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私が今まで好きだったものを否定されてたような感じがしたから離婚する人

無名人インタビューは一年おきですルールにしてるんですが、わたし自身の考え方としては週いち月いちで受けてもいい、受けたほうがいい、と思ったりしてしてしてしてしているんですが。
ともあれ、前回のインタビューはこちら。

そうなんですね、何回も何度も、時折には、受けたほうのがいいインタビュー。なので「すぐやるインタビュー」という仕組みをシステムを、今年のお正月は開発してたんですが。
それは、記録はするが記事にしない、まああー、今の無名人インタビューよりも遊び半分冗談半分でやるって仕組みでね、やろうかと思っててさ。どーだいこれはどうなんだいってさ。
ともあれ、年末に私が無名人インタビュー本の原稿かきあげられなかったら無名人インタビューやめちゃうぜ運動の中で、今だ! ってとびこんできた参加者さんのトライによって決まったこのインタビュー、どうか、どうぞ、楽しんでいってくださいませね。
聞くことは愛すること。無名人インタビューゴーです!!!!!
【まえがき:qbc・栗林康弘(無名人インタビュー主催)】

今回ご参加いただいたのは てぬたん さんです!

https://x.com/tenutan
https://x.com/tenutan_photo


現在:物事考えてやると上手くいかなくって、ぱっと思いつきで、その目の前にぱって出てきたことを、キャッって掴んで、ほほんってやると、割とうまくいくタイプだと思ってるんですよね自分で。

あるく:今何をしている人でしょうか?

てぬたん:今ですね、前回は無職だったんですけど、もうすぐ働くシングルマザーになる人です。

あるく:いつ頃から働かれる予定なんですか?

てぬたん:1月の中旬、19日ぐらいからですね。仕事が始まるんですけど、今引っ越して、もうすぐ離婚もして、子供と2人楽しく頑張るぞみたいなとこですね。

あるく:喜怒哀楽というか、感情の部分で言うとどれが強い時期ですか?

てぬたん:今は楽しみと心配と、あと感情ではないんですけど、ひたすら疲れたんですね。
もうめちゃめちゃ疲れてます。

前回がですね最後の方に、今年の5月くらいのインタビューだったんですけど、今年中に離婚とかして、そうできたらいいですねみたいなこと言ってたんですけど、そのインタビューを受けた後に、結構本当すぐ1ヶ月もしないくらいのうちにいろいろやり出したんですよね。
離婚することに向けて、今やっとちょっとけりがついて。引っ越しもして、仕事も決まってて、なんかちょっと一段落スタートっていうところでめっちゃ疲れて。もう半年以上なんかあれやこれやとやってたので、どっと疲れちゃってて、でもなんか気持ち的には、元気みたいな感じですかね。

あるく:割とポジティブな疲れみたいな感じなんですかね?

てぬたん:そうですね。なんかどっちかっていうと前はもう精神的に疲れてたんですけど、今は単に引っ越しとかの肉体労働で、体がただ単に疲れてるみたいな。今実家にいて実家から徒歩10分くらいのところに、新しいおうちを借りたんですけど、おうちの片付けとかが全然終わらない、終わらないっていうか、できてなくて。

行ったり来たりして、単に肉体的に疲れてるって感じではあるんですけど、ただ気持ち的には新しい生活が始まるなっていう、ちょっと何か楽しい感じがありますね。

あるく:今の生活を占めている割合が大きいもの、その時間的でも感情的でもいいんですけど、その割合が大きいものって何ですか?

てぬたん:今何だろう、今はあれです、家具を買うということに、80パーぐらいの脳みそが割かれてます。
あんまりなんか、なんていうんですかね美しくない答えですけど。もう本当に、入れるものがなくて。引っ越したはいいんですけど入れ物がなくって。今必死に何かしまうものを買ってるところで、大変なことになってますね。
毎日荷物が届きそれを取りに行くみたいななんかそういうのばっかりやってて、ていう。今家の何かこう、ちゃんと住めるようにしなきゃみたいなのが、8割方頭を占めてるところですね。

あるく:前回も5月ぐらいにインタビューを受けてくださってたっておっしゃってて、そこからすごい変わったっておっしゃったと思うんですけど、前回のときに生活とか自分自身を占めてた割合が大きいものって何だったんですか?

てぬたん:いやもう無、無でしたよね。なんかもう本当、前回のときってお仕事をちょっと精神的な不調があって辞めて、半年ぐらい経った頃で。その時点では失業手当が毎月あって、あと半年はもらえるなみたいなところだったんですよね。半年お金もらえるし、しばらく働かんでもいいかみたいな感じで、毎日朝起きて、子供を学校に送り出し、あとは自分はもう動けないというか。静かにしてるっていう感じだったんで、あんまり何か、具体的に何かをしようって、インタビューを受けた時点では、そんなに思ってなかったんですよね。だから、今すごい変化というか、こうなってるのがすごい頑張ったなみたいな感じに思いますね。

あるく:前回のときは無だったのに、なんでそこから変化を起こそう、始めようって思えたんですか?

てぬたん:夫とうまくいってなかったんですけど、ある日些細なことで死ねって言われて。もっと若いときっていうか、元気だったときって言えばいいのかな、そのときの私だったら人にそう言われたら「は?」みたいな「お前だよ!」とかっていう反抗心が生まれたと思うんですけど。そのときはひたすら悲しいなみたいな、ほんとに死んだ方がいいのかみたいになっちゃって。なんか、あれ?みたいな、大変だこりゃってなって。死のうと思ったわけではないんですけど、何かこれは駄目だってなって。

そこから弁護士さんとかに相談しに行ったりとか、具体的に離婚調停を始めたりとかして、夫と別れて暮らそうっていうふうな行動に移し始めたっていう感じですね。

あるく:私の印象になってしまうんですけど、いろいろ大変なことが絶対あったと思うんですが、話し方とかがすごく明るくて前向きな感じがするのは今の時期のてぬたんさんだからなのか、てぬたんさんの元々の性格とかキャラクターなんですか?

てぬたん:そのときは、ぐっ!って悲しいって自分で思ってるんですけど、多分元々そういう感じなんだと思うんです。楽しいときとかっていうのも、楽しいって思ってるのってそのときで、後から思い出すのって、そのとき楽しかった自分のことで、楽しい気持ちってもう取り戻せないじゃないですか。そのときの感情って。

だから悲しかったなとかっていうのも、何年かけてとかじゃなくて、もう次の日、2、3日後くらいにはもう、思い出せないわけじゃないんですけどそのときの感情にはもうなれないっていうか、そういう人がいたというか、他人ごとじゃないですけど、なんかちょっとそういうふうになるんですよね。
だから、だからだと思うんですけど、ちょっと他人ごとだと思ってるというか。そういうときもありましたねみたいな。

しかも、その今回の離婚する云々みたいな話って、割となんか人生において大きい出来事じゃないですか。経験しない人もいると思うんです。だから、割とそういうことって面白いって思っちゃうんですよ。

実際はそのやってるときとか、離婚調停って裁判所の人を挟んで、向こうと話し合うみたいなやつなんですけど、それも結果的にはうまくいかなかったんですよ。離婚できなかったんですけど。そのときも帰りに裁判所を出て、もううずくまって泣くくらいにはきつくて、もう終わりだと思って。

終わりだって思ったんですけど、思いはしたんですけど、今になってみたら、そういう人もいたなみたいな感じで、なんか人生の出来事としてはもう一つまるっと面白いことになっちゃったんですよね。
そういうオモシロ体験というか、人があまり経験しないかもしれないことを一つ経験して、今もそうですけど、友達とか、誰かに話すネタとして、一つ面白いエピソード増えたなみたいな。今はそういう気持ちなんですよね。
だから、確かにそのとき悲しかったなとかっていうことはあるんですけど、もう何か1エピソードとしても終わった話というか、他人ごとみたいな感じになってますね。

あるく:離婚はまだされてないんですか?

てぬたん:そうなんです。というか、調停がうまくいかなかったのがいつだっけな。10月11月くらい、秋くらいだったんですけど。もうこの世の終わりだと思ってどうしようと思って。もう仕方ないと思って。
これもちょっと暗い話なんですけど、生活費、食費を夫からもらえてなくって。それも離婚したかった一因だったんですけど。その話は離婚調停のときに調停の人が夫に言ってくれたみたいで、お金をもらえることになったので、しばらく大丈夫、大丈夫ではないんですけど、まあ生きていけるからと思ってたんですけど。

前のインタビューのときにも言ったんですけど、私なんかあんまりじっくり物事考えてやると上手くいかなくって、ぱっと思いつきで、その目の前にぱって出てきたことを、キャッって掴んで、ほほんってやると、割とうまくいくタイプだと思ってるんですよね自分で。今までも仕事とかも、あんまりちゃんと真剣に就活とかしたとかじゃなくて、やるか?って聞かれたときに暇だからやりますって言ったりとか。そもそも働かなきゃいけないから働くかぁって言って適当に働いたときの方がなんか長くうまく続いたりとか。

あんまり自分で真剣に道を考えてやると、うまくいかないっていうのはわかってたんですけど、なんかそのときもなんか急に思いつきで、ちょっと仕事探して、あったから応募して。求人を見て応募しようって思うまでの決断5分くらいだったと思うんですけど。そしたら駄目だろうなと思ったら受かっちゃって。仕事見つかったってなったんですよ。

その仕事が在宅勤務なんですよね。フルタイム日中から夜まで働くんですけど、家の1人で静かなパソコン使える部屋でやってくださいねみたいになってて。それで待てよ、この家でその空間確保できるか?ってなって、できないなってなって、引っ越すかってなったんですよ。突拍子もない決断ですけど。

だから、要するに逃げようと思って。あの夜逃げじゃないですけど、子供を連れて、私と子供と2人で、実家のある方に、どっか引っ越しそうと思って。仕事がちゃんとできる部屋があるところにと思って。それで引っ越しの準備を秘密裏に進めてたら、夫にばれて。調停のときは夫は離婚は親権でもめたんですよ子供の。
でもなんかあっさり親権をこっちに譲って離婚しますって言ってきたんで、やった!と思って、今に至るっていう。

あるく:なるほど、これから離婚がちゃんと終了するんですかね?

てぬたん:そうですね。離婚届とかももう書いたんですけど、私の仕事の都合でこの日に出してねって言ってるっていう感じなんで、もう離婚自体は、する、もういつでもできるっていう状態で。ちょっとややこしいんですけど。

簡単に言うと、もう別居しようと思ったんですよね。仕事が決まったから別居しようというか、部屋がないから違うとこに引っ越す、別居しよう、子供連れて逃げちゃおうみたいな感じで。あんまり考えなしにパパッと物事を決めて。
だから仕事を見つけて応募して決まって、引っ越し先を決めるまで10日ぐらいだったと思います。
物件とかも、内見も直接行かないでオンラインでやってもらって。1件目でここでいいですって決めて。これでいいです、ここにしますみたいな。多分向こうもびっくりしたと思うんですけど、ろくに大した下見もせずに、いいですここでいいです、ここにしますって言って、すぐ決めて。もうそのうちの日に契約して、引っ越しの業者もすぐ見積もり取って、決めて、で、ばれたんですけど。こっそり逃げようと思ったんですけど、ちょっとあらぬところからばれちゃって。
そしたらなんか不幸中の幸いじゃないですけどもう向こうが、じゃあ離婚しますって言ってきたんで、よしやった!勝った!と思って。

なんでやっぱり、何か物事を深く考えないで行動した方がうまくいくタイプなんだなと自分で思って、今に至りました。

あるく:逆に他の人からはどういう人だよねって言われてますか?

てぬたん:前回も聞かれたんですけど、全然わかんなくて。わからないんですけどどう思われてるんですかね。
前回インタビューしていただいたときに、本当にわからんと思って、どう思われてんだろうなと結構考えてたんですけど。未だにわかんないんですけどどうなんでしょうね。客観的に見たらでも、突拍子もない行動してる人だと思うかもしれないですよね。そんな急に夜逃げみたいなことをしようとしだしたりとか。と思うかもしれないですね。

あるく:ご自身では自分どういう人間だなって思いますか?

てぬたん:どうなんですかね。でも、前も言ったんですけど、前は何かよくわからずに言ってたんですけど、なんていうんでしょう。悲しかったこととか、他人ごとだと思ってるみたいなところとか、やっぱり客観的なのかなって思ったりもしますよね。なんか、そうなのかな、でもわからない。なんか自分という人間が全くわからないんですよね。
人のことはすごい見ちゃうし、勝手にこの人こういう人なんだろうなとか決め付けちゃったりするんですけど、自分のこととなると、ちょっとなんか無言になってしまいますね、わからんってなっちゃうんですよね。

過去:なんか無償の愛みたいのが嫌なのかもしれないです。

あるく:子供のときはどんな子でしたか?

てぬたん:前のときは、何もなかったですって言ってたんですけど、直後に思い出したんですけど、キョンシーわかります?

あるく:あれですよね、妖怪みたいなあの。

てぬたん:おでこにお札くっつけてるやつ。キョンシーとか妖怪人間ベムとかがすごい好きな子供だったんです、幼稚園くらいのとき。そのときに、なんでそれが家にあったのかもちょっとわかんないんですけど台湾版の実写の桃太郎の映画ってあるんですよ。
なぜかそのビデオがうちにあって、それを毎日のように見てたんですよね。今考えればですけど、面白くもないし、桃太郎なのかって言われると、いやあって感じなんですけど。

そういうなんかおどろおどろしいものがすごい好きだったんだなって思って。ああって感じですね。

あるく:何で好きだったんですか?

てぬたん:いやわかんないんですよね。なんで好きとかっていうのは。なんかでも、何だろう、何なんですかね。何が好きだったんだろう。
妖怪人間は置いておいて、台湾の桃太郎とキョンシーも台湾かな。なんかああいうちょっとエキゾチックじゃないけどなんて言うんだろうな、なんか嘘っぽい感じ。なんだこれみたいな感じがなんか子供心に響いてたんですかね。なんか好きだったんですよね。

同時期にミッキーのアニメのクリスマスキャロルをレンタルしてきて借りて観たんですけど。見たことあります?ミッキーのクリスマスキャロルって。

あるく:ドナルドとかが出てるやつですか?

てぬたん:そうですそうです!
わかります?あれ結構みんな好きだと思うんですけど、クリスマスキャロルのお話って。普遍的な話というか。
私、他のクリスマスキャロル見てないからわかんないんですけど、ミッキーのクリスマスキャロルを、その幼稚園からのときに見てだいっきらいになっちゃって。もう2度と見たくない!ってなって。
2度と見たくない映画ってみんなよく言うやつあるじゃないですか、ダンサーインザダークとか。私ダンサーインザダークとミッキーのクリスマスキャロルは2度と見たくないと思ってて。

そのミッキーのクリスマスキャロルの何が嫌だったのかっていうと、なんかこれ、すごい「は?」って思うかもしれないんですけど。ミッキー家族いるじゃないですか、ミッキーとミニーなのかわかんないですけど、お父さんお母さんがいて、子供が3人ぐらい、3、4人ぐらいいるんですけど。

貧乏家族、貧乏ミッキー家族がいて、クリスマスの夜もめっちゃ質素なご飯食べてて。お父さん、お母さんがお食べって言って子供にちょっと自分のお皿のご飯を分けてあげる、みたいなのがものすごく嫌で、見てられない!みたいな。

なんか悲しい、貧乏家族を見ていたくないとかっていうのとちょっと違うような気がするんですけど、もうそれが強烈に嫌で。なんか悲しい嫌だ!みたいな。そんなのやめて!みたいな、しみったれた事を!みたいなことを思ってしまって。トラウマみたいになっちゃって、なんか本当にもうやめて!みたいな。で2度と見たくなくなっちゃって、ずっと台湾の桃太郎を見てましたね。

なんかああいうのを見ると、なんなんだろう、今もそうなんですけど、私子供いるんですけど、何だろう親の身を削って、子供に施すみたいのが苦手で。

美味しい食べ物があったら、ちょっと多く子供にあげるとか、絶対したくないみたいな。半分こか大人を多くするみたいな。意地悪なだけかもしれないんですけど、なんか嫌なんですよね。何がなんだろう、なんで嫌なのかな。なんで嫌なんだろう。
なんか無償の愛みたいのが嫌なのかもしれないです。

あるく:無償の愛が嫌?   

てぬたん:はい、なんかちゃんと返せよって思っちゃって。
ちゃんと返せよなのかな、ちゃんと返せよっていうか、ええっ?て思っちゃって。ちょっと引いちゃうみたいな。本当?みたいな。もっといっぱい食べたくない?大人もって思っちゃって。駄目ですね。

あるく:それはちっちゃいときからそう感じたんですか?

てぬたん:もう本当にその1回しか見てないんですよ。
だからもうその時点で嫌でしたね。ワーッて。

あるく:それって何歳ぐらいのときに見たんですか?

てぬたん:幼稚園、4、5歳とか、多分そういうくらいだと思うんですけど。
なんかやだと思っちゃって。やめてみたいな。お父さんいっぱい食べて?って思っちゃって。嫌でしたね。なんか嫌だったんですよね。未だにそうです、本当に。

あるく:未だにそうなんですか?

てぬたん:未だにそうで、実生活でもにじみ出てると思います。子供を過剰にひいきしようと思わないみたいな。

あるく:どういうときに感じるんですかその瞬間って?

てぬたん:ご飯食べてるときとかも、唐揚げが最後1個余ったら、絶対半分こするか、食べていいかって聞いて、どうぞって言われて食べるし。お菓子とかも子供が、いやこれ意地汚いだけかな、子供がお菓子食べててもすぐに平気で1個ちょうだいとか言うし。

なんだろう。全然なんか、子供の取っておいたお菓子食べちゃうし。なんていうんだろうな、あれかもしれない、家族が嫌いなのかもしれないです、もしかしたら。

なんていうんだ、家族が嫌いというか、本当、クリスマスキャロルのミッキー家族って家族だなって感じなんですよね、すごい。
親がちゃんと子供を大事にしてて、子供たちもすごくいい子で、お父さんお母さんを多分尊敬して敬ってて、貧乏だけど、仲睦まじく暮らしてるみたいな、そういう家族。が、何か苦手なのかな、なんだろう。そんなわけないじゃんと思っちゃうのかもしれない。なんか嘘だ!と思っちゃって。そんなわけないよって思っちゃうんですよね。

あるく:それってなんでそう思うようになったんですかね?

てぬたん:なんでだろう。あれってもうひとかたまり、家族っていう、個々が家族っていうものに取り込まれてるなって感じがしちゃうんですけど。

だけど絶対ミッキーお父さんも、仕事でめっちゃ嫌なこととかあって、くそ腹立つわとか思ってるだろうし、子供は子供で学校行って陰口叩かれてなんだあいつって思ったりするかもしれないし。
それが家族の力によって一気になかったことになるみたいな、幻想みたいな感じが嘘だ!って思っちゃったのかも知れない。

めちゃくちゃ個人主義なんだと思うんですよね、自分が。だからだと思います。あんまりそういう集団、家族っていうものが、家族が嫌っていうよりも、そういう何か絶対的な幻想っぽい家族は、あるか?って思っちゃうかもしれないですね。

あるく:てぬたんさんが育った家庭はどんなご家庭だったんですか?

てぬたん:うちは母子家庭で、途中変な感じになったり。変な感じ?いやでも別に不幸だったわけではないんですけど。
多分そういうミッキー一家みたいな感じではなかったので、なおさらそう思ったのかもしれないです。しかもなんか、今から私自身もミッキー一家とかけ離れたところに行こうとしてるので。なおさらなんか頭パーってなっちゃってるかも知れない。

あるく:個人的な感想を挟んでしまうんですが、家族というものに対して選ぶ言葉とか、見方が自分的に新しくて、多分今後も私の中で思い出すんだろうなって思いました。

てぬたん:いやちょっと自分でも探り探り言ってるから矛盾してるかもしれないんですけど、まあ人間こんなもんですよ。

あるく:いくつあってもいいんですが、今までの人生を振り返って転換期はどこでしたか?

てぬたん:表面的では無いんですよ。表面的にはというか、動きとしては。動き?なんていうんだろう、見た目?的にはないんですけど、心情的には1個あって。もう終わったっていうのがあって。
前のインタビューのときにも言ったんですけど、自分が全然特別な人間じゃなくて、ごく普通の人間だっていうことを自分自身で認めたときが終わったって思ったときです。終わったっていうか、終わったのか始まったのかわかんないんですけど、そこですね。

あるく:それっていつのときなんですか?

てぬたん:20歳ぐらいとかそのぐらいだと思うんですけど。服飾の専門学校に行ってたんですけど。そういうのもあいまったのかわかんないんですけど、服だけじゃなくて何でもいいんですけど、音楽でも何でも、物を作る人っていうのに強烈な憧れみたいのがあって。
かといって自分で生産性があったかというとあんまりなかったんですけど。なんかでも自分は他の人と違うんじゃないかって、若い人なら誰でも思うようなことを思って。

でもある日、いや違わないなと思って。いや普通だわと思って。諦めた、諦めたっていうか、一旦その考えはもうちょっと葬り去ろうって決めて、認めたんです。薄々気づいてたんですけど、あ、自分普通だって、もうそこで認めて終わったっていう。

あるく:それに気づいたのって何かきっかけがあったんです?

てぬたん:いや、何にもなかったですけど、常々考えてはいたんですよねそういうこと。自分は何者かになれるのかってこと。
多分今の人もそういうことを思ってる人多いと思うんです。何者かになれるんじゃないかみたいなことを思ってる人って結構いると思うんですけど、いいやそんなことないわって思って、ある日。
その何者かになれるかもしれないって、自分に期待し続けてるのも結構、きついというか。
しかも自分に大した生産性がないってことにも気づいてるわけで。外堀埋まってるのに、いやいやってちょっと抗ってるみたいな感じがあったんですよね。いいやまだいけるみたいな。だけど、なんかもう、駄目だなこりゃと思って、認めようと思って、認めることに、ある日したみたいな、感じですね。特に何かきっかけがあったわけではなくて結論が出たみたいな。

あるく:その結論が出てる前と出た後っててぬたんさんご自身は何か変わったりしましたか?

てぬたん:もちろん変わらないんですよね。自分の中で、普通だって認めただけなので。
しかも今まで何者かになろうとして、すごく何か行動してたかっていうとしてなかったので、変わらなかったですね何も。
ただ自分が諦めたってだけで、表面的には何も変わってなくて、行動も何にも変わってなくて、ただただ諦めた。前のインタビューのときにも言ったんですけど、インタビューされたかったんですよ、すごい。インタビューをされるような人になりたかったんですよね。
何か素敵なものを作り出して、みんなにちょっと憧れられちゃって、あの人の話聞いてみたいよねみたいな感じになってインタビューされるみたいな、そういう何かちょっと淡い期待みたいなのを抱いてたんですけど、それを思うのをやめたっていうただそれだけで、何にも変わらなかったです。
ちょっと悲しいくらいで、何も変わらなかったですね。

あるく:そのときの感情とか思ったこと的はやっぱり悲しいだったんですか?

てぬたん:悲しい、悲しいかな、なんだろう。あーあ認めちゃったとは思ったんですけど、でも、やっぱ、だよねとも思ったんですよね。ですよねーみたいな。9割くらい知ってたっていうか気づいてたんですよ。全然普通の人だって自分が。だから、まあそうだよなみたいな感じ。でもちょっとつらいみたいな、ちょっと悲しいみたいな。
自分にちょっと期待してたいじゃないですか。自分は何かできるかもとか、何か素敵なことが起こるかもみたいな期待をしたいけど、それをやめた、自分に期待するのをやめたってことなんでちょっとなんか悲しいですよね、それは。かな。

とはいえ、多分一旦、認めはしたんですけど、心の奥底ではまだちょっと期待してるみたいなところはあるとは思うんですけど。でもお話でいうとそこで終わりかな。夢破れた若者の、何億人もいる若者の1人の話はそこで終わりみたいな感じですね。

あるく:「まだ期待『しちゃってる』」なのか「まだ期待してたいな」なのか、自分に対して期待するってことに対してどう思ってますか?

てぬたん:期待したいんじゃなくて、多分期待してますね。
してる、してます。ちょっとだけ。たまに、人に褒められたりすると、あれいける?って思ったりもします。
だけど、だけどやっぱり何かを継続的に生み出していて、そしてその人にしかない何か素敵なものがあってとかっていうわけじゃないと思ってるので、瞬間的なものです。本当に瞬間的なものです。ちょっと人に褒められたら、そのとき「ん?」って思うぐらいで、もう普通に生きてるなって感じですね。あんまり、時々期待がちょっと顔を出すくらいで。
普段はもう土の中にいます。ゾンビです。期待ゾンビですね。たまにちょっと生き返るみたいな。

あるく:期待がたまに生き返る?

てぬたん:そうです。もうゾンビですよ、半分腐ってますね。

あるく:腐ってるってどういう状態なんですかね?

てぬたん:やっぱり1回自分で殺したなって感じがするんで、土の中でおとなしく眠っとけって思うんですけど、たまに、ゾロって出てくる感じがあるんで。だけどやっぱりもうそれはないかなっていうのもわかるんで、ゾンビですね。あれは死んでます。

自分自身はわかんないんですよ。だけどその期待するっていう、その期待をする過程、なんていうんだろう、そのもう1人自分がいて、私を観て、お前いけるんじゃねっていう気持ちはゾンビだと思うんですけど、自分自身はまだわかんないです。

もしかしたら、何かあるかもしれないけれど。期待はゾンビです、死んでます。

あるく:てぬたんさんの物語の転換期は、自分を殺したときの1回ってことですね?

てぬたん:そうですね。

未来:でも楽しみですね。うん、楽しい。もう嫌だったことも過去になりました。全部終わり、終わった、終わりましたって感じで。

あるく:5年後10年後、あるいは死ぬときまで想像して、未来についてどういったイメージをお持ちですか?

てぬたん:そうですね、本当に現実的なことを言えば、今はもうちゃんと子供をいい感じに育てる。
育てるっていうか、子供といい感じに暮らす、かな。それはすごく現実的な将来感というか、やんなくちゃいけないことかなっていう感じはするんですけど。

個人的なことに限って言えば、この結婚してた間って、本当刑務所入ったんかぐらい、私が失ったものがでかいと思ってて。何にもできなかったみたいな。子供ができたからとかそういうことじゃなくって、気持ちが死んでたなっていう感じがすごいするので、ちょっともうちょい生き返りたいですね。
ちゃんと楽しいことを楽しく思いたいというか、そういう感じがありましたね。

あるく:その死んでた状態ってどういう状態だったんですか?

てぬたん:好きなこととか全然してなかったし、やっぱりちょっと精神的にしんどくなっちゃったのもあって。本当に何か感情がうまく動かなくなるんですよね。

よく言われることだと思うんですけど、今まで楽しめたものが楽しめなくなるっていうのは、本当にそうで。音楽を聞くとか、本を読むとか、映画を見るとか、何でもそうですけど、心が動かなくなるんですよね全然。

それがなんか私の趣味っていうのか、生きがい、言い過ぎかな、わかんないんですけど、心が動くのが好きなんですよね。
外的刺激で心が動くとか。あと、知らないことを知ることで心が動くのが好きなんですけど、動かなくなっちゃったんで、ちょっと動きたいですね。動かしたいですもうちょっと。はい、そんな感じですね。

だから、そうだな、5年後10年後、そうですね、楽しく、笑ってたらいいですよね。

あるく:結婚生活のときの苦しさの原因についてもう少しお聞きしても大丈夫ですか?

てぬたん:全然大丈夫ですよ。私が今まで好きだったものを、否定されてたような感じがするんですよね。

あるく:旦那さんにですか?

てぬたん:そうですね。単に趣味っていうか、性格が合わなかったっていうそれだけの話なんですけど。
だったらだったでほっといてくれよって感じなんですけど。私本とかCDとか大量に持ってるんですけど、レコードとか。それをダンボールにしまったまま出せなくて、出すなって言われて。よくわかんないんですけど。大量にあるからだと思うんですけど。
出すなって言われたら、出さない、、ってなっちゃって。

そしたらもう、私の人生って、それしかなかったぐらいだったんで、何にもなくなっちゃって。で、子供が生まれて、てんやわんやしてる間におかしくなっちゃって、精神的に。ありゃって感じですよね。ありゃあみたいな、こんななっちゃったみたいな。

全くそういう文化的なことに触れてなかったわけではないんですけど、だけどやっぱり明らかに昔より集中できないし、なんていうんだろう、楽しめてないし。むしろそういったものに接するのがしんどい感じになっちゃってて。

うわー変わっちまった自分って思っちゃって。わかるんですよねやっぱり昔の自分はこうじゃなかったっていうのが。わかるから、うわーってなっちゃって。すごい嫌ですよね。嫌でしたねっていうか、今もそんな全快はしてないですけど。
なんかやだなみたいな。あの頃はよかったじゃないですけど。小説の一文を読んで、一晩考え込めるくらいのエネルギーがもうないっていうことに絶望するみたいな。それがすごい嫌で、だから、取り戻したいですねその時間を。

あるく:5年後10年後って割とちょっと遠い未来だったと思うんですけど、今が年末ということもあって、2024年っていう直近の目標とか、こうなってたいみたいなのありますか?

てぬたん:もうめっちゃ生活じみた話ですけども、新居が全く片付いてないので、ちゃんと住める状態に早くしたいんですよね。もうえらいことになってます。えらいことになってますというか何もなくて大変です。
でも楽しみですね。うん、楽しい。もう嫌だったことも過去になりました。全部終わり、終わった、終わりましたって感じで。

あるく:いやよかったですね、本当に。

てぬたん:良かったです本当に。前のインタビューのときは、なんかもう現実逃避してたんで。もうね、そんな未来の事なんか考えられっかバカタレと思ってたんですけど。

今はもう全然ですね、本当パリピ。心はパリピですね、今は本当に。やったー!ですよ。離婚に際してちょっと小金をもらったので、それも相まって、ちょっと調子に乗ってますね。生々しい話ですけど、お金をもらうと人って元気になるんだなって思いました。

あるく:もし自分は普通なんだって自分が死んだ瞬間がなかったらどういう人生になってたと思いますか?

てぬたん:同じだったと思います。なんでかっていうと、思ってただけ何か特別ことを起こしてなかったんですよねやっぱり。だから何も変わってなかったと思います、多分。本当に。

自分がただこじらせただけで、私が世に打って出したいものがあったとかいうわけじゃないんですよね。何がしたかったってわけでもないし、それこそ本当にただただインタビューを受ける人になりたかったっていうだけの話で。本当に何もなかったんですよね。
何もしてなかったってわけではないんですけど、でも別に毛が生えたぐらいしかなかったんで、多分何も変わってなかったと思います。いずれやってきたことだと思います。

むしろ、一旦普通の人間だっていうことを認めたんで、ただこじらせた人に、いや、まだこじらせてるのかもしれないんですけど、大幅にこじらせなくてよかったかもなと思ってるくらいですね。

あるく:もう一つなんですが、今年は離婚だったり色々といい変化があったっておっしゃってたと思うんですけど、もしその今年のいい変化がなかったらどういう人生になってたと思います?

てぬたん:もう目に浮かぶようです、多分今私は布団に入ってゲームをしていると思います。
何も変わってなかったと思います。月に1回、メンタルクリニックに行き、お布団でゲームをし、ちょっと起き上がって洗濯をして。
そんな感じだったと思います。だから、なんで仕事探そうと思ったのかも全然覚えてないし。

自分が何でそうしたかもちょっと今思い出せないんですよね。ていうか特に何も考えてなかったと思うんですよね本当に。だから、やっぱりあんまり物事考えすぎるると良くないことになるんだなと思って、もうこれからは何も考えずに、思いついたことだけやってこうと思って。

あるく:未来でこれだけは達成したい、やりたいとか、てぬたんさんご自身がこういう自分でありたいみたいなのってあったりしますか?

てぬたん:基本的に自分のことって結構好きなんですよ私。
いいやつだなとは思ってないんですけど、なんか好きだなと思ってる。割と自分のことを信用してはいるんです、いろんなことにおいて。
だけど、多分結婚してた中で、それをなくしてしまってたんですよねちょっと。だから、死ぬまで自分好きでいてほしいなって思ってるんですよね。

その時々で変化することあると思うんですけど、好みとかいろいろ。だけど、自分のことを信じてあげてほしいなって思うし、自分のことを好きでいてあげてほしいなって思ってますね。それくらいかな。

あるく:何か最後に言い残したこととかありますか?読者に対してでも、自分に対してでも。

てぬたん:台湾の桃太郎みんな見てください。

ちょっとどこで見れるか、前アマプラにあったような気がするんですけど。新桃太郎だったかな。なんか忘れちゃったんですけど、確か新桃太郎だったと思うんですけど。

※アマプラになかったんでウィキ見てね(てぬたんより)

みんな見てほしいかなって思います。私の原点、原点だ。嫌な原点だな。
面白いですよとも絶対言わないですけど。私がちびっ子の頃に毎日見てたんで、みんな見てほしいかなと思います。クリスマスキャロルは見なくていいです。

あるく:他には無いですか?

てぬたん:今全然何もしてないんですけど、写真のアカウントがあるんで、フォローしてくださいかな。写真を趣味としているので。
ちょっと今年は全然、なんやかんやいろいろあって写真撮れなかったんですけど。
みんな見てねってくらいかな。

あるく:記事に添付しますね、リンク。

てぬたん:ぜひぜひ。以前もしていただいたんですけど、なんかちょっと用意します。

あとがき

クリスマスキャロルが嫌いだというお話は自分にとってすごく衝撃的で、きっと私は今後もこのお話を思い出す瞬間があるんだろうなと思いながらお話を聞いていました。
4、5歳の凄く小さい時に、既に無償の愛への嫌悪感を感じていたこと、クリスマスキャロルという映画を見て、ミッキーやドナルドといったキャラクターやクリスマスという雰囲気に流されずに無償の愛というテーマを自分の中で見つけていたこと、自分にとって凄く新しかったです。

でも、家族、とか無償の愛、というものに嫌悪感というか、得も言われぬ感情を抱いている方のはずが、なんだかずっとてぬたんさんから大きな包容力というか母性みたいなものを感じていたのが不思議でした。なぜでしょう。

あとは「個々が家族っていうものに取り込まれてるなって感じ」とか「期待ゾンビ」とか、考え方も、てぬたんさんから発せられる言葉も私はとても好きでした。てぬたんさんらしさっていうものがしっかりと感じられて、考えることがきっと好きな方なんだろうなと勝手に感じていました。

「嫌だったことは全部終わった。楽しみ」って言葉を聞いて私までなんとも言えない気持ちになりました。本当に、よかった。
お気に入りの家具がお家に並んで、てぬたんさんとお子様の生活がますます楽しいものになりますように。

【インタビュー・編集・あとがき:あるく】

#無名人インタビュー #インタビュー #離婚 #クリスマス・キャロル

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