芋子

幻想小説家を目指して文章の練習中✍🏻 自分のために書いていますが、面倒くさがりが時々顔…

芋子

幻想小説家を目指して文章の練習中✍🏻 自分のために書いていますが、面倒くさがりが時々顔を出すのでスイッチ入るのを待ってます。 気長に応援してくださると嬉しいです⏰‪ 𓈒𓏸

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  • 【オリジナル小説】金の麦、銀の月

    【金曜日更新】オリジナル小説「金の麦、銀の月」のまとめです。 地道に連載していく予定です。

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読了【心霊探偵八雲・青の呪い】神永学

久々に本を一冊読み終えた。 ここ数年、読書とかなり疎遠になっていたが、最近転職して電車通勤になったため、朝と夕方は電車に揺られながら30分ずつ本を読むようになった。 表題の本はその記念すべき1冊目。 なんとはなしに計ってみたが、本を読むスピードとしては30分弱で80ページほどだろうか。 今まで本を読む時間について考えたことはなかったが、調べてみると1時間で100〜150ページ読み進めるのが平均らしい。そう考えると少し早めかもしれないが、今回読んだ八雲シリーズはキャラクター

    • ちぐはぐ

      朝靄もまだ晴れない早い朝、駅までの道を歩いていると、前を歩いていた男の子が突然くるりと振り返り、「こんにちは!」と大きな声で言うと律儀にも頭を下げた。 小学校4年生くらいの華奢な男の子だ。たまたま、同じ方向に向かって歩いていたため私が後ろに着いていくような形になっていた。後ろから近づく足音がどうしても気になったのだろう。緊張した様子でちらちらとこちらの様子を伺っていた。早足に遠ざかろうとするが、何分私の方が背が高い。しばらくすると堪忍したように足を止めた。 まだ白く霞んだ

      • 私は意識的に自分のために動くことが得意ではない。人が喜ぶことをするのは大好きなのに、自分を喜ばせることは面倒で気が進まない。 2022年は、新しい環境で新しい仕事をする。来年は数分後の自分が、明日の自分が、将来の自分が「よくやったな、あの時の自分!」と喜ぶようなことをしようね。

        • 金の麦、銀の月(15)

          第十四話 もうひとつの月 二十二時のレイトショーが終わり、私は映画館を後にした。すでに外は真っ暗だが、幸いにも映画館は三十秒も歩けば大通りに出られる場所にあるので、さほどの心配はなかった。家の最寄りまで行くバス停もほど近い。 バスに乗りゆらゆら揺られていると、ついうとうとと微睡んでしまう。これまでに何度か乗り過ごしたこともあるが、今日はどんよりとした気分で目が冴えていた。真っ暗な空には月が浮かんでいるが、すっかり霞んで見える。月は私の心情を見抜いているのだろう。静かに私を

        読了【心霊探偵八雲・青の呪い】神永学

        • ちぐはぐ

        • 私は意識的に自分のために動くことが得意ではない。人が喜ぶことをするのは大好きなのに、自分を喜ばせることは面倒で気が進まない。 2022年は、新しい環境で新しい仕事をする。来年は数分後の自分が、明日の自分が、将来の自分が「よくやったな、あの時の自分!」と喜ぶようなことをしようね。

        • 金の麦、銀の月(15)

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        記事

          金の麦、銀の月(14)

          第十三話 曇天 図書館から一歩外に出ると、どんよりとした雨雲が空一面に広がっていた。今にも雨が降りそうな様子に、みんなは眉をひそめた。 「傘もってきてないのに…。」 春日部さんが小さく漏らすと、松下さんが慌ててカバンをのぞき込んで安堵の表情を浮かべた。 「さくら、大丈夫。私折り畳み持ってるから。」 私の隣に立っている堀はカバンから大判のタオルを引っ張り出すと、頭の上からかぶって見せた。 「みづきは傘持ってる?私はここから近いし、走って帰るよ。」 うん、と頷くと堀

          金の麦、銀の月(14)

          金の麦、銀の月(13)

          第十二話 白い狐 次の土曜日、本を入手すべく、私は同期のみんなと図書館へ向かった。 色あせたベージュの建物はいかにも公営の図書館と言った感じではあるが、この辺りでは一番の蔵書数を誇っている。土曜日ということもあり、児童書コーナーは子供連れの家族でかなりの賑わいを見せていた。私も小さい頃からこの図書館に絵本や小説をよく借りに来ていた。 堀がフロアマップを見つけて指さした。 「たぶん、『理科・科学』の所にあるんじゃないかな。」 頷きながら指の先を見ると、今いる場所から歩

          金の麦、銀の月(13)

          金の麦、銀の月(12)

          第十一話 確信 本の読み方には、その種類が大きく分けて2つあるように思う。 元来文系の私の好きな本といえば、絵本やフィクション小説といったものに偏っていた。サスペンスやミステリーといった、小説は避けて通ってきたようなものだ。考えながら読むと言うよりは、読むうちに文体が染み込んでくる、と言った方がしっくり来る。文学部の春日部さん達もわりあい私の読み方に似ていて、物語の中に没入し主人公と併走しながら読み進められるようなストーリーが好きだという。 片や堀は、ミステリーなど最後

          金の麦、銀の月(12)

          本日の更新はおやすみします🙇🏻‍♀️

          本日の更新はおやすみします🙇🏻‍♀️

          金の麦、銀の月(11)

          第十話 贈る言葉 日も少し暖かくなった三月、私たちは四年生の卒業式を迎えた。四年生は去年一年間、就職活動や卒業論文で忙しく、直接関わる機会はあまりなかったが、先輩方が制作に携わった文芸冊子は何度も読んでいたため、作家としての先輩方はよく知っていた。 編集社や新聞社など、物書きらしい職に就いた先輩もいれば、堀のように技術職に就いた先輩もいて、希望に満ち溢れた表情が垣間見えた。 文芸サークルでは文芸サークルらしく、旅立つ先輩方に後輩から言葉を送る。自分の言葉で贈ってもよいの

          金の麦、銀の月(11)

          金の麦、銀の月(10)

          第九話 夢を見つけるその日まで 年が明け、長い春休みを迎えた私は充実した日々をおくっていた。 サークルはと言えば、春休みの初めの方に一度集まっただけであとは四年生の卒業までは自由に過ごすようにと言われた。そもそも個人の趣味として執筆をしていた人の集まりでもあるため、文化祭や合宿以外にサークル員みんなで何かをするというイベント事には乏しかった。 私はと言うと、四ヶ月の間に貯めたバイト代で、堀と共に足繁く劇場に通った。堀の家が街の中心地に近かったのもあり、私は劇場に通う度に

          金の麦、銀の月(10)

          金の麦、銀の月(9)

          第八話 化かし化かされ 文化祭二日目も終わり、家へ帰ると私は部屋に直行し、頭に浮かんだ物語の一行目をノートに綴った。 ___人間の作る映画を好む狐は、時折人の姿に化けては映画館という、大勢の人間が好んで通う大きな箱へと足を運ぶのであった。 物語を作るというのは、人を化かすことに近い。私が作った世界に読者を連れ込み、その世界の住人にしてしまう。今日、先輩と話したことで、演劇にも同じように、観る人をその世界へと誘引する力があると再確認した。 読者の過去、あるいは知識や思考

          金の麦、銀の月(9)

          金の麦、銀の月(8)

          第七話 きっかけ 部室につくやいなや、私はロッカーに駆け寄った。 このロッカーに入っているのは、穂高麦人という名前を初めて知った新歓公演のパンフレットと、私が小学生の頃から大切にしてきた一冊の本。 その二つを胸に抱えると、私は再び体育館へ向かって歩き出した。心臓が飛び跳ね、ソワソワと落ち着かない。一度立ち止まると、自分に言い聞かせるように深く息を吸った。 しかし、気を取り直して一つ目の角を曲がったところで、目的の人物にばったりと遭遇してしまった私は大きく息を飲んだ。

          金の麦、銀の月(8)

          金の麦、銀の月(7)

          第六話 幕開け 待ちに待ったステージの幕が上がった。 装飾も何も無い舞台の真ん中には、光沢のある茶色い椅子がぽつんと一つだけ置かれている。そして、こちらに背中を向けて座る女性。呼吸音と共に肩が僅かに動く。泣いているのだろうか。長い髪がするりと肩から落ち、彼女はゆっくりと空を見上げた。すると、彼女を照らすスポットライトの中を、細く長い糸が静かに降りてきた。彼女はしばらくそれを見つめると、酷く緩慢な動作でそれを引いた。 パチッ と音がして、ステージは闇にしずんだ___。

          金の麦、銀の月(7)

          金の麦、銀の月(6)

          第五話 文化祭二日目 朝、夜勤の父と入れ替わる様に早めに家を出た。急ぐのには理由があった。朝一番で演劇サークル公演の整理券が配られるのだ。文化祭でも人気の高い演劇サークルの公演は、一般のお客さんの席確保のために学生の席は全て整理券で管理されている。整理券がなければ、体育館後方で立ち見をするしかない。 途中でサークルの友人・堀と合流し、整理券配布会場に向かうとすでに二十人ほどが並んでいた。整理券は五十枚ほどと聞いていたから、まずまずの着順だろう。列に近づくと、こちらに手を振

          金の麦、銀の月(6)

          金の麦、銀の月(5)

          第四話 広がる世界 夏休みが終わり、二学期が始まった。 大学生活にも慣れてきた頃、心待ちにしていたイベントが近づいていた。大学の一大イベントであり、文芸サークルでは文芸誌が発行される日でもある文化祭である。 文芸誌に載せる作品は、学年ごとに詩篇と短編・中編・長編の小説が一作ずつ選出される。私は長編にエントリーしてみることにした。と言っても、各学年四、五人しか所属していないため、同級生とジャンルが被らない限り採用されることがほとんどだ。私の作品も例により採用され、とんとん拍

          金の麦、銀の月(5)

          涙色のじょうろ

          小さな世界にたったひとりの男の子と、たった一粒の種がうまれた。 男の子の近くには小さなじょうろが転がっている。 種は咲きたかった。真っ白できれいな花を咲かせたかった。 男の子は花を見るのが好きだった。花が咲くのをいつかいつかと心待ちにしていた。 運良く雨が降り、種はとても綺麗な花を咲かせた。男の子はそれはそれは喜んだ。 でも。 男の子は水のやり方を知らなかった。花は永遠に咲くものだと思っていた。 しばらくして花は枯れた。 あんなに真っ白だった花が茶色く萎み、頭

          涙色のじょうろ