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The Chemical BrothersのMVを語りたい休日

台風が近づいているらしい不穏な天気の日は家にこもってYouTubeに限る。
そんな暇を持て余した神々にはThe Chemical BrothersのMVを見る事をオススメしたい。

The Chemical Brothersとは

The Chemical Brothersは1989年にイギリスのマンチェスターで結成されたエレクトロニクス系の音楽ユニットである。Discovermusic.jpの記事からも分かるように、世界を代表するユニットで、革新的で脳が溶けるような刺激的な楽曲と圧倒的迫力のライブが特徴にある。そんな中本日は彼らの魅力を、音楽からではなく、ミュージック・ビデオに目を向けて語っていきたい。YouTubeの準備よし!

1.Elektrobank(1997)

The Chemical Brothers初期の作品の一つである『Elektrobank』は彼らの現在までのミュージック・ビデオの原点といえる作品になっていると感じる。内容は一人の女性新体操選手の一連の演技を、セリフやスローモーションを使用しながら映画のように展開する作品となっている。エレクトロにヒップホップテイストのスピード感溢れる楽曲とのリンクが楽しめ、新体操選手の演技はまるでアクション映画の主人公のようにみる事ができる。また、うねうね(?)している新体操の動きは、彼らの楽曲のもつあやしさと共存することで、異生物のような若干の気持ち悪さも感じる事ができるのではないだろうか。彼らのミュージック・ビデオにはブレイクダンスやジャズ、創作ダンスなど、多種多様なダンスが使用される。ダンスと彼らの楽曲に共通する非現実的な世界観の融合を是非楽しんでもらいたい。
・個人的に好きな所
→ライバルちゃん(黒いレオタードの子)のえびせんみたいにテカテカした前髪

2.Star Guitar(2002)

映像作家ミシェル・ゴンドリーが手掛けた、「Star guitar」は今世紀のミュージック・ビデオにおける超名作。「すごいミュージック・ビデオ」で検索するとたいていこれが入ってる気がする。一見すると、流れる景色と音楽だけで構成されたシンプルなミュージック・ビデオに見える。しかしよくMVを見て、よく楽曲を聞いてみてほしい。すれ違うビルや電柱等周りの景色の要素は全て音楽のリズムやメロディにリンクしている事が分かるだろうか。目と耳、両方から楽曲を楽しむ事ができるこのミュージック・ビデオは、楽曲に浸れば浸る程凄みを感じる事ができるだろう。ミシェル・ゴンドリーの頭の中、どうなってんのすぎる。ちなみにオブジェが出てくるときに画面を触ると音ゲーっぽくなって楽しい。
・個人的に好きな所
→初見でしか味わえない「あれ?これ音とリンクしてない?え、やば」という衝撃
→2:30くらいででてくる山

3.The Boxer(2005)

急にボールが重力フル無視生命体と化すミュージック・ビデオ。自由過ぎるボールのバウンスが楽曲のリズムとあっていてすごく気持ちいい作品。赤いテレフォンボックスの中で破裂するオチも、ドキドキして面白い(テレフォンボックス頑丈すぎないか?)。私は特に2:15位に主人公の男の子がバッグで捕まえようとするもボールに翻弄されてしまうシーンがお気に入り。ギターの唸りとバッグの紐の唸りが連動していて躍動感があり、男の子がこの曲を演奏するアーティストのように見えないだろうか。
・個人的に好きな所
→男の子の髪型
→町の人達の反応が意外に薄いところ

4・Midnight Madness(2008)

とにかく踊ってパルクールなアグレッシブ系ギラギラ生命体の一夜の物語。ギラギラした全身タイツと宇宙人らしい顔のマスクが絶妙に気持ち悪くて、かっこいいダンスなのにちょっと引いてしまう。特に首が反対に回るシーンはエクソシストを彷彿させる。CGもおそらく使用されていると思うが、CGと現実の境目が曖昧でこれもまた気持ち悪い。しかしブレイクダンス、ロボットダンス、パルクール、全てこなす事ができるなんて、ただの気持ち悪い生命にしておくには少々惜しい。
・個人的に好きな所
→短くてびよびよした尻尾。引っ張りたい。

5・Go(2015)

黒の全身タイツにグレーのショートサロペットという最先端すぎるファッションの7人の女性が2本の棒を持って規則的に歩くミュージック・ビデオ。あまりにも一糸乱れぬ行進でもはや簡単そうに見えてしまうがそんな人には一度運動会での二人三脚の難しさを思い出していただきたい。少し歩幅や呼吸、もも上げの高さが違うだけで、すぐに足がもつれてしまわなかっただろうか(私はかなり苦手だった)。2人だけでも難しいのに7人であんなにスムーズに動けるなんて,,,見れば見るほど感動してしまう。勇志で7人集めてやらせたい。勿論私は監督で。
・好きな所
→帽子かわいい

6・MAH(2019)

ライブ映像をもとに作成された作品。「我慢できない」と連呼する白い謎怖キャラクターに熱狂するファン、一体感あるライブではあるものの、まるで一種の宗教団体の演説シーンのように見えて私はめっちゃ怖いと感じてしまった。
・好きなところ
→この曲、エレクトロニックで激しい中にどことなくファンキーさがあってかっこいい!上がる!

7・we’ve Got To Try(2019)

ロードレーサーワンちゃん育成計画ドキュメンタリー。まるで映画のようなクオリティの高さで作られていて一度見たら最後まで目を離さずにはいられなくなる事間違いなし。人間になされるがまま車を操作するワンちゃんが可愛い。ちょっとかわいそうだけど。
・好きなところ
→ワンちゃんの表情

8・Go To Keep On(2019)

このミュージック・ビデオの魅力の一つは細かな編集がダンスの効果を高め、楽曲にさらに引き込む力を強めている事である。ミュージック・ビデオではまずカラフルな衣装を着た男女が2列になって踊り合う、通称「ラインダンス」という構成からスタートする。一見ただ踊っている様子が流れているように見えるが、よくダンスを鑑賞すると、0:24の2人のように、ダンサーのとるリズムに合わせて肩や髪など一部がスピーカーのように揺れる編集が施されているのが分かる。他にも、細かい速度編集も随所でされており、見ている人に対して音楽のリズムに引き込む印象を強めているように感じる。
後半、白い物体にダンサーが飲まれていく場面からはがんがんCGを使っている事が分かるが、前半部分の奇妙な違和感は何度も注力して見ないと気が付きにくいかもしれない。何度も見返して、アハ体験を楽しんでもらいたい。
・好きなところ
→メガネ片腕うねうねニキ(0:24)

ここまで8本のミュージック・ビデオを紹介した。どの作品も斬新で映画的、かつ彼らの楽曲との調和を感じる事ができる面白い作品ばかりであることを感じていただけただろうか。ミュージック・ビデオを見る事で彼らの楽曲を耳だけでなく、目や感覚からも楽しんでもらいたい。
さてそんなthe chemical brothersは、なんと今年2023年9月に新しいアルバムをリリースする。アルバム内にあるLive Again Ft.Huloはミュージック・ビデオも公開されているので是非チェックしてもらいたい。彼らのますますの活躍に注目。


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