次男の境地

小学1年生になる時に。
両親がシステムデスクを買ってくれた。
本棚もライトも付いていて。高いやつだ。

このデスクを全世界に自慢しよう!
1個下の弟を連れて外に出た。

でもいざ友達の家の前に来ると。
モジモジしてしまい。
ピンポンが押せなかった。

デスクを自慢したいけど。
わざわざそれで友達に声を掛けて。
家に呼ぶのは。どうなんだろう?

外に出ていてくれないか。
偶然。道で会わないか。

何人かの友達の家を外から眺め。
ぐるぐる歩いて。
道に立ち尽くしてしまった。

結局。家に帰った。


翌年。弟はシステムデスクを。
買ってもらわなかった。

叔母(母の妹)のデスクが家にあり。
弟がそれでいいと言ったので。
両親は買わなかったそうだ。

え。何で?古い机だよ。
本棚もライトも付いてないよ。
引き出しも1つだけだよ。

意味がわからなかった。

デスクライトを買ってもらい。
満足そうに勉強していた。


そういえば。私は。
弟の心が乱れている所を見た事がない。

何というか。
あらゆる事を受け入れている感じがする。

反抗期もなかったのではないか?


小学生以来。
ちゃんと会話をしていない。

中学。高校と。
私は学校でいじめられていて。
部屋で叫んでいた。

弟は何を思っていたのだろうか?
私の弟という事で。
からまれたりしていたと思う。

でも何も言ってこなかった。


私に対しての嫌悪感や嘲笑を。
弟から感じた事がない。昔も今も。

隠しているのだろうか?
我慢してきたのかもしれない。
私は小学生の頃。威張っていたから。
聞いてみようかな。聞けるだろうか?


どう思うのだろう?

今も。あのシステムデスクで。
これを書いている兄を。

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