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MCTオイルはダイエット効果あるの?栄養士が教える正しい使い方と注意点

こんにちは!Urara食事サポート担当の管理栄養士おかなです♪

健康情報に詳しい人であれば「MCTオイルでダイエットができる」と聞いたこともあるでしょう。

しかし、「興味があるけど本当に効果があるのか心配…。」もしくは「すでに使っているけど効果が出ていない…。」そんなお悩みが多く見受けられます。

そこで今回は、MCTオイルの健康効果や摂取方法、注意点について解説していきます。


本編は長いので、先に「これだけは絶対に覚えていただきたい内容」をまとめました。

\ MCTオイルはこんな人におすすめ /

・MCTは日常的に疲れやすい人、低血糖になりやすい人、ファスティング中の人

\ MCTオイルの簡単要約/

・MCTとは、中鎖脂肪酸のこと
・MCTオイルは、ココナッツオイルやパームオイルからMCTだけを精製して作ったもの
・一般的な油よりも約4倍も速く分解され、短時間でエネルギーになることが特徴
・体脂肪として蓄積されにくく、さらに脂肪燃焼の促進や食欲抑制効果によってダイエットに最適
・毎食時か食後に3~5gから始め、多くて10〜45gまでが摂取量の目安
・料理や飲み物にそのままかけて食べよう


本編に入る前に…
Uraraとは管理栄養士×整体師×習慣コーチによるオンラインダイエットサービスです。
「どんな感じでダイエット指導しているの?」と気になる方ぜひ読んでいただけると嬉しいです♪(40秒で理解できる構成にしました。)

それでは本編にいきましょう!


MCTオイルとは?

MCTとは「Medium Chain Triglyceride」の頭文字をとったもので、中鎖脂肪酸のことを言います。

つまり、MCTオイルとは”中鎖脂肪酸の油”のことですが、そもそも中鎖脂肪酸とは何でしょう?

いわゆる脂質というのは、1つのグリセロールと3つの脂肪酸からできており、脂肪酸の炭素数(長さ)によって長鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、短鎖脂肪酸に分類されます。

そして、中鎖脂肪酸は炭素数が8~12程度の脂肪酸のこと。

カプリル酸ラウリン酸などが中鎖脂肪酸にあたり、牛乳やバターなどの乳製品、ココナッツオイル、MCTオイルに多く含まれています

脂肪酸の種類についての詳細は、こちらの別記事をご覧くださいね。


MCTオイルとココナッツオイルの違い

中鎖脂肪酸を多く含む食べものとしてはココナッツオイルが有名ですが、ココナッツオイルとMCTオイルはどう違うのでしょうか?

ココナッツオイルは、中鎖脂肪酸の含有量が約6割、残りの約4割のほとんどが長鎖脂肪酸です※1。

一方、MCTオイルはココナッツオイルやパームオイルからMCTだけを精製して作ったものなので、すべてが中鎖脂肪酸なんです※1。

「ココナッツオイル=MCTオイル」ではなので、混同しないように注意してくださいね。


中鎖脂肪酸は、一般的な油に比べて4倍早く分解される!

中鎖脂肪酸は、分子量が長鎖脂肪酸の半分くらいと小さいです。

よって、長鎖脂肪酸とはまったく違う経路で消化吸収されるため、一般的な油よりも約4倍も速く分解され、短時間でエネルギーになることが特徴※1。

また、MCTオイルは体脂肪として身体に蓄積される前にエネルギーへと変換されるため、太りにくい脂質としてダイエットで取り入れる人も増えています。


MCTオイルに期待できる3つの効果

続いては、MCTオイルに期待できる3つの効果について解説していきましょう。


1.ダイエットのサポート効果

さきほど解説した通り、中鎖脂肪酸は短時間でエネルギーになるため、体脂肪として蓄積されにくく、太りにくいんです。

ちなみに、中鎖脂肪酸のカロリーは「8.4 kcal/g」※1

一般的な脂質である長鎖脂肪酸のカロリー「9kcal/g」より少ないことも太りにくい理由ですね。

さらに、MCTオイルは脂肪燃焼を促進させることが示されているんです。

実際にマウスによる実験では、MCTを含むエサを12週間与えると、褐色脂肪組織の活性化と体重及び体脂肪率が減少したことがわかりました※2。

褐色脂肪組織とは、脂肪を燃焼させて熱を作り出す性質をもつ組織です。

つまり、MCTオイルを摂取することで脂肪燃焼が促進され、その結果、体脂肪が減少したと考えられますね。


また、MCTオイルを摂取することで満腹感が高くなり、食事摂取量が減ることも示されています。

MCTオイル、ココナッツオイル、植物油の3種類の油が入った朝食をそれぞれ別々の日に摂取してもらった研究があります。

その結果、MCTオイルが含まれていた朝食を食べた日は、食後3時間の間、満腹感が持続され、さらに1日を通して食物摂取量が抑えられたことがわかりました※3。

このように、MCTオイルは短時間でエネルギーになり、一般的な脂質に比べてカロリーが少なく、さらに脂肪燃焼の促進や食欲抑制効果によってダイエットに最適な脂質と言えるでしょう。


2.低血糖の予防

以前の記事で、血糖値のコントロールがダイエットに重要であることを解説しました。

高血糖だけでなく低血糖も痩せにくくなる原因ですが、MCTオイルは低血糖を予防する効果があるんです。

私たちの第一のエネルギー源である糖質は、グリコーゲンとして肝臓などに蓄えられており、食事と食事の間はグリコーゲンがグルコース(糖質)に分解されエネルギーとなります。

ところが、貯蔵されていたグリコーゲンが枯渇してしまうと、うまくエネルギー源が作り出せなくなって低血糖になってしまうんです。

そこで、有効なのが短時間でエネルギーとなるMCTオイル。

MCTオイルを摂取すると、糖質のかわりにMCTがエネルギー源となるため、グリコーゲンを節約し枯渇するのを防いでくれます

低血糖を予防できる結果、低血糖からくる疲れやだるさ、食欲増加などを防ぐことができるでしょう。


3.抗炎症作用・抗ガン作用

MCTオイルは、ダイエット効果だけでなく、抗炎症サイトカインであるIL-10の分泌を増加させ、炎症を抑えることがわかっているんです※4。

さらに試験管内実験では、MCTオイルによって、がん細胞の増殖が抑制されることも示されました※5。

MCTオイルががんを抑制する、という結論に至るにはまだまだ研究が必要ですが、がん患者さんの食事にMCTオイルを用いた食事が取り入れられるようになってきていることは事実。

このように、MCTには様々な健康効果があり、とくにダイエットを考えている人には、とてもおすすめの栄養素と言えるでしょう。


MCTオイルはどんな人におすすめ?

「MCTオイルをとらないと痩せられない」というわけではありませんが、MCTオイルをとることでダイエットがスムーズに進む人もいるでしょう。

MCTオイルはすぐにエネルギーになるため、日常的に疲れやすい人低血糖になりやすい人は摂ってみてください。

また、ファスティング中の人にもMCTオイルはおすすめ。

ファスティング中に起きやすい低血糖を予防でき、さらに脂肪燃焼効果が期待できるでしょう。


MCTオイルの効果的な取り入れ方と注意点

ここからは、MCTオイルの効果的な取り入れ方と摂取する際の注意点について解説してきます。


毎食時に3~5gから、少しずつ増やす

MCTオイルは必ずしも体にとって必要な栄養素ではないため、摂取量に関して基準となる指針はなく、適量は個人によって異なります。

一般的な目安としては、毎食時に3~5gから始め、多くて10〜45gまでにしましょう。

いきなり大量のMCTオイルを摂取すると気持ち悪くなる場合があるため、少量から始めるのがポイントです。

また、空腹時に摂取すると胸やけを起こす可能性があるため、食事と同時か食後に摂取すると良いですね。


加熱せずに生のまま摂取する

MCTオイルは沸点が低いため、加熱して使用しないようにしてください。

炒め物や揚げ物の油に使用するのではなく、料理や飲み物にそのままかけて食べましょう

サラダのドレッシングに使用したり、コーヒーやドリンクにかけるのも良いですね。

液体タイプが使いにくければ、MCTパウダーもおすすめです。


まとめ

・MCTとは、中鎖脂肪酸のこと
・MCTオイルは、ココナッツオイルやパームオイルからMCTだけを精製して作ったもの
・一般的な油よりも約4倍も速く分解され、短時間でエネルギーになることが特徴
・体脂肪として蓄積されにくく、さらに脂肪燃焼の促進や食欲抑制効果によってダイエットに最適
・日常的に疲れやすい人、低血糖になりやすい人、ファスティング中の人におすすめ
・毎食時か食後に3~5gから始め、多くて10〜45gまでが摂取量の目安
・料理や飲み物にそのままかけて食べよう


最後に(素敵な情報があるかも…?)

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最後まで読んでいただきありがとうございました♪


[執筆者]
おかな(岡 かな)
Urara食事サポート担当

管理栄養士/分子栄養学カウンセラー大阪市立大学食品栄養科、大学院修士課程修了。医療機関に勤務し、糖尿病や高血圧など生活習慣病の栄養管理に取り組む。その後はヘルスケア事業に移り、個人で年間500人以上のダイエットをサポートする。現在はUraraを含むダイエットサポートの他、特定保健指導や健康に関わる分野の執筆も行っている。誤った情報で10キロ以上リバウンドした自分自身の経験から、科学的根拠に基づく正しい情報の発信を心掛けている。


■引用文献一覧

[1]Jadhav HB, Annapure US. Triglycerides of medium-chain fatty acids: a concise review. J Food Sci Technol. 2023 Aug;60(8):2143-2152.

[2]Zhang Y, Xu Q, Liu YH, Zhang XS, Wang J, Yu XM, Zhang RX, Xue C, Yang XY, Xue CY. Medium-Chain Triglyceride Activated Brown Adipose Tissue and Induced Reduction of Fat Mass in C57BL/6J Mice Fed High-fat Diet. Biomed Environ Sci. 2015 Feb;28(2):97-104. 

[3]Kinsella R, Maher T, Clegg ME. Coconut oil has less satiating properties than medium chain triglyceride oil. Physiol Behav. 2017 Oct 1;179:422-426.

[4]Yu S, Go GW, Kim W. Medium Chain Triglyceride (MCT) Oil Affects the Immunophenotype via Reprogramming of Mitochondrial Respiration in Murine Macrophages. Foods. 2019 Nov 5;8(11):553. 

[5]Kimoto Y, Tanji Y, Taguchi T, Sugimoto T, Watanabe T, Tsukamoto F, Kim S, Yoneda K, Takamura Y, Izukura M, Shiba E, Takai S. Antitumor effect of medium-chain triglyceride and its influence on the self-defense system of the body. Cancer Detect Prev. 1998;22(3):219-24.

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