ブルーライト
昔はどうだったのだろうか。
暮らしの中で人に恋して
腕に抱かれて揺られながら街を歩き
あの人の好きなタバコの香りに燻され
輝く灯りの下でキスをする。
そんな情緒に溢れた歌も
今ではあまり聞こえなくなった。
今は灯りが絶えなくなった。
宵闇に空が染まっても
街の灯りは決して消えない。
揺れるイヤホンから流れる音に
思い出すのは好きだった君と
君が好きだったタバコの名前。
溢れ出す光によって
人々の生活は充実したものの
人と人の距離は縮んだのだろうか。
街の灯りがとても綺麗で
好きな人と寄り添えた昔と
街の灯りはとても綺麗で
だけどなんだか寂しい現代
何が変わってしまったのだろう。
ブルーライトの海で恋した昔と
ブルーライトの海に恋した現代
同じ言葉のはずなのに
なんでこんなに遠いのだろう。
なにがよくてなにが悪いか
その全てを決めはできないけれど
今も昔も想いの先に
変わらず溢れるブルーライト。
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