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6/21ヤクルト対中日戦況

球音が響き渡るシーズン開幕から3日、開幕カード対中日3戦目です。まずは結果から。

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先発はヤクルトが昨年後半戦に活躍した山田大樹、中日が2年目の速球派右腕梅津晃大。タイプが真逆の二人の投手戦となりました。

事前に見所としてあげたのはこちら。

早速見ていきましょう。

1、山田大樹のピッチング

七回を投げて3失点、ゲームを作り連戦が続く中でイニングを消化してくれたのはチームにとって大きかったですね。開幕戦が投手8人を起用した消耗戦だっただけに、高津監督の期待に応える内容でした。

山田大樹投手は昨年右打者に8本の被弾を浴びており、被打率.298と苦手としていたため、昨年以上の勝ち星のためには右打者への対応がどうか最も気になっていました。この点、6/4の練習試合の同カードでも注目し、その時はビシエド選手にツーベース、福田選手には被弾しました。

今日もセリーグを代表する右打者であるビシエド選手とのマッチアップに特に注視していました。まずは第一打席、二回表の先頭打者。

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練習試合の第一打席と同様、内角を攻めに行った初球を詰まってレフトフライ。前回の対戦はデータとしてもビシエド選手の頭の中にも当然残っており、インコース攻めもある程度想定されていた中で、インハイのフォーシームをきっちり投げ込み打ち取ったのは見事

続く第二打席は更に面白い勝負となっています。四回表ワンアウトランナーなしの場面。

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まず一球目はアウトコースに緩いカーブを投じます。これ、練習試合の第二打席目と全く同じ入り方なんです。練習試合ではこのあとカーブをもう一球続け、インサイドのストレート、最後にカーブで三振を取っていますが、今日はチェンジアップとツーシーム(フォークと書いてありますが)を外に続けました。

参考として、練習試合でのビシエド選手の第二打席目↓

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練習試合での対戦をなぞるように見せて、逆にスピードボールを外に配しビシエド選手にバッティングをさせませんでした。練習試合では中村選手、今日は中村選手とキャッチャーは異なるものの、この第一・第二打席は間違いなくチームとして攻め方の共有が出来ており、ベンチ・バッテリー間での意思疎通を感じることができました。

前回被弾した福田選手も無安打に抑えるなど、今日は右打者相手にほぼ完璧なピッチングを見せた山田大樹投手。それだけに、京田選手のツーランと梅津投手のツーベースは投げミスとも言え、本当に勿体なかった。そこは次回への修正点でしょう。

2、打者のvs梅津

今日の梅津投手、ストレートの平均球速が148kmを超え、制球も安定していました。昨年、フォーシームでの空振り率は3%台で、今日も空振りこそ少なかったものの、ファールでカウントを稼ぎ二種類のフォークを決め球にするピッチングで翻弄されました。真下に落ちるというより、縦割れスライダーに近い落ち方をするフォークと、シンカーのように三塁側に流れるように落ちるフォークとなかなか見ない球筋で、特に左打者には後者のシンカーっぽいフォークが有効に効いていました。

スワローズ4番の村上宗隆選手とのマッチアップは見応えがありましたね。第一打席はストライクが入らずフォアボール、第二打席はファールで粘るも7球目の外から入ってきたバックドアのフォークで見逃し三振。いわば一勝一敗で迎えた七回裏先頭打者の第三打席。

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6回裏は少し球速も落ちてきたかな?と思いましたが、村上選手を迎えてギアを入れ替えた梅津投手の球はすごかった。2球目のフォーシームは伸びも素晴らしく、村上選手も豪快なフルスイングでまさにプロとしての戦いだったと感じます。

ややバットが下を通っているように見えるように、インハイに投げ切れた梅津投手の勝利でしょう。村上選手、昨年もインハイは苦手としており、右投手からの同コースの結果は13打数1安打で今年の課題の一つかと思われます。

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出典:データで楽しむプロ野球https://baseballdata.jp/playerB/1700084_course.html

坂口選手は3回出塁したものの、2番山田哲人選手・3番青木選手が完璧に封じられてしまったのではなかなか点にはなりませんね。昨日と一昨日は機能した打線ですし、二人とも実績十分なので明後日から切り替えればいいでしょう。

私が先に挙げた見所の中で、嶋選手のフライが見たいと書きましたが、こちらはゴロ二つに打ち取られてしまいました。昨年嶋選手は3本塁打を放っており、今もなお潜在的なパワーは秘めています。神宮球場という最も本塁打の出やすい球場において、嶋選手が下位でフライを上げてくれるとチームとして厚みが加わります。19年のゴロ率は60%を超えてしまっており、今年はフライボールの比率を上げて欲しいので注目していましたが、なかなかうまくはいきませんね。

3、開幕カードを終えて

残念ながら開幕3連戦は1勝2敗で負け越し。シーズン120試合と少ない中で、本拠地神宮で負け越しは痛いですが、内容自体は3戦とも悪くはなかったと思います。なにより、3試合でスタメン出場した選手全員にヒットが出たのは大きな収穫で、2試合は打順も機能しました。

ダブルエースの石川投手、小川投手ともに試合を作り流れは作ったと言えます。今日の山田選手も好投し、表ローテに目処が立ったのは大きかったです。リリーバーにはやや不安もありますが、連投したのはマクガフ・石山の2投手で、初戦に8投手をつぎ込んだ割に運用としても及第点でしょう。

また、今日の三番手寺島投手のピッチングは良かった。Max147のフォーシームもさることながら、高校時代に持ち味だった右打者へのインコースワークが見事に決まりました。同級生の古賀捕手とのバッテリーだったからかイキイキしていましたね。16年ドラ1の意地を今日ここから見せて欲しいです。

次のカードは3連敗中の阪神戦。イノーア→スアレス→高梨というローテだと思います。練習試合で好投を続けたイノーア投手の初戦は特に重要なので、期待したいですね。明後日、また頑張ってほしいなぁ。



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