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咳と薬局

喉の痛みがここ数日続いていた。

黙っているとそんなことはないのだが、喋ると咳が出てしまうので、まともに話ができない状態だった。

そんな僕を彼女は心配してくれていたが、しばらくそんな様子が続いていたので、最終的に彼女から「(咳の)音がうるさい」と言われてしまう始末。そう言われて、ぐうの音も出なかった。自分でもうるさいと思うし、とても煩わしかった。

幸い、普段はエンジニアとしてPC相手に対峙する時間が長く、人と話すのは他の一般職より少ない職業に就いているので、仕事に支障をきたすことは比較的少なかった。

週の真ん中、喉の痛みが治り切らず厄介な状態が続いていたので、朝に近くの病院に行ってから出社することにした。以前のnoteに書いた、何度も通いたくなるお医者さんがいる近所の病院。

病院で処方箋を出してもらい、歩いてすぐの薬局に向かう。病院と薬局の連携が緊密に取れているので、受付に着くなり数種類の薬が並べられていた。これは何度経験してもいい気持ちになる。

朝に服用する薬があった。この時点で朝の9時過ぎ。会社に着いてから薬を飲むとなると10時近くになってしまい、昼に薬を飲む時間との間隔が短くなる。それか一旦自宅に戻って薬を飲むか。はて、どうしよう。数秒でそんな思考が巡った。

すると「ここで飲みますか?」と目の前の薬剤師さんに聞かれた。「いいんですか?お願いします」と答えると、慣れた動作で、奥から紙コップを出してきて、薬局内にあるウォーターサーバーで水を入れてくれた。これには驚いた。

四半世紀生きていて、こんな経験は初めてだった。その旨をそのまま目の前の親切な若い男性の薬剤師さんに告げると、「そんなにお客さんがいないのでね。」と謙遜して言っておられた。

聞くと、特にインフルエンザの時期には、患者さんにその場で吸引タイプの薬の正しい服用方法をレクチャーすることがあるそうだ。「高齢者の方は、上手く機器を扱えない人もいるのでね。」と穏やかな口調で教えてもらった。

そんな薬剤師さんとの温かなやり取りの余韻を残しつつ、薬局を出て、混雑のピークを過ぎた電車に乗って会社に向かった。

移動中、さっきの対応は人が多いとできないことだよな、と心の中で思い返していた。そうなると都会で人が多いのは良いことなのだろうか、とぼんやり思った。競争社会とか「いいね」稼ぎとかに飽き飽きしていた今の僕の心情とリンクした。

チャット1つで勤務時間と場所を流動的に変更できる環境に有り難みを感じる。現状に不満があるなら徹底的に考え抜いて行動したら変えられるという経験から心に希望が生まれてまだ1年未満。

たとえば、満員電車に乗らないで済むような働くスタイルを柔軟に選べる生き方をしたい。心の内で願っていたことが、過言ではなく叶っている現在のことを俯瞰して眺めてみる。

その最初の段階から変と思わない人には、かける言葉もない。効率重視の生き方、身体感覚の欠如、数こそ正義、偉い人の言うことは真実、etc.

顔なじみのお医者さんとの診断で2ヶ月前にも風邪を引いていたことを思い出す。

社会の病態より、自分を体調面にもう少し気を配った方が良さそうだ。

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minkle

1992年生まれの会社員エンジニア。日々の暮らしをエッセイに綴っています。彼女と2人暮らし。趣味は読書・お笑い・ラジオ・無印良品。有料マガジン始めました。

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