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JSゆるふわを目指す。

「ママ〜見てちょうだい‼︎」

風呂上がりに部屋に篭ったかと思えば叫びながら階段を駆け下りてくるJSちゃっかり。

「なに?またFaceTime?」

「違う!コレよ、コレ!」

自分の頭を指差して一回転する。

「逆毛にして結んでみたの‼︎」

またか、ちゃっかりよ。

女子小学生向けファッション雑誌「JSガール」などを見ながら、モテ髪だの、モテアイテムなどの研究に余念がない。

「今日は髪が乾き切らないうちに全体を三つ編みにしてから櫛で逆毛を立ててゆるふわ髪にしてみたの‼︎」

「ふーん。」

反応が薄い母に言っても仕方ないと思ったのだろうか。。

今度は父スナフキンの所に行き一回転。

「パパ、逆毛にしてみたの‼︎」

「ほぉ〜!かわいいなぁ!ドカ弁なんかアホ毛しか立ってないぞ〜!」

よしよし、かわいい奴めと頭などを撫でて幸せそうにしているバカ親、スナフキン。

やっぱりパパじゃないとねっ!

そんな顔でニヤリと私を見て笑い、再び部屋に帰っていくJS。

先日も少し書かせてもらったが、卒業式に着る袴のことで頭がいっぱいのようなのである。

袴に似合う髪型を研究しているようであるが、美容院の先生に「ちゃっかりちゃん、髪はおろして大きなリボンをしようか?」と言われていて、アップにせずにどうやったらかわいい華やかさを演出できるのかを悩んだ結果、ゆるふわに狙いを定めたようである。

袴の着付けとレンタル料が高い!キツイ!入学式までに一体幾らかかるの⁉︎

ちゃっかりの同級生のママに出先で会うたびに皆が同じことを言っている。

親の苦労は子らには全く響いていないようなのは、どこのお宅も似たようなものらしい。

ウチは長女JKドカ弁が去年中学を卒業したばかりなので、だいたいの事はもうわかっているが、初めてのお子さんを入学させるお母さんたちは色々不安も多いらしい。

「ねぇuniさん!ジャージって2組で足りるの?」

「鞄が3種類あるよね?ボストン、ショルダー、リュック。これ全部買わなきゃダメ?」

入学準備あるあるの質問ばかりである。

しかし、ちょっと待てよ。リュックってたしか子どもたちが「いけてない認定」したことが原因で廃盤になったと4年前ドカ弁が入学準備の時に業者から説明があったはず。

作っても売れないからもう作っていないと言っていたのだ。

「あれ?リュックあった?たしか子どもらに不人気で廃盤にしたって言われたよ。」

「あるある!プリントに書いてあるねん!」

あぁ、そうなんや。リュック再販の希望の声があったのかな。

そんな話をして家に帰ると、ちゃっかりが小走りにやってきて言うのだ。

「ねぇ、リュックがいいよ!リュックだよ、みんな!」

えっ⁈あんたもリュックの話題かい?

ボストンタイプの鞄は3年間メインで使うからボロボロになるが、ショルダー型の鞄はテスト期間で部活の荷物がない時しか使うことがなく、まだ綺麗なまま。

ドカ弁のお下がりを使っても十分だと思っていたらまさかのリュック人気。

AKB風のスーツもドカ弁が卒業式にたった一度着ただけでクリーニング済みなのに、時代は袴ブーム。

たったの4年。もう4年と言うべきか。

移り変わる流行に振り回されてフラフラである。

ひょっとしたら。

指定カバンは3歳、4歳違いの兄弟や姉妹にリサイクルさせない対策を取っているんじゃないだろうか?

「あぁ、ショルダーは今不人気でねぇ。リュックが人気なんですよ!!」

今年度はひょっとしたら在庫からリュックを持ち込み、こんなふうに言われるのかもしれない。

それにしても。

AKB風のスーツが流行おくれになり、イケてなかったリュックが今キテるのか。

数年後は袴が流行おくれになり、イケてなかったショルダーの時代になっているのかもしれない。

#エッセイ


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