見出し画像

大学授業一歩前(第152講)

はじめに

 今回は現在、学習院大学法学部4年の方に記事を寄稿して頂きました。現在、大学生の彼は如何にして本を読んでいるのでしょうか。是非、今回もご一読下さいませ。

プロフィール

Q:ご自身のプロフィールを教えてください。

A: 学習院大学法学部政治学科所属の4年です。今年卒業して、来年度からはITコンサルの予定です。2022年秋~2023年夏までイギリスのオックスフォード・ブルックス大学に学部協定留学で行っていました。海外では政治学と社会学を半々くらいで扱っていました。 課外活動ではジャズドラムを大学入学時からやっていて、最近はピアノもはじめました(笑)。飽き性なのでいつまで続くか分かりませんが、ズルズル続けていこうとおもいます。

研究内容/関心のあるテーマ

Q:現在、研究している内容とご自身の関心について教えてください。

A:人の自律性、つまり近代性が最も大きな研究関心になっています。どうしたら人が喜びをもってそれぞれの一生を送れるか。また、バックグラウンドが異なる人々がどのようにすれば、再度コミュニケーションを取り戻すことができるか。これらは非常に壮大なテーマですが、考え甲斐があります。
 ゼミは公共哲学のゼミに所属しており、個人的には政治学というよりも社会学(社会思想)の方に興味があります。特に、脱成長論をマックスウェーバー的観点から考えており、卒業論文ではイヴァン・イリイチの『コンヴィヴィアリティのための道具』と斎藤幸平の『「人新世」の資本論』の比較書評を執筆しています。

オススメの一冊

Q:オススメの一冊を教えて下さい。

オイゲン・ヘリゲル著/魚住孝至訳・解説(2015)
『新訳 弓と禅 付「武士道的な弓道」講演録』角川書店。

A: 本来は書評を書いた『コンヴィヴィアリティのための道具』ないしは『「人新世」の資本論』を本来ならば、推すべきなのでしょうが(「人新世」の資本論の方は読みやすいのでお勧めです)..。
 ここでは、オイゲン・ヘリゲルの『弓と禅』をプッシュしようと思います。ヨーロッパ人が禅を習得すべく弓道を習うというお話です。社会学をやっていると近代研究の範疇から出られなくなってしまう可能性が高く、視野が狭くならないようにするためにも、東洋思想を学ぶことは必要だと思います。あとは読んでいて話がとてもおもしろいです。

ご自身の読書術

Q:実践している読書術を教えてください。

A: 出来るだけ一気読みしてまず一周します。一周することによって、とりあえず終わりが見えて安心します。そこから精読を始めます。おおよその内容は頭に入っているので(全然入っていないこともあります)、一周目で分からなかった部分や、斜め読みしてしまったところを重点的に読みます。この方法は最近意識してやっています。
 習慣とかは特にないですが、カバンの中には常に本が入っています。特に長旅の時は重宝しますね。長時間座ったままの新幹線だと、やはり読書が捗ります。いつもカバンの中に入れることで、とりあえず本と自分の物理的・心理的距離を短くするように最近は心がけています。あと、本はけっこう衝動買いします。

メッセージ

Q:最後にこのnoteを読まれている方へのメッセージをお願いします。
A:執筆の機会を頂きまして光栄に思います。皆さんの学びの助けになれば幸いです。
 大学生活はとりあえず絶対値が大きい方がいいです。平々凡々で良いと満足できるならば、そのような生活も選択肢の一つです。あと、インターネットのおかげでいろんなところにアクセスできるようになりました。つまり、意志の力が何倍にも増幅される世の中になったということです。自分自身を律して動くというのは大変なことですが、やってみると意外とすんなり行ったり、上手く行かなくても成功の糧にできたりするので、一緒に頑張りましょう!皆様の学びが楽しさに溢れたものであることを願って、寄稿させていただきました。

おわりに

 今回は現在、学習院大学法学部4年の方に記事を寄稿して頂きました。卒業間近中、寄稿して頂きありがとうございました。

 習慣とかは特にないですが、カバンの中には常に本が入っています。特に長旅の時は重宝しますね。新幹線の中だと読書が捗ります。いつもカバンの中に入れることで、とりあえず本と自分の物理的・心理的距離を短くするように最近は心がけています。

 どうしても現代は本と自分との距離が離れがちになってしまうと思います。スマホ、SNSなどが身近にあるので、わざわざ本を読むという行為がとても高いハードルになってしまっています。ですが、このようなハードルは自分の習慣や過ごし方一つで意外と簡単に壊せるのかもしれません。次回もお楽しみに。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?