ベイビー・ドライバー

2017/8/22 ☆5.0
2017/8/25 ☆4.5
2017/8/28×2 ☆4.5
2017/9/2 ☆4.5
(ネタバレ有ります)

現時点で5回見たんだけど、さすがにもうこれ以上は見ないだろうなと思うので、ここらで書いておきます。

初回の感想から。
なんだこれ。こんな映画があるのか。
アクションでクライムでミュージカルでラブストーリー。
OPの気持ち良さ。僕もベイビーのように街中をノリノリで歩きたい。
B-A-B-Y baby.と言ってブラックコーヒーを買いたい。
アンセルの童顔具合と役柄的にそんなに背は高くなさそうなのにめちゃくちゃスタイルいいし(実際191cmあるそうだ)、あんな風に迎えに来られたら落ちるなあ。
車がまるで生きているように走るから、これがほんとのカーアクションか!などと思った。
初回はとにかく圧倒されて考察のこの字も出ずに興奮しながらパンフを買い、何処へ行っても売り切れのサントラにしびれを切らしてダウンロード版を購入した。

2回目は俳優を堪能。

3-4回目は考えながら見た。
初回から郵便局員のセリフはしっかり回収してるなとは思ってたんだけど、一番はじめのミーティングでベイビーが赤いサングラスをかけ直してふっとばされる。
「その手がいつか血に染まる。そうなったらもう戻れない」そう言われて赤いサングラスが地面に落ちる。
ベイビーはそれを拾わず、見もせず、新しく3つ目のサングラスをかけるけど、これはこのあとベイビーの手が血に染まる暗示だろうか。
白黒の映像は彼の夢だと思うけど、最後の白黒は徐々にカラーになっていく。
郵便局員のセリフを回収するなら、あのカラーの場面ではしっかり虹がかかっているし、ベイビーの人生も雨が降ったあと虹がかかったんだ。あれは夢じゃなくて彼の未来で、白黒のままじゃなくてしっかり色がついて本当に起こることなんだ。きっとハッピーな未来が待っているんだ。
と思った。
けど5回目を見てこれらを思い出した時、最後のカラーは観客とベイビーとデボラの夢だったんじゃないかという気もしてきた。
「そうなったらもう戻れない」彼らも見ている僕たちも誰もが望んでいるけど、そうならない。ララランドのような。ララランドはそれが描写されているけど、こっちはそれが描かれていないだけなんじゃないかって。

ベイビーのサングラスが片方はハマったままなのも気になった。
殴られて。落ちて踏まれて。
あれは彼の良心を表しているように思える。
レンズが両方とも外れてしまっていたら、ベイビーはバディとあまり変わらない人間になってしまっていたんじゃないかな。
彼がかろうじて最後まで"良い人間"でいれること。

ベイビーがデボラと一緒にいるときだけは耳鳴りがしないのもいいよね。
そもそもイヤホンって、自分の、自分だけの世界を構築している証で、それが余計に周りを煽っているようにも見えてしまう。バカにしているみたいな。
彼が冒頭でそもそも惹かれていたってのもあるけど、デボラに心を開いたんだ。
正直デボラは何もしてないと思う。
でも彼の素性を知っても離れなかったのは素晴らしいな。

一貫して好きなシーンは、コインランドリーと背伸びしたデート。不動の一位はタイトル後のOP。

愛を失い復讐に燃える男と、愛を守るために暴走する男。
どちらも人間臭くて良いよね。
バディは悪役だし、罪をなんとも思ってないから実際"悪いやつ"なんだけど、ダーリンが死んでどうしたら良いか分かんなくなっちゃったんだよ。
未来が見えなくなっちゃったんだよね。

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