けど先輩は突然、この世からいなくなった…

その日、ランチに誘おうと思ったけど仕事が忙しくてお昼の時間がなかったから諦めたのに…
お昼過ぎた頃に友達から
○○、事故で死んじゃった…
って意味がわからない電話がきた

当然嘘だと思ったから5時まで仕事してから病院に向かったけど、もう自宅に移されたあとで急いで後を追った
先輩は自宅の和室で白い布をかけられていた

その二日後には、一緒に旅行にいくはずだったのに…

冷たくなってた
酔っ払って送ってもらった時に繋いだ手とは感覚が違って冷たかった…
大声で泣いたら、他の友達に止められた
ご両親もいるから泣いたらダメだって…

でも駄々をこねたら帰ってこないかと思って、ヤダヤダって叫んだ
でも動かなかった
その時、わたし23歳
先輩は32歳だった

お葬式の時、先輩が持っていた当時のホームビデオが流された
遊び仲間4人の旅行とかが映ってた
その中にはほとんどがわたしの姿…

彼女とはだいぶ前に別れていたらしい

今となっては聞けないからわからないけど、わたしは結婚してたから先輩は大事に思っててくれたのかな…
なにも気持ちもわからないままわたしがビデオに向かって笑ってる映像だけが会場に流れていた…

あれから25年以上経ってしまった
先輩に会える日も近いかな

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