甘い夢に溺れたい
甘い夢に溺れたいんだ

長ぐつ型のメロンソーダに弾けるような
刹那の時を味わいたい

こんがり焼けたデニッシュ生地の上で
バニラアイスはとろけ落ちて
舌鼓を打つ君の表情も
それと同時にとろけきっているような
甘い時を味わいたい

雨上がりに虹が架かるような
気分の変化を味わいたい

夕暮れ時に歩く帰り道
別れた君のことを想う時に
ふとついさっきのことを考えて
また会いたいと恋しくなるような
切ない時を味わいたい

夜更けに明日を思うような
あの興奮を味わいたい

寝れずに画面に向かってしまって
ふと声が聴きたいだとか
思った矢先にメッセージを飛ばす
いてもたってもいられないような
焦燥感を味わいたい

誰かを想うその時は
決まって夢に溺れている

何もかもに浮き沈み激しく
弾むようなその夢は
時にきらきら輝いて
淡く切なく光るから
甘い夢に溺れたいんだ

#詩
#自作詩
#詩形詩吹