黄ワニさんの電話相談。 【短い小説 #3】
隣の部屋で電話が鳴る。
もっと正しく言うとskypeの呼び出し音だ。それがふっと消える。
「はい」
「もしもし……黄ワニさんの電話相談ですか?」
「はい、こちら黄ワニです。相談をうけます」
黄ワニさんの最近の仕事は、skypeで相談にのることらしい。部屋の片隅に放っておいた古いipadを興味深げにしげしげと眺めていたので「使ってみるかい?」と与えたら、いつの間にかそんなことを始めていた。何回も呼び出し音が鳴る日もあれば、一度も鳴らない日もある。が、鳴らない日は珍しい方なの