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映画『劇場版 ルパンの娘』レビュー

【橋本環奈と深田恭子と太田莉菜花と栗原類で★20個だけど……】

 橋本環奈は表情も仕草も声もすべてが愛らしい。栗原類は顔立ちだけなら『DUNE/デューン 砂の惑星』のティモシー・シャラメに勝てる。太田莉菜のアクションは世界でだって通用する。市村正親の歌はやっぱり素晴らしい。大貫勇輔は歌もダンスも完璧以上だ。麿赤兒の舞踏と藤岡弘、の武闘は全人類の宝だ。

 そして深田恭子は……もうちょっとぷにぷに感が欲しかったかなあ。シャープになってしまった感。それでも美しさに凄絶さが見えて来た。しぐさや声は依然として可愛らしかった。

 そんな感じに役者陣で見どころたっぷりな『ルパンの娘 劇場版』は、泥棒一家の「Lの一族」最後の挑戦めいた盗みがあって、得体の知れない敵とのバトルがあって、それが「Lの一族」の過去、とりわけ深田恭子演じる三雲華の存在にも関わってストーリーにスリリングな展開をもたらす。

 途中、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』めいた展開もあったりしてそれパラドックス的にどうなのと思わせて、整合性は持たせて来たのでとりあえず良かった。

 結果として何も変わらず、橋本環奈が演じる北条美雲の父親の死に関わった人物が結果的にそのままだったりして、決して行為として許せるはずもないものだけれど、大団円の中で何となくなし崩しにされているところもあったりして、そこはちょっと気になったといえば気になった。

 そうした細かいことは気にせず、渡部篤郎と小沢真珠とどんぐり(竹原芳子)が絡んだ場面では言動が新喜劇になってしまって呆然としても気を持ち直し、泥棒一家の最後という割には最後にならないその活躍をいろいろ楽しもう。

 何よりも実写版パトレイバーこと『THE NEXT GENERATION -パトレイバー-』でカーシャを演じた太田莉菜が、レザーのホットパンツからにょっきりと伸ばした脚を網タイツ姿で包んで繰り広げる圧巻のアクションに眼を奪われよう。

 気にしなければ気にならないのが人間なのだから。観るべきところを観るのが映画なのだから。(タニグチリウイチ)

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