謎の存在との対話⑥
お経を読み終える。
謎の存在の呼吸が少しづつ落ちついていく。
〝……ありがとうございます。
こんな、、体を貸していただけるなんて…、
ずっと……、暗いところにいました。
どうにも…誰にも、、
なかなか分かって貰えなくて…。〟
彼女がいう言葉は、
まさに私が日頃から感じていた事で、
彼女の重い一句一句に
泣かずにはいられなかった。
彼女も私と同じ様に苦しんでいた。
『で、あんた、この人(私)のなんなの?』
先生は、私にはニコニコと笑顔を向けるが、
謎の存在に対しては優しいという感じではなかった。
〝水子です〟
『ん?子供をおろした事があんの?』と、
先生が私に聞く。
「いや、ないです。」と、首を横にふって答える。
『で、なんでこの人(私)についてたの?』
〝神様に、悪い方へ行かないように、見ているよう、言われました。〟
先生が、分かりやすい様にいちいち解説をしてくれる。
『前世で、あんた流産かなんかで産めなかったんだね。で、神様に言われて付いてきたんだね。
でもあんたが生き霊いっぱいつけちゃったから動けなくなっちゃったんだよ。
これからは、なんかもい少し工夫してね。目立たないようにするとかさ。』
『コミュ二ケーション取れてるの?』
先生が質問する。
〝はい。たまに感情送ってます。〟
(え????もしかして、苦しかったり、使命感に燃えたり…色々な感情の事?あれもそうかな?あれもかな?え?え?)
私はもっと話が聞きたかったけれど、
先生は、聞きたい事が終わったので、私の体に戻すようだ。
『なんか言いたい事ある?』と、水子に聞く。
〝なまえ、つけて欲しいです。〟
『名前つけて欲しいんだってよ。』と先生はこちらを見て笑う。
「え?(私?)」
『俺じゃないでしょwwww』
「わかりました。」
〝人生は、とても短い。〟
『そろそろ戻すけど、いい?』
〝あの!!これからも、がんばるので、
一緒に、よろしくお願いします!〟
と、彼女は手を差し出して握手を求めた。
彼女は、とっても純粋で、しいて言うなら外国の純粋な子供みたいなピュアな感じ。
でもやっぱり体を持たない存在だからなのか、人間とは違うとてもクリアなエネルギーだった。
先生は、私を指さす。
(お前に握手求めてんだ!の意)
いたこさんの体を借りた彼女の手を握った。
彼女は、私の手を両手で掴むと、頭を下げてぶんぶんと両手を上下に振った。
まったく。嘘みたいだ。
『じゃあ、戻すよ。』
私は彼女ともっと話がしたかった。
でも、多分いたこさんの体のことや、お店の事もあってか出来るだけ早く済ませようとしている様子だった。
〝はい!ありがとうございました。〟と言って、彼女は椅子に座り直して背筋を伸ばす。
先生がお経を唱える。
いたこさんが、目を開ける。
いたこさんに、どうだったー?と聞かれ、なんか色々話しをした気がするけど…覚えていない。
このいたこさんの体にも、もともと自分以外に3つの霊体がいて、霊視鑑定の時とか3人で相談してる様子が伺えた。
コミュニケーションの取り方として、返事がなくても話かけてると取れる様になってくるとアドバイスをもらった。(今だにコミュニケーション取れてないし、ほぼ存在を忘れている…ごめん)
『頭の中に、神様がいる為の隙間があるんだけど、そこに入れといたから。』
『なんか聞きたい事ある?』
お祓いや、先生が謎の存在に質問するなどが終わり、最後の質問タイム
今まで気になっていた小さな疑問など、
全てに答えて貰った。だいたい夢で見た不思議な事など。
聞きずらいけど、1番気になってた事を聞いてみた。
「あの、、前回、視える人に、龍がついてるって言われたんですけど…。」
『龍ね、誰にでもついてるよ!俺の知り合いで赤い龍30体くらいいるやつがいてさ、何回死にかけても死なないんだよ!赤は健康にまつわる龍で〜』(恐らく、流脈の話)
「(なんか…違う話のような…)
銀色って言われたんですけど、、。」
『あー。龍って、そっち?
龍神の事ねー、あーいるね。』
と、私の右上を見る。
(やっぱりそこにいるんだ。そしてまだいたんだ!前回言われた時も、ヒーラーさんそこ見てた!)
「銀色って言われました。」
『へ〜そうなんだ。俺には金に見えるけどね。(めっちゃ馬鹿にしてる)』
ヒーラーさんも目を閉じて龍を見てたし、有名な龍使いの方でも肉眼では見えないと言ってたのに、先生は目も閉じずにサラッと答えた。
「あの、龍の背中に乗るっていう話をされて…」
『今のあんたじゃ使い物(遣い物?)になんないってよ』
この時は、私の体がボロボロだから使い物にならないって言われたのかと思ったけれど、
今思うと、そもそも生き霊や死霊だらけの私じゃ使い物にならないって意味だったのかもしれない。
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