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詩ことばの森(59)「ぼくの生まれた町」

ぼくの生まれた町

ぼくの生まれた家は
小さな町の
小さな家だった

そこは幻みたいに
静かな町だった
なぜだか夢を
見ていた気がする

生きている実感は
朧気だった
どこかで嘆きの声が
きこえていた

どうしようもない
思い出だが
年を経た今ごろになって
なぜか心に浮かんでくる

どうしようもないぼくの
どうしようもない日々よ

ふたたび幻のように

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