『ドラゴン危機一発』感想 ~一番好きかも~(WBLC 2023 鑑賞三本目。ネタバレあり)
※格闘技、喧嘩、未経験者が書いているため、アクションへの感想が薄くなっております。
大満足
当初は観るつもりではなく追加で観に行ったのだが、行ってよかった。
この作品が一番好きかもしれない。
お馴染みの役者さん
『ドラゴン怒りの鉄拳』、『ドラゴンへの道』に登場していた役者さんたちと再会。
ノラ・ミャオ
ちょい役で出演。
髪型は『道』と同じくロングパーマ。
キレイだわ~~カワイイわ~~。
リー・クン
『鉄拳』では道場門下生の主要人物、
『道』では中華レストラン従業員のまとめ役、
そして本作でも、製氷工場作業員のまとめ役として登場。
お調子者だけどなぜか憎めないキャラクター。
動きや表情がとてもコミカルで、存在感があり、見入ってしまう。
“悪の手先”、ウェイ・ピンアオ(本作は出演なし)の次くらいに好きかも。
ちなみに、本作のリー・クンはラスト近くで殺されてしまうのだが、
その亡骸を主人公であるブルース・リーが抱き抱えるシーンがある。
ブルース・リーはすごく気持ちが入っているのか、まるでヒロインの亡骸を抱いているかのようにリー・クンを抱き、頬を寄せるのだ。
うらやましいぞ、リー・クン!(笑)
じっとしてるのは大変そうだけど。
トニー・リュウ
この俳優さんも存在感がある。
なぜなら背が高く、スタイルがよく、とてもハンサムだから。
『鉄拳』では門下生、『道』では従業員。どちらも役柄としては目立たなかったが、ハンサムなので(2回目)印象に残っていた。
それが本作ではまさかの悪役でビックリ!
麻薬密売社長の、どら息子役。
似合ってなくもない。
本作を先に観ていたら、『鉄拳』あたりで「あれ?この俳優さんって…」と思っているのだろうな。
ちなみに、『燃えよドラゴン』にも出ているらしい。(出てたっけ?)
4作とも出ているのはこの俳優さんくらいかな。
この3人が、香港三部作(勝手に命名)皆勤賞。
ジェームス・ティエン(いとこ役)
マリア・イー(ヒロイン役)
この2人は『鉄拳』にも門下生として出演。
ジェームス・ティエンはリー・クンと同じく主要人物、
マリア・イーはトニー・リュウと同じく目立たない役どころだった。
ヒロインや重要人物を演じるレベルの俳優さんが、次の作品ではちょい役ということもあるのかー、意外。
ハン・インチェ
麻薬密売社長役。
この俳優さんも、実は『鉄拳』に出ている。
裏切り者の使用人役。
ブルース・リーに成敗され、電柱に吊るされたうちの1人。
全然気づかなかった~。
他にも端役の役者さんで、複数のブルース・リー作品に出演している人が何人かいるようです。
迫力のアクション
製氷工場での大乱闘シーン。
ブルース・リーが参加する前は、空手でもカンフーでもない、単なる殴り合いなんだけど、これがなかなかの迫力。
やられっぷりがいいのか、観ていて本当に痛そうだし、
工場の道具を武器にしてめちゃくちゃにぶん回すから、危ないったらない。
観てるこっちも思わず「うっ…」と身を引いてしまった。
ブルース・リーが参戦するとさすがにスマート。
殺陣っぽさを感じる瞬間もなくはないが、
スピードがあるのに動きがキレイなので、やはりカッコいい。
本作、敵が刃物を持っているので、流血シーンが多い。
『道』の時も敵のイタリア人はナイフを持っていたが、それとは様子が違う。
本作は、まず、ナイフがでかい。
イタリア人が持ってたのは、もっと小さかった気がする。
そして、持ち方が怖い。
イタリア人はナイフを手の中で遊ばせながら、刃をチラつかせて相手を威嚇していた。
が、本作では柄をしっかり、がっちり握っている。
刃先を下に向けて握るパターンもある。
ぶっ刺す気、満々じゃん!!
タイ&中国人、怖っ!
いとこともう1人が社長宅で襲われるシーン。
いとこは背中をざっくり切られて、傷口が盛り上がって赤々としているし、
もう1人は飛んできた斧が背中に刺さる!痛っ!!
斧はいかんわ。エグい。
本作、ブルース・リーはヌンチャクを使わない。
ナイフを持った敵に囲まれても、返り討ちにする。
ただ、どら息子や社長との闘いでは、結構切られて流血する。
パックリと肉が裂けて(特殊メイク)、痛そう!
ラスト、ブルース・リーが社長の肋骨辺りの急所?に指を突き刺し、血がダラダラーー。
最後まで流血だった。
入り込みやすいストーリー
『鉄拳』は恩師の敵討ちだったけれど、主人公と恩師の関係性が描かれていなかったので、今一つ感情移入できなかった。
本作はその辺りがきちんと描かれていたので、感情移入しやすかった。
また、理不尽に殺された人たちがそれぞれに善い人だったので、主人公と同じく、悪役に対して怒りがわいた。
いとこは正義感が強く、面倒見のよい好青年だった。
一緒に生活した仲間も気のいい男ばかりで、
例えば氷の中の麻薬を偶然見てしまった2人は、「ボーナスをやるから仲間になれ」と誘われても、「いらない」と即答する、誠実な青年たちだった。
このシーンは印象深かったなぁ。
主人公と一夜を共にした娼婦。
社長の悪事を打ち明けたのは、主人公に少し気持ちがあったということかな?
何より、子供まで手にかけたのは許せない。
飽きさせない展開
敵が悪賢い。
主人公の腕っぷしが強いとわかると、
消しにかかるのではなく、味方につけようとする。
酒宴で接待され、泥酔した主人公が仲間から誤解されてしまう展開は、歯がゆかった。
その酒宴のシーン。
主人公の帰りを待ついとこ宅の質素な食事と、宴会場の豪華な食事の対比。
主人公の身を案じる仲間と、泥酔して娼婦を追いかけ回し、薪を素手で割って力自慢をするアホな主人公の対比。
つらいなー。
結局、主人公は誤解されたまま、仲間と死に別れてしまう。
容赦ないな。
ヒロインは無傷だったのが救い。
ほどよい体型
『死亡遊戯』(撮影時)や『燃えよドラゴン』でのブルース・リーは、体が締まりに締まり、顔は尖って、精悍な印象だ。
それに比べると、本作のブルース・リーは、ややふっくらしている。
個人的にはこのくらいが好みだ。
また、本作では主にヘンリーネックシャツを着ているが、これがとてもいい!
ラフな格好なので、胸や二の腕の筋肉の盛り上がりがよくわかり、たくましさに惚れ惚れする。
私はブルース・リーの顔も好きなのだが、本作は惹かれる表情が多かった。
若いからかな?
いやいや、『燃えよ』の時と2年しか違わない。
年表としては、
1971年(30歳) 『ドラゴン危機一発』公開
1972年(31歳) 『ドラゴン怒りの鉄拳』・『ドラゴンへの道』公開、『死亡遊戯』撮影中断
1973年(32歳) 『燃えよドラゴン』公開直前に死去
となる。
たった3年の出来事だったのか。
切ないな。
『燃えよドラゴン』の公開、見たかっただろうな。
最後に
本作はヌンチャクも怪鳥音もないし、低予算作品とも言われている。
あまり期待できないかと思いきや、自分にとってはお気に入りの1本となった。
次はラスト、『死亡遊戯』。
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