いとしこいし師匠に見る賞レース以外の到達点

子供の頃、正月の爆笑ヒットパレードをコタツで横になって見ていた。
いとしこいし(敬称略)が登場した。
私はおじいさんの漫才で退屈かな。と思って見ていた。

内容はATMからお金をおろしたいから教えてくれ。というもの。
ツッコミのおじいさんが丁寧に教えるのにボケのおじいさんはちゃんとできない。そしてツッコミのおじいさんがカリカリしていく。という内容だった。

途中からこのおじいさん本当にボケてるんじゃないか?と思った。それくらい吸い込まれた。そしてツッコミも本当にカリカリしているように見えた。けれど決して不快ではない感じ。(うまく説明できないが、品の良さと2人の関係性の強さから来るもの)

それがもう面白くて笑っていた。気がつくとコタツから体を起こして拍手していた。

最初、期待しないで見て、見事にバチンとパンチを食らった感じ。
この、ハードルを下げる2人の雰囲気もすごい。

M-1グランプリ2019で松本人志がニューヨークに言った「ツッコミが笑いながら楽しんでいる感じが好きじゃない。」という発言はツッコミに余裕があり「本気度というか本当度が低い」ということではないか?と推察する。

いとしこいしは本当にボケていたし、本当につっこんでいた。舞台上で本当のことが行われていた。とてもすごかった。

お笑いは賞レース以外にも到達点がある。

今年のヒットパレードはみんな若い、人気者の芸人ばかりだったのがさみしい。(コロナ禍というのもあるかもしれないが。)
賞レース以外からもとんでもない芸人を見つけたいと思う。




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