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美味しすぎて。

わが家のJKドカ弁はただいま学期末テスト真っ只中である。

お昼には帰宅するので私は曲げわっぱドカ弁作りから解放され、6時起きから7時起き。朝の1時間は大きい。

おかげで就寝時間が1時間遅くてもよいのは嬉しい。

お昼過ぎに帰宅したドカ弁。

『もやしとニラがたっぷりの味噌ラーメンか粕汁の残りにうどんを入れて青ねぎと一味をたっぷりかけたの、どっち?』

曲げわっぱドカ弁の代わりにuni食堂のメニューA、メニューBを提案してみたのである。

メニューA


メニューB


悩みに悩んだ末、『Aのもやしとニラたっぷりの味噌ラーメンで!』の注文が入った。

自転車で25分かけ、冷たい風の中を帰ってきたドカ弁は熱い麺類が食べたかろうとメニューA、Bともにあったかメニューを用意していたのだ。

出来上がった味噌ラーメンを食べ始めるドカ弁。

『美味しすぎか‼︎美味しい‼︎uniさん、ウチの学校の食堂に来てよ!で、全メニューウチの家のごはんにしようよ!友達みんながウチのごはんは美味しすぎるってゆーてるよ‼︎』

インスタントラーメンに野菜と調味料を加えただけのメニューAはえらい褒められようである。

しかし。

リビングを見渡してみると。

リュックや手袋が床に放り出され、制服一式はソファーに引っかかったまんま。
おまけに駆け付け一杯のファンタグレープとグラスが放り投げられている。

『ちょっとドカ弁‼︎なんであんたが帰ってきて10分足らずで家がこうなるわけ⁉︎』

たまらずそうぼやく私にドカ弁はこう返事したのだ。

『ゴメンて!美味しすぎて今は無理‼︎食べ終わったら片付けるから‼︎』

食堂のおかんに究極の殺し文句を言い放ち、ズルズルとラーメンをすすっている。

そう言われたらなんか嬉しいやないの。

『美味しすぎか‼︎』

このひとことでクックおかんに全て押し付けることができると思っているようなのである。

食べ終わったらすぐさまこたつへGOのドカ弁をこたつから引きづり出し、洗い物をするよう言った。

お尻を掻きながら口を3の形にしつつ洗い物をするドカ弁。

『よし!ドカ弁次はテスト勉強やな!』

そう言うや否やガーッとダッシュで二階へ逃亡をはかったのだ。

『ゴラァ!ドカ弁‼︎』

そう階下から叫ぶと。

『美味しすぎのせいや‼︎眠すぎか‼︎』

毎度ながらの何が何やらの切り返しが返ってきた。

リビングに脱いだままの制服をハンガーにかけて二階に上がって行くまでわずか1分たらず。

ドカ弁の部屋を開けると。

爆睡しとるやないかー!

のび太といい勝負なのは間違いない。

#エッセイ

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