奇跡について

大きな災厄があり、大勢の人が難を逃れてこの地に来ました。
皆疲れ切って、食べ物も不足しています。

一人が立ち上がりました。手にパンを一つ持って。
これを皆に配ると言います。
その人は立ち上がり、順にパンを一切れずつ配り始めました。

  1. 足りるはずがない。そう思いながら人々が見守る中、
    その人は全く平静を保ってパンを配り続けました。
    不思議なことに、そこにいる全員に一切れずつパンが配られました。
    皆それを口にし、元気を取り戻しました。

  2. すると別の人が立ち上がりました。
    それでは足りないでしょう。私がパンを買ってきます。
    少し遠いですが待っていてください。
    すると多くの人が、持っていたわずかなお金を差し出しました。
    集まったお金で一人が走り出し、やがて十分な量のパンを手に
    駆け戻ってきました。
    皆パンを口にし、元気を取り戻しました。

1はありえない。あり得ないことが起こることを奇跡といいます。
この人は2000年後に生きる私たちにも知られています。

2には不思議なことは何もありません。誰もこれを奇跡とは思いません。
でも真に価値ある奇跡はこちらだと思うのです。

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