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文化の日ライトのタイルに至難技


博物館フェチの私。
常滑駅で終わる訳にはいかない。

いざ、「INAXライブミュージアム」へ。
仲間と別れ、1人タクシーで訪れた。

今は老人ホームに入っている親友と、かなり前に訪れて以来だ。
少しリニューアルしたのかな?

よりお洒落に、整備されたようだ。
見どころも増えて、敷地内に6館も。


企画展も観たいので、4館回る。
「窯のある広場」では、煉瓦の窯の中へ。
映像の炎に灼かれながら、大正時代の土管になった気分。
迫力満点だ。

小屋組や窓の美しさ。
懐かしい風景。

企画展「帝国ホテル煉瓦製作所」を観る。
ライトの代表作のひとつ、帝国ホテル旧本館
の黄色い煉瓦とテラコッタは、常滑の職人たちが作り上げた。

この地に直営工場が設けられ、苦心惨憺の末に、ライトの望む焼き物が完成したのだ。

腕のいい職人の数、黄色に焼き上がる粘土、
東京への海運などに恵まれた賜物である。


「世界のタイル博物館」は、何度訪れても見応えがある。
紀元前から近代まで7000点以上。

世界史を辿る楽しさ。
いつまでもいたいなあ。

「光を集め、色を放つ」建築を彩る多田美波の造形展もすばらしい。
帝国ホテル東京やリーガロイヤルホテル(大阪)などの、光の
空間を演出した。

アルミ、ステンレス、アクリル、ガラスを駆使。優美でユニークな世界を構築している。

とくに気になったのは、カラフルなアルミの緞帳。短冊状のアルミパーツを組み合わせて、光のアンバランスと揺れを楽しむ。

90歳で亡くなり、2024年には生誕百年を迎える。
亡母と同世代の作家。
シュールな造形の美に酔いしれた。

岩塩の古窯飴色冬はじめ

行く秋や巨匠の競ふ招き猫

多田美波アルミの緞帳に秋の色

多田美波分子集めて秋の玻璃


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