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コーヒー焙煎ROVO開発記 v193 表示とダンパー制御

 記録を書いてもやったことがすぐに改良されて遷ろい行くわけですが、開発中に考えたことをかいてみるトライなので臆せず書きますよ。

 とりあえず動作の実態をYoutube動画で。ただし動画では実際に動いてるという提示だけで、大したことは言ってません。
 そういや一つ前の動画も案内してなかったっけ。一つ前の動画192

今回UPした193

お約束の開発ベースはこちら、焙煎モニターZEN。アマゾンでの解説ページ。愛すべき焙煎のお供に。手探り焙煎の終了。

 また、ここから下は考え方の話であって、実際の操作方法は完成後に改めてまとめるので、開発面に興味のある場合だけ読めばいいのではないかと思っている。今までの記事とかぶってる所多いがあえて書くことで開発中の考え方の修正がわかるようにしている。あと日本語が不自由なのでヨロシクオネガマース。

画面表示配置

 繰り返し焼くことを前提としたシンプルな表示が配置コンセプトだ。
 ZENと違って情報が多いので初見では意味がわからない数字も大きかもしれない。しかし初見でも意味がわかるように設計するのは大切だと思っている。
 予定情報と、リアルタイム情報と、あると参考にできる情報と、いくつも並んでいる。慣れてくれば一度に目に入る情報から取捨選択できるものだけれど、目が慣れるまでの時間が短いほうが良い設計といえよう。
  この作業は面白いことに自分で設計したものであるという意識を消してしまわないとセルフフィードバックができない。実装順とか、せっかく実装したから、変更がめんどくさい、十分理解できている、そういった制作中の意味を全部吹っ飛ばしてまっさらな初見の感覚で動かさなければならない。
 制作記を書いてしまうのは後のユーザーフィードバックを減らしてしまう可能性もあるのだが、ZENの場合もUIに関するバックなどほぼ無かったのでまあ良しとしよう。

画面表示の重要度並び順

 左に重要情報。派生した情報は右へ。対応した操作はその下へ。
 コーヒー焙煎時に必ず通過するのが生豆の投入だ。それに合わせて左が重要な要素となる。
 焙煎はノンストップで進み停止できないので思考の邪魔をすることは避けたい。それは自動化によって余裕を作ることが目的か、さらなる情報収集に意識を注入するためかに拘わらずだ。

温度、時間(重要度 大

 特に重要なのは温度と時間。
 これはグラフでもメインで表示の基本中の基本。今何が起きているか、ここまで起きたことを把握することからこの先の予測が常に立てられるのがモニタリングの意味。焙煎モニターZENの初代モデルから基本的な構造は継承してある。

ダンパー(重要度 大

 言わずと知れたダンパーの重要度よ。
 0から9までの10段階で毎分設定できる。予熱時と終了後の開度もSDカード内のプロファイルに記述できる。予熱はもちろんとして、終了後のサーボ位置は連続焙煎時の熱抜けを防ぐか素早い冷却を行うかで設定する場合もあろう。
 サーボの動作としては0度から90度に対応する。今のところ2桁の角度で表示しているが、1桁の表示に変えるつもりだ。細かくしたほうが良いだろうか?
 焙煎機との接続方法は焙煎機による。軸に合わせてもカム式にしてもよい。動画で言及しているが現在は煙突内部に装備した回転盤に軸を合わせて90度回す方式で使っている。
 過去、火力に合わせて自動に動く形式で実装してあったのだが、そろそろ全体の構成がまとまってきたので復活。動画ではカメラの数が足りないので昔のスマホを引っ張り出してきたせいで画質は最悪だが、まあとりあえずお披露目が出来た。

火力(重要度 中

 次が火力の数値表示。
 温度と時間を元に火力を調整するのは手動でも自動でも同じだが、動作を数値化するのが必要になる。
 制御したいのは温度の方で、火力を決め打ちするのは初歩的な段階から意味のないこととわかる。例えば「序盤は弱火で」などという環境と実温度を無視した無責任な指示だ。狙った豆温度への火力投入はON/OFFだけではない細かい管理が必要となる。
 設定温度はSDカードに入れたプロファイルを目標にしており、明らかな温度超過の際は自動で消火しドラムの予熱でドライブされることとなる。
 また火力が特に影響を及ぼす焼き方があり、それが直火焙煎だ。この野趣のある焙煎方法は今まで自動化されにくく、火力表示があることで味付けの細部をコントロールできる可能性が高まった。もちろん熱風式、半熱風などはドラムによる熱緩衝があるので金属体の体積により挙動は変わる。
 ちなみに豆が同じ量なら薄いドラムの方が直火に近いクイックな操作が可能であるので、動画でよく提示しているようなRoRを急変化させるような動作はやりやすい。そこら辺は焙煎機の選定によるのでここでは追求はしない。
 サーボの接続がなければ単なる焙煎モニターとしての機能を有する。

RoR( 中

 火力操作を決定するためにもう一つ必要な情報としてのRoR。
 温度上昇率は現在の温度を決定する要素でもあるが、自動焙煎においては火力を操作した結果でもあるという複雑な立ち位置の指標。
 手動操作の場合の表示重要度は温度、時間、RoRの順だが、自動制御の場合のRoRはすでに終わった加熱の結果でしか無いので把握すべき情報としては参考程度であり、重要度を一段下げた。もちろん手動焙煎でも見やすい形で表示する。

第2センサー(中

 空気温度の計測を重視する焼き方もあるので必要となってくるだろう。
 特にダンパー操作による湿度コントロールの傾向を読むために排気側へ設置する場合が多い。
 安全装置としての使い方は、設置方法が複雑になりむしろ手間が増えることになったので中止した。その顛末は前回テキストかROVO192の動画で言ったが、設置時の環境依存が大きいく不安定さが拭えないため、事故防止の為でもある。

DTR(中

 1ハゼから後ろが何%になっているかを指標とする焼き方があるのでこれも焙煎後半にリアルタイムで読み取る必要がある。
 最終的には豆の色や匂いなど複数の要素を参考にすべきだが、焙煎前半を一定の範囲で行い、後半の長さで焼き分ける場合は参考になる情報でもある。情報としては2桁の%でしか無いが、算出方法を暗算で行うのは無理があるため自動計算で表示した。使う人は使えばいい。
 ボタンを一度押すと計算が開始されて、以降押す度にグラフ上に線が表示されて数値の計算は仕切り直される。よって2ハゼでボタンを押せば2ハゼのDTRを表示となる。

最大火力(中

 温度の上昇率に直接影響する火力開度調整の一時的上限。
 プロファイルに記述することで毎分スパンで制御可能。はじめは全開設定でかまわないが、できるだけ絞ることで滑らかな制御が可能になる。

最小火力(小

 ガスコンロの最小状態を管理する。
 基本的にはガスコンロの個体差を埋めるためのコードであって、ほとんど固定値というところだ。
 バージョン188あたりまでは、不意の失火時に自動で1カウント開度を修正する仕様にしていたが廃止した。管理を減らすための設定のつもりが、余計な動作となってしまいシンプルな情報把握という面でマイナスとなっていた。
 リアルタイムに修正できる。

再着火・消火

 画面の左下に色で表示するインジケータがある。ガスの現在値と合わせて着火状態が提示されていることになるが、必要に応じて消火も再着火も可能。不意の失火の際は再着火、意図的な消火は消火ボタンを押すことになる。
 ただしプロファイルでの設定温度を超えての加熱は防止してあるため自動消火が働いているので、予定より温度を上げたい場合はターゲット温度の設定を変更する。

プロファイル番号(小

 プロファイルは10種類をSDカードに内蔵できて、起動時に選べる仕組みだ。
 起動すると予定プロファイルがドットで表示されて、何分の焙煎になるかの確認、念のためプロフ番号とボタンの位置を表示する。
 極端に異なるプロファイルであればドットが表示された段階で区別はできると思うが、途中が少し違うとか微差を切り替えたい場合は数字で把握するのがわかりやすい。画面中央にデカデカと表示していたが、焙煎が始まってしまえば特に必要ないので少し外した位置に変更した。

焙煎回数(小

 99999回まで無理なく表示できるように配置した。

反応指数(中/小

 表示されている中で唯一の出力の内部計算指数。リアクションインデックス。リアクト指数。
 焙煎機や焙煎量などが変わると計算方法は変えた方が良い場合があり、焙煎環境への対応を柔軟にするため動かせるようにしておきたい。

物理ボタン

 項目に合わせて配置する。

着火消火  上が着火、下が消火
目標補正  温度設定プロファイルからの一時的補正
最大火力  プロファイルからの一時補正
最小火力  絶対値
ダンパー  火力ほど細かい操作は必要ないので10段階
リアクト  上下
DTR    押す度に表示はリセットされる
リセット  緊急用 瞬時に再起動すると同時にサーボを0位置に

物理ダイアル

 電源投入時にSDカードに入れておいたプロファイルから選択され表示される。

まとめ

 今まで同じようなことを何度も書いているようだが、細部がブラッシュアップしていることを書いてみた。
 あれ? なんか足りないかな?
 まあここまで読む人もそうそういないだろうとわりと本気で思っているので遠慮なく書いてみているわけだが。そゆーことで。


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