卵白を使った離乳食の上手な進め方を現役子育てママが徹底解説!


食物アレルギーの原因になることが多い卵は、離乳食では特に気をつかう食材のひとつです。そのため、離乳食での卵の食べ進め方にお悩みの方も多いのではないでしょうか。特に、卵アレルギーの主原因である卵白を与える時には不安な方も多いでしょう。
 
 実際、卵白は、離乳中期(生後7~8ヶ月頃)に卵黄を1個分食べられたら開始時期の目安です。
 
 本記事では、卵アレルギーの主原因である卵白に特化して、離乳食で卵白を与え始める時期やその進め方、注意したいポイントなどをご紹介します。

卵白を使った離乳食の食べ進め方は?


 離乳初期(生後5~6ヶ月頃)になると、母乳やミルクだけの栄養だけでは足りなくなります。卵は体内で生成できない必須アミノ酸が全て含まれるたんぱく質の他、ビタミン、ミネラルなども豊富で、栄養価の高い食品ですので、アレルギーを過度に不安がらず、離乳食に取り入れてみましょう。
 ここでは、離乳食で卵白を与える時期やその進め方をご紹介します。

食べさせるのに適切なタイミングは?

 卵白は、卵黄を1個分食べられるようになったら開始します。卵黄の進め方と同様に、卵白も熱湯で20分間ゆでて、1さじ分から試し、少量ずつ増やします。卵白が食べられるようになってきたら、全卵もあげてみましょう。食べられる分量が増えたら、いろいろな卵料理を試してみてください。離乳完了期には、全卵1/2~2/3個程度食べられるようになっています。
 
 1回で卵黄を1個分が食べきれないときは、無理に食べさせる必要はありません。メニューを変える、2回に分けるなど与え方に工夫をしてみましょう。また、食べる量は日によっても異なりますので、赤ちゃんの様子を見ながら進めてあげてください。
 
 また、月齢に合った目安量に沿っていさえすれば、卵を毎日使っても問題はありません。しかし、魚や肉、豆腐や乳製品など他の食材にも、卵からは摂りづらい栄養素が含まれています。卵は3日に1回程度を目安に、さまざまな食材をバランスよく食べさせてあげましょう。

中期(モグモグ期: 生後7~8カ月頃)

 2回食が始まる離乳中期に、卵黄を1個分食べられたら、卵白も始められます。卵白を固ゆでにし、1さじの量から与えてみましょう。赤ちゃんの体調に問題が起きなければ、全卵でも与えてみます。この時期に目標とする目安量は、全卵1/3個程度です。

後期(カミカミ期: 生後9~11カ月頃)

 3回食が始まる離乳後期には、全卵1/2個まで増やしてみます。かきたまスープや軽く潰したゆで卵などの食べやすいものを与えましょう。

完了期(パクパク期: 生後12~18カ月頃)

 離乳完了期には、3回食に加えておやつ(補食)も必要となります。この頃には、全卵1/2〜2/3個ほど食べられるようになっています。卵焼きや炒り卵などの卵料理、フレンチトーストなどもおすすめです。

卵白を使った離乳食のおすすめレシピ3選


 卵は栄養価の高い食材です。一方で、アレルギーの原因になりやすい食材でもあり、与え方や量には注意が必要です。ここでは、中期、後期、完了期の時期別に卵白を使ったレシピを1つずつご紹介します。
 卵白の調理の基本も卵黄と同様で、熱湯で20分間ゆでましょう。アレルギーの原因物質(アレルゲン)は、加熱によりアレルギーの症状を引き起こしにくくなります。また、食中毒を引き起こす可能性がありますので、古い卵の使用は避けましょう。賞味期限内の新鮮な卵を使用し、割ったらすぐに調理してください。

レシピ1(中期):固ゆで卵の白身ペースト

  ハンドブレンダーや電動フードプロセッサーを使用すると簡単に混ざります。

【材料】(お好みの個数分)
 ゆで卵の白身       お好みの個数
 だし汁(またはお湯)   卵白の倍くらい

【作り方】

  1. 固ゆで卵をつくり、すぐに黄身と白身を分ける (裏ごしはお好みで)。

  2. 白身とだし汁(またはお湯)をスープ状になるまで混ぜる。

  3. 硬そうなら再度だし汁(またはお湯)を加えて混ぜる。

スプーンですくって落とした時に、サラサラと落ちる程度まで混ざれば完成です!

保存方法について

 離乳食に使う卵白は、基本的には冷凍保存ができません。冷凍保存をすると、水分が抜けてゴムのように硬く、ブニブニとした食感に変化してしまうからです。
 しかし、完全なペースト状にすれば、冷凍保存が可能です。
 解凍は電子レンジで加熱して、1週間程度で使い切るようにしてください。
 
 冷蔵保存をする場合は、しっかりとラップをして冷蔵庫へ入れてください。離乳食に使う場合は、24時間以内に使い切りましょう。大人が食べる場合は、2日程度の保存が可能です。
 
 しかし、離乳食に使う場合は、新鮮なものを与えてあげるほうがよいので、毎回茹でるのがベストです。

レシピ2(後期):湯煎で作る卵そぼろ

 ジップ付きの袋に入れれば、冷凍保存が可能です。

 五分粥に混ぜれば、たまごそぼろ粥の完成です。

【材料】(4食分)
 卵     2個
 
【作り方】

  1. 大小2つの鍋、濡れぶきんを用意する。

  2. 大きな鍋で湯煎用のお湯を5cmほど沸かす。

  3. 小さな鍋に卵を割り入れ、さいばしを多めに(4本ほど)持ってたまごを溶く。

  4. 大きな鍋にお湯が沸いたら、小さな鍋を弱火で湯煎しながらかき混ぜてそぼろにする。

  5. 鍋底が見えてきたら、火から下ろす。

  6. 濡れぶきんの上に小さな鍋を置き、そぼろになるまでかき混ぜる。

レシピ3(完了期):きなこと豆乳のフレンチトースト

【材料】
食パン(6枚切り)      1/2枚
溶き卵           1/2個分
豆乳         大さじ2
きび砂糖       ひとつまみ
きなこ        小さじ1/2
油(またはバター)  少々

【作り方】

  1. 食パンは耳を除き、食べやすい大きさに切っておく。

  2. ボウルに溶き卵、豆乳、きび砂糖、きなこを入れて混ぜ合わせた卵液を作る。

  3. ボウルに食パンを入れて、卵液となじませる。

  4. フライパンに油を熱し、卵液となじませた食パンを入れて、両面をじっくり焼く。

卵アレルギーについての注意点

 


厚生労働科学研究班の報告によると、即時型アレルギー反応を起こし、医療機関を受診した0~1歳児の原因物質は1位が卵、2位が乳、3位が小麦で、1~3位で過半数を占めています。(厚生労働科学研究班による 食物アレルギーの栄養食事指導の手引き2022(「nutritionalmanual2022.pdf (foodallergy.jp)」より)
 
 つまり、食物アレルギーの原因になりやすい卵は、離乳食のなかでも特に気をつかう食材のひとつです。しかし、卵は安価で栄養価の高い食品ですので、下記の点に注意して、適切かつ積極的に離乳食に取り入れていきましょう。

卵を使った離乳食の開始を遅らせないようにしましょう

 2019年以前、離乳食中期(生後7~8か月)を目安に卵を開始することが、厚生労働省によって推奨されていました。しかし、卵を与える時期を遅らせても、赤ちゃんのアレルギー発症の予防にはつながらないと判明し、ガイドラインも改訂されています。
(厚生労働省 授乳・離乳の支援ガイド(2019年改訂版)「000496257.pdf (mhlw.go.jp)」)
 
 また、2016年の日本の国立成育医療研究センターの研究によると、生後6か月から少量の卵成分を食べ始めた赤ちゃんの1歳時点の卵アレルギー発症率は、食べなかった赤ちゃんの8割も少なかったとの結果から、卵成分の摂取が遅いと、アレルギーのリスクが高まると結論付けられています。「離乳期早期の鶏卵摂取は鶏卵アレルギー発症を予防することを発見 | 国立成育医療研究センター (ncchd.go.jp)」
 つまり、赤ちゃんに卵を与える時期を遅らせれば、本来必要となる栄養がとれないだけでなく、本当にアレルギーになってしまう可能性も高くなってしまうことが研究によってわかってきたのです。

 アレルギーを過度に不安がらずに、適切な時期に離乳食に卵を取り入れましょう。

新鮮な卵をしっかり加熱しましょう

 卵黄より卵白のほうがアレルギーの原因となる物質を多く含んでいますが、卵黄でアレルギーが発症しないわけではありません。卵は加熱処理によって、アレルギーを引き起こしにくくなりますので、固ゆでした卵黄から始め、卵白、全卵へと進めましょう。賞味期限内の新鮮な卵を使い、卵白も熱湯で20分間しっかりとゆでて、十分に火が通っているかを確認してください。賞味期限が過ぎた卵や半熟の卵は食べさせないことが大切です。

卵アレルギーと思われる症状が出たら・・・

 卵アレルギーは、すぐに症状があらわれることが多いです。卵を食べたあとは、顔や口の周り、からだに発疹が出ていないか、皮膚が赤くなっていないかをよく観察してください。また、下痢や嘔吐などを引き起こすこともあります。
 他の食材と同様に、卵黄や卵白を初めて食べさせるときも、赤ちゃんの体調が良い日、かかりつけ医が診察を行っている時間帯に食べさせましょう。アレルギーと思われる症状が出てきた場合は、すぐに病院へ連絡してください。

卵白を使った離乳食の上手な進め方


 本記事では、離乳食における卵白の食べ進め方をご紹介しました。
 卵は、他のたんぱく質と同様の離乳食初期(生後5~6か月頃)に卵黄からはじめて、慣れてきたら、卵白、全卵へと進めていきます。また、卵は安価で栄養価の高い食品である一方、食物アレルギーの原因になりやすい食材でもあります。新鮮な卵でしっかり加熱処理をしたものを食べさせてあげてください。症状が出てきた場合に備えて、かかりつけ医が診察している時間帯に試すようにしましょう。
 また、離乳食とアレルギーに関する考え方は日々変化しています。なるべく最新の情報を参考にし、不安がある場合は、かかりつけ医や保健センターに相談してみてください。
 卵は見た目や調理法などによって食べやすさが変わりますので、赤ちゃんの様子をみながら、さまざまな食材とメニューを上手く活用して、バランスよく食べさせてあげられるとよいですね。

≪参考URL≫
卵を使った離乳食の進め方・適量・タイミング・卵白の進め方 – ネスレ ヘルスサイエンス オンラインショップ (nestle.jp)
【管理栄養士が教える!】離乳食の卵(卵黄・卵白・全卵)の進め方!アレルギーや調理方法まで解説 – 冷凍幼児食 Tot Plate
離乳食の卵(卵黄・卵白・全卵)食べ進め方、量やスケジュールを解説 | 【楽天市場】 Mama's Life (rakuten.co.jp)
【離乳食インストラクター監修】生後4ヶ月での離乳食は早い?開始時期を管理栄養士が詳しく解説 - macaroni (macaro-ni.jp)
https://cookpad.com/recipe/7304344
卵(卵黄・卵白)を使った離乳食レシピ20選!初期〜完了期まで時期別に紹介!| ちそう (chisou-media.jp)
25021.pdf (fukuchiyama.lg.jp)
離乳食の卵白はペーストで冷凍しよう!保存の仕方を解説【卵白の進め方やおすすめレシピも】 - ニケの気まぐれ書店 (hagimochi-wisdom.com)
【2024年最新】離乳食「卵」の進め方。卵黄・卵白の量、時期、頻度 | 教師ライフナビ (kyouikuikuji.com)
鶏卵アレルギー|食物アレルギー研究会 (foodallergy.jp)
子どもの食物アレルギー 卵アレルギーや離乳食の進め方など - NHKすくすく子育てch
卵の食べ始めは生後6か月から:開始が遅いと食物アレルギーのリスクが高まります~離乳食とアレルギーの考え方が近年大きく変わりました - 保坂小児クリニック 枚方市香里ケ丘の小児科 (hosaka-kids.com)

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