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なんちゃってライターが荒らしていった畑

※有料にしてますが最後まで読めます。お代は見てのお帰り方式♪

さぁ、今回は「報酬」の話です。といっても、難しい話じゃありません。
アーティストやクリエイターにとってお金の話って結構しにくいところがありますよね、って話です。
私もフリーのエディター兼ライターだったのでよく分かります。
最初にお仕事の話をいただいた時に「ギャラはいくらですか?」ってなかなか聞けないもんです。
フリーライターも自営業だから聞かなきゃいけないんですが(編集の場合はカメラマンやデザイナーに仕事を振る関係上、予算を聞いておかないとやばい)「最初にお金の話をしたら印象が悪くなりそう」って思いがちですよね。
で、最後まで聞けないままお仕事しちゃって、ギャラが振り込まれてから「えっ!あれだけ無理したのにこれだけしかもらえない仕事だったの?」ってこと現実にたくさんあります。
「最初からギャラが安いって分かってたら手を抜く」とかじゃありませんよ。
でも、最初にちゃんと報酬額を聞いていたからって理不尽なことは往々にしてあります。追加料金を請求したくなるような無理難題が山のように来る場合です。でも結局、お値段据え置きですよね…よね…よね…… ←エコー

そのギャラも時代や業界の事情によって基準額がどんどん変わります。
出版業界が傾いて何年経つでしょう。
雑誌だと、とっくの昔に1ページ1万円は切っていますよね。
予算もどんどん削られるし、経費なんて出ません&落ちません。
編集プロダクションからお仕事いただく場合は「孫請け」になりますから、編プロも無理してて儲けがほとんどないし、こちらもキツキツです。
子と孫が肩寄せ合って泣いてる感じです。
編プロの板挟みも分かるだけに怒りの矛先さえ分からなくなります(ホントは分かってるんだけどね!)。

3年ぐらい前の話です。
同業者で仲の良かったフリーエディターの友人からいきなり「聞いてくださいよ!」と電話がかかってきました。
友人「とんでもない安値のギャラが提示されましたよ!」
私「誰に?」
友人「よく仕事をお願いするカメラマンさんです。とある出版社が雑誌の巻頭カラーグラビア8ページの仕事をカメラマンに依頼したわけですよ」
私「巻頭カラーグラビアだと良いお仕事だよね。お値段もいいし。花形な感じ♪通常だと1ページ3万はかたいかなぁ~。もっとするかな。それがページ2万になったとか?」
友人「違います!いいですか?巻頭カラーグラビア8ページでまとめて、全部で5千円です!」
私「ええーーーっ!」
友人「1日撮影で拘束されて、5千円ですよ!交通費とか経費なんて一切出ません。込みです!」
私「他のバイトした方がギャラいいんじゃない?」
友人「彼は妻子があるので、そんなギャラではちょっと…と言ったらしいです」
私「そりゃ言うよね。独り者の私でも言うよ」
友人「そしたら、相手は何て言ったと思います?」
私「値段を上げてくれた?」
友人「まさか!『じゃあ他に回す。いくらでも受けてくれるカメラマンいるから』って言ったらしいですよ」
私「いるわけないじゃん」
友人「それがいたらしいです。そのカメラマンが断って、違う人が受けたらしい…」
私「……(T_T)(ラララ~ラララ~言葉に~ならな~い♪)」

そんな予算もギャラも「あって、ないが如し」状態で、とんでもない連中を思い出しました。
俗にいう「なんちゃってライター」です。
韓流ブームが巻き起こった頃ですからもう6、7年前のことでしょうか。
ヤツらはエンターテイメント系の雑誌などで大量に湧いて出てきました。
プロのライターとしてのキャリアはゼロに等しいです。スキルとやらもありません(スキルって言い方も何なんだか…)。
ただ、異常なぐらいミーハーで、非常に調子が良く、あっけらかんとプロの仕事をかっさらうのです。
どっから入ってきたのかは分かりませんが、彼女たちの目的は芸能人に会うことです。
そして、必ずこう言うのです。

「○○さんに会えるならお金なんていりませーん!」

(○○には韓流スター、イケメソ俳優、バンド、男性アイドルなどの名前を入れてみてください)

いくら経験がなく、仕事ができないからって、「報酬」がいらないとは何事でしょう。
どんなに新人でも仕事をして報酬をもらわないとはかえって罪です。
いくら予算がないからって、そういうバカ素人を使う大手も何なんだ!とも言いたいです。
それでフリーの同業者が仕事を奪われまくって何人も辞めていきました。

彼女たちは取材対象者(芸能人)に会うと、仕事(取材)中にも関わらず、「自分」の話をします。
とある有名な韓流スターの記者会見(質問する人が予め決まっている)で横入りの質問でグイグイ入っていき、
「私ってぇ~、温泉がだーい好きなんですけどぉ~、私と温泉行くならどこがいいですかぁ~?」
などと、聞いてねーよ的な質問をします。

他のイケメソ俳優のインタビュー終了後にサインや2ショット写真は当たり前。その写真を無断でブログにアップします。
インタビューを起こした原稿で使わなかった部分をブログに無断二次使用。
それで、怒った芸能プロダクションが抗議し(当たり前じゃ)つぶれた雑誌は私が知ってるだけでも4誌ぐらいあります。
その雑誌は自業自得です。
そんな人間を「ギャラがいらない」「安上がりだ」っていうだけで使ったのですから。
最近では「なんちゃってライター」ももういなくなったのかもしれませんが、散々荒らされた畑はそう簡単に元には戻れません。

さぁここで!経験がないから…思ったようなものが作れなかったから、報酬は受け取れないと思う謙虚な人もいるかもしれません。
でも、そこは踏ん張って、腹に気合い入れて、無理してでも受け取ってください。安くても受け取ることが大事。
ここはカタチから入ったっていいんです。
「入れ物が中身を形づくってくれる」場合だってあると思います。
報酬に見合うように頑張ろうと思う人も多いでしょ。
作品の価値って難しいですよね。
お値段の基準なんて誰も分からないだろうし。

現在のところ、私だって[note]でアップするノートは正直「読んでもらえるだけでもありがたい」と思っています。
だって、小説を読んでももらえないこと多かったんだもん。
でもね、だからこそ有料にしたノートを購入してもらった時の感動ったらなかったです。
「有料に見合う内容にもっとブラッシュアップしたい」「満足してもらえるものを書きたい」と思ったわけです。
「悪いな~」「いいのかな~」と思ったら、作品で恩返しすればいいのですよ。持ちつ持たれつですね。
購入者に直接恩返しできなかったら、今度は自分が若手の作品を購入して応援すればいいじゃないですか、いつかね…。

というわけで今回は「仕事したのに報酬はいらない」という罪な人たちのお話でした。
悪口に読めちゃったら申し訳ない。読後感良くないかな。でも、事実なので悪口とちょっと違うと思いたい。
反対に「絵描くの得意なんでしょ?1カットで小さいし、ちょっちょっと今描いてみてよ」と平気でノーギャラで描かそうとするヤツらにはキャメルクラッチかけてやりたいと思う土曜の深夜なのでした。
(終わり)
※こんな内容だからって、無理に投げ銭しなくても大丈夫っすよ〜。
私もまだ購入できない経済状態なのでお互い様だし。持ちつ持たれつ♡
購入してくださった方にはいつかご恩返しができたらいいなぁ〜♪

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