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勘がいいのは幸せ?それとも不幸せ?

昔から勘がいいとか、uniの野生の勘とか言われてきた。

勘がいいってどんなことを指すのか。

私は正義感だけは強い愚かな子ども時代をひきづって大人になっただけなのかもしれない。

中学生の頃、ヤンキーに憧れて見た目だけヤンキー風な先輩が私たち後輩たちに向かってこう言ったことがあった。

『あんたらさぁ、言いたいことがあるならハッキリ言いーな。怒らへんから!』

嘘つけと私は心の中で毒づいた。

『あのさ!◯◯とかは私らから見てもちゃんとやってる思うねんな。』

は?◯◯とかって、先輩の好きな年下の男子の幼なじみやん!

こないだ『あんた彼と知り合いなん?なぁなぁ、紹介してくれへん?』とか頼んでたのこっそり聞いたわ。

◯◯は、『いいですよ!先輩のためなら!』とか言って調子合わせてたやろ。知ってるねんで、私は。

こういうのあかん、私。

みんなが黙ってる中で『ハイ!』と手を挙げる私。

みんながギョッとして私を見るのがわかる。

あかん。uniがキレた。

友人たちの視線を感じるが、もう無理。

『なんよ、uni!』

そのヤンキーに憧れて見た目だけヤンキー風な先輩は威嚇するように睨んできたが、知るか!

『あの!先輩たちは用事があるって部活帰りますけど、私たちが本当に用事がある時や体調が悪い時に休みたいって言っても絶対に許してくれないですよね?』

『なっ!なんよあんた‼︎わ、私らはホンマに用事あるんよ!アンタらはサボりたいだけやろ‼︎』

顔を真っ赤にして怒る先輩。

怒らへんゆーたやん。やっぱウソかよ!

本当のこと言われて怒る年上の人を見ながら言った。

『サボりたいだけってなんでわかるんですか?』

『……。』

『嘘って決めつけないでください。それから先輩は怒らへんから言いたいことを言えといったから私は本当のことを言いました。』

『……。』

ヤンキーに憧れて見た目だけヤンキー風な先輩は沈黙したあと、『わかったわ!そこは悪かったわ!』とキレながらではあるが結構あっさりと謝ってくれたのだった。

『やった!uni‼︎何なん、あの先輩!めっちゃヘタレやし‼︎』

ずっと怖がって黙っていたのに、急にそんなふうに先輩をコケにすることをシャーシャーと言い出すヤツもいたし、

『uniありがとう‼︎言いたかったこと言ってくれてスッキリしたー‼︎』

素直にそんなふうに言ってくれる子たちもいた。

学生の頃バイトしていたハンバーガーショップでも似たようなことがあった。

店長はええ格好しいのケチな人で、自分に逆らわないイエスマンだけをいやらしいやり方で特別扱いしていた。

副店長はすごくいい人で、鈍臭いヤツもデキるヤツもみんな纏めて面倒を見る人で、誰に対しても公平さを忘れない人だった。

いつしか店長派、副店長派みたいにバイトが分かれていったが、店長の人柄の悪さに気づき始めた店長派はどんどん人柄の良い副店長派に鞍替えしてきた。

最後までたった一人だけ店長に引っ付いて媚びを売ってる先輩がいた。

『なんでなんやろ?』

バイト仲間はみんな不思議がったが、私は何となく感じることがあった。

店長は人望が哀しいくらいにないが、副店長は誰からも愛されている。

店長が持っていて、副店長にないもの。

それは。

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